真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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第九十八話

 

 

 

朝風呂にも入り、仕事の後の希望もあるかと思うと仕事にもやる気が出る。さ、頑張って街の警邏に行こうか。

 

 

「副長、荀彧様を抱いたって本当ですか!?」「副長、遂に本気を出したって?」「流石、種馬兄。本領発揮ですか?」「他の娘も待ってますよ副長!」

 

 

集合場所に言ったら次々に囃し立てる警備隊の諸君。

もう、コイツ等ったらー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※暫くお待ちください

 

 

 

 

 

 

 

 

「で……何処で聞いた、その話?」

「副長……溜め無しで気功波を放ちましたね……」

 

 

俺の手加減抜きの気功波を食らった警備隊の皆さんは大半が地に伏している。凪のツッコミも聞き流したくなる状態だ。

 

 

「もう城内の噂なのー」

「朝から華雄が騒いで、春蘭が驚いて大声を上げたから一気に噂が広まりましたね」

「あの時か……」

 

 

沙和と一刀の言葉に納得した。そういや、朝目撃ドキュンされたのは華雄だった。そこから一気に噂が広まるとは迂闊だった。

 

 

「うぅ~……貧乳か!やっぱ副長は貧乳好きなんか~っ!?」

「お前はお前で妙な事を叫ぶな!」

 

 

話に加わらなかった真桜が叫んだ。この状況でそんな事を叫ぶな阿呆!

 

 

「だ、だって~……一番、脈の無さそうやった桂花が一番乗りしてまうんやもん……」

「うっ……」

 

 

真桜の言葉に俺も言い淀んでしまう。確かに今まで月や詠、華雄、真桜、斗詩からアプローチを受けていた。そんな中で口喧嘩……と言うか一方的に罵倒されていた桂花と一足飛びで関係を持てばそうもなるか。いや、でも俺が貧乳好きと噂を広められるのは困るんだが。

 

 

「しっかし荀彧様とはなぁ……」「賭けは俺の勝ちだな」「配分どうだったっけ?」

 

 

なんて思っていたら俺の気功波で倒れていた警備隊の皆さんが起き上がってくる。コイツ等……俺でトトカルチョしてやがったな。とりあえず警邏が終わったら、もう一発叩き込んでおくか。

 

 

「ったく……」

「でもこれだけ噂になるのは純一さんが慕われてるからですよ」

 

 

俺の溜め息に一刀が慰めるような口調で話しかけるが、それはお前も同じだからな?

この後、警邏に出た後も落ち着かなかった。桂花の言葉が頭の中でリフレインする。

 

『そ、それと……仕事が終わったらアンタの部屋に行くから……』

 

超インパクトがある。なんて言うか……シンプルな分、破壊力が半端無い。

 

なーんて、思ってたんだけど。

 

 

 

「桂花だけど、今日は部屋には行かない……と言うか行かせないわよ」

「…………はい?」

 

 

仕事が終わって食堂で飯を食っていたのだが大将からそんな事を言われた。桂花が来ないのは一先ず、置くとしても何故、大将がそれを知ってるの?

 

 

「桂花だけど……私が少し、弄ったら倒れちゃったのよ。本当に……昨日何があったのかしらね?」

「いや……その……」

 

 

大将の睨みにダラダラと冷や汗が流れる。

 

 

「まったく……私と寝たときでも見た事無い顔してたわよ」

「すいません……もう勘弁」

 

 

大将の言葉に追い詰められてるのもあるけど桂花が来ない事がダメージデカいわ。

 

 

「………桂花を可愛がるのも結構だけど、他の娘達も気に掛けなさい」

「……ああ、わかってるよ」

 

 

大将の言葉が妙にズシンと響いた。俺は桂花と関係を持ったが他の娘達も気に掛けてくれていた。それに気づかない程、鈍感じゃない。

 

 

「アナタや一刀の居た所じゃ一人を愛するのが当たり前みたいだけど……アナタが本気で彼女達を思うのなら彼女達とちゃんと向き合いなさい」

「………了解ですよ」

 

 

本当に全部、お見通しなんだな。つーか、国のトップからお許しが出るとか……

 

 

「頑張りなさい種馬兄。弟を見習いなさい」

「持ち上げてから落とすなや」

 

 

種馬云々は兎も角、月達とも向き合う……か。

ん……?と言うか、大将の口ぶりからすると一刀の女絡みは全部把握してるって事か?

 

あんま考えんとこ……考えるなら月達との事だな。

俺はそんな事を思いながら冷めた夕食をかっ込んだ。


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