機動戦士ガンダム ダブルバード   作:くろぷり

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ダブルバード・ガンダム4

「ペギーさん! フォローに入ります!」

 

 ツインテール・パーツをパージしたペギーのガンイージは、ゾロアットをあっさり破壊した後にダブルバード・ガンダムに近寄る。

 

「モデファイされたガンイージ……調子良さそうですね」

 

「ツインテール・システムの負荷がかかっているが、それでも前よりマシだな。それより、仲間との久々の再開とはいえ、長く喋り過ぎじゃないか? ファンネルで敵の陣形を乱してはいたが、それでも1機で戦うには骨が折れる数は残ってる」

 

 少し苛立った口調で喋るペギーに、ニコルは少し顔を引き攣らせた。

 

「ははは……ペギーさんなら、問題ない数だと思って……カリーン基地のエースなら、天道虫ぐらい余裕でしょ?」

 

「なるほど……随分と評価してくれているんだな……なら、エースは高みの見物と洒落込むかな。ミリティアン・ヴァヴに迫ってくる敵を殲滅したら、ニコルはシュラク隊の援護に迎え!」

 

 ペギーが叫んだ瞬間、モニターにビーム・ライフルを構えたゾロアットが映る……そして、2機の間に撃ち込まれたビームを分散しながらあっさりと回避する。

 

「ゆっくり話ている暇は無いな……だが、実力不足だっ!」

 

 ペギーのガンイージが、ビームを撃ってきたゾロアットを簡単に仕留めた。

 

「ヒュー! 流石はペギーさん! って……オレもしっかりしないと、またペギーさんにドヤされる」

 

 ダブルバード・ガンダムは、エネルギーをチャージしたエボリューション・ファンネルを展開する。

 

 エボリューション・ファンネルは、中央から分離すると倍の12本に増え、ビームを纏って回転を始めた。

 

「残ってる天道虫は12機! なら、これで全機墜とす!」

 

 エボリューション・ファンネルは、ゾロアットの手足……頭を斬り落としていく。

 

「これで懲りたら、もう二度と出てくんなよ!」

 

 胴体だけになったゾロアットは、バーニアを吹かして後退する。

 

「ニコル……あんたの戦いに文句を言うつもりは無いが、私が止めを刺すとか考えないのかしら?」

 

「いや、別にオレのポリシーを押し付けるつもりはないよ。戦争をしてるんだ……でも、オレは殺したくない……それだけさ」

 

 エボリューション・ファンネルは役目を終えると、ダブルバード・ガンダムの背中に戻って来た。

 

 そんなダブルバード・ガンダムとガンイージの勇姿を見て、ミリティアン・ヴァヴの艦橋でクルー全員から歓喜の叫び声が上がる。

 

「我々の苦戦が……死ぬような思いが、馬鹿みたいに感じますね……」

 

「ああ……だが、あれが我々のエース機の力だ。普通の援軍では、本艦は墜ちていたかもしれん。リガ・ミリティアの資金と知識と人脈と……その全ての結晶……そして、パイロットは奇跡的にレジスタンスに参加したニュータイプ……限りなくゼロに近い可能性が紡がれて生まれた機体だ。だからこそ、我々は助かった……」

 

 スフィアはダブルバード・ガンダムが映るモニターを見ながら、マッシュに答えた。

 

 奇跡……思えば、全てが奇跡だったのかもしれない。

 

 ザンスカールがサナリィを接収した時に、ミノフスキー・ドライブの図面とミリティアン・ヴァヴを守れた事。

 

 サナリィでの激戦で、ミリティアン・ヴァヴが墜とされなかった事。

 

 連邦軍のバグレ隊が協力してくれた事。

 

 そしてアナハイム・エレクトロニクスが、サナリィの技術者と連携してくれた事。

 

 リガ・ミリティアの力だけでは、ミノフスキー・ドライブ搭載型の開発など、資金も人手も技術も足りなかっただろう。

 

 それでも奇跡を信じて……奇跡を起こせない限り、強大な敵に対抗出来ないと考え、奇跡を起こす為に必死に戦った人達がいる。

 

 まだまだ、絶望的な状況に変わりは無い。

 

 圧倒的な物量、世論に立ち向かわなければならないが、何とかなる……今のリガ・ミリティアには、そう思わせる程の勢いがある。

 

 今だって、絶望的な窮地を脱する事が出来たのだから……

 

「ニコル……連戦になって悪いが、レジア達の援護に向かってくれ! あの凶悪なビームを、二度も撃たせる訳には行かない! だが戦力差があり過ぎて、流石のレジア達も苦戦している。ペギーさんは、一度ミリティアン・ヴァヴで補給を受けてくれ」

 

 スフィアはニコルとペギーに感謝しながらも、口を開いて命令する。

 

 まだ、戦いは終わっていない。

 

「了解! あんな大量虐殺兵器を、そう何度も撃たせない! 艦長、任せてくれ!」

 

 ダブルバード・ガンダムはモビル・アーマー形態となって、悲劇が渦巻く戦場へと向けて動き出した……

 

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