「アマネセルは、ガンイージ隊のフォローに回ってくれっ! オレは1人でもやれる!」
「あらあら……レジア、油断は禁物よ。でも、今回は任せるわ。あのビッグキャノンに取り付けない限り、私達に勝ちは無い」
レジアのトライバード・アサルトがガンイージ隊から離れると、マグナ・マーレイも数機のゾロアットを引き連れて部隊を離れる。
「コッチに付いて来てくれたか……ありがたい! ゲルダさんには世話になったが、ザンスカールに居座り続けるなら墜とさせてもらう!」
トライバード・アサルトはガンイージ隊から距離を取りながら、マグナ・マーレイに迫って行く。
「レジア・アグナール……何度も私の邪魔をしてっ! マリア様の考えが浸透して、争いの無い世界を作る事が大切だって……なんで分からないっ!」
リフレクター・ビットを展開するマグナ・マーレイの横から、ゾロアットが数機トライバード・アサルトに向けて飛び出した。
「また、この戦法かっ! マリア主義が……聞いて呆れる。人の命を、何とも思っていないのかっ!」
直線的に飛び込んで来るゾロアットに、トライバード・アサルトから放たれるビームが的確に当たっていく。
「くっ! カネーシャ・タイプ、迂闊に飛び込むなっ! 考えて戦わなければ、奴は倒せないっ!」
しかしアーシィの叫びも虚しく、ゾロアットは次々とビームに貫かれ爆発する。
「やはり、クローンはタシロの命令に忠実に動いてしまう……でも、この実験が将来の平和を作る為の犠牲なら……受け入れるしかない!」
ゾロアットが爆発した隙を突き、マグナ・マーレイは展開していたリフレクター・ビットを動かす。
ゾロアットが爆発して出来た煙幕を使い、その死角からトライバード・アサルトを狙う。
拡散ビームでは、Iフィールドによって弾かれる。
ヴェズバーのような高火力兵装が無いマグナ・マーレイでは、実弾を当てるしかない。
そして可能性がありそうなのは、リフレクター・ビットを直接当てる事だ。
たがレジアも、それは分かっている。
距離をとりながらビームをゾロアットに当て、トライバード・アサルトが煙に取り囲まれないように動く。
「強い……だから、レジスタンス如きが勘違いするんだ! 自分達は戦えるって……自分達が世界を変えられるって……でも、ちゃんとした国家が腐敗した連邦を止めて、政権を奪わないと世界が統治出来ない。レジスタンスが勝ってしまったら、世界は再び混乱する! そんな簡単な事が、なんで分からない!」
トライバード・アサルトは……レジアは強い。
ニュータイプの乗るニュータイプ専用機を、オールドタイプが凌駕する……
仮にトライバード・アサルトにIフィールドが無くても、ニュータイプ並に攻撃を回避するレジアに勝つのは困難だ。
そんな人間が、レジスタンスにいる。
レジスタンスに、戦争の後の事を考えている人はいるのだろうか?
問題は戦争中ではなく、戦後がどうなるかなのに……
「考えも無しに、人を導くなっ!」
叫んだアーシィは、覚悟を決める。
自分が迷っているから、被害が増えるんだ。
ならば……
「カネーシャ・タイプ、無駄に命を散らす必要は無い! トライバードに取り付くまでは、リフレクター・ビットで防御する。固まれ!」
爆発の煙を利用しながら、リフレクター・ビットでトライバード・アサルトに牽制攻撃を仕掛ける。
ゾロアットに向かって来るビームも、リフレクター・ビットで弾く。
「戦い方を変えてきたっ! 覚悟を決めたな……こうなる前に、墜としておきたかったが……」
サイコミュで動くリフレクター・ビットの隙間から、ゾロアットを狙い撃つ事は難しい。
「連射は出来ないが……ヴェズバーを使うしかないっ!」
ヴェズバーから放たれるビームが、確実にゾロアットとリフレクター・ビットを消失させていく。
しかし、レジアとアーシィの距離は確実に近付いている。
「すまない、カネーシャ・タイプ! けど……犠牲は無駄にはしない!」
ついに、ゾロアットの刃がトライバード・アサルトに襲い掛かった。
ゾロアットのビームサーベルが、トライバード・アサルトを掠める。
「食い付かれたっ! だが、まだだっ!」
トライバード・アサルトの腰に装備されたヴェズバーを放ちつつ、近付いてきたゾロアットをビームサーベルで薙ぎ払う。
一瞬で、光球が2つ出来上がった。
「くそっ! 強過ぎる! だからこそ、ここで墜とす! マリア様が考える世界を作る為に、ザンスカールは必要なのよっ!」
ゾロアットが爆発した煙に紛れ、ビームサーベルを握ったマグナ・マーレイがトライバード・アサルトに迫った……