機動戦士ガンダム ダブルバード   作:くろぷり

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操られし者18

「フェネクスのパーツを持って来たのか。私がブラスター・パッケージの参考にしたパーツだが、量産の目処が付いたか。アレが量産されれば、ガンイージの性能は飛躍的にアップする。それならば、この戦場に持ち込んだのは良い判断だな……ミューラ」

 

 F96アマネセルに装備された羽を見て、リファリアは安心して頷く。

 

 リファリアがリガ・ミリティアを離れたのも、ミューラという後継者のような人物に出会えたからだ。

 

 考え方も近いし、ミノフスキー・ドライブにも精通している。

 

 自分がいなくても、リガ・ミリティアはミノフスキー・ドライブの完成形を手に入れる事が出来るだろう。

 

 量産が可能となり、研究の必要が無くなったパーツは実戦投入する……それが、いかに貴重な物であっても、そんな事は言っていられない。

 

 そして今回の作戦には、ハイコストであっても投入する価値がある……いや、投入してでも成し遂げなければならないのだ。

 

 地球にダメージを与え、大量の死者を出すようなビームを何回も撃たせる訳にはいかない。

 

 それは、シュラク隊の面々も分かっている。

 

 リファリアの視線の先では、2機のモビルスーツが翼を広げ始めていた。

 

「飛べ……リースティーア。お前なら出来る。今、ザンスカールに楔を打ち込まなければ、一気に飲み込まれる。頼むぞ……」

 

 青き輝きを放ちながら翼を広げたアマネセルは、レシェフから放たれるビームを躱しながら加速する。

 

 その動きに、シュラク隊のガンイージは付いていけない。

 

「リースティーア、私達の事は気にするな! そのまま突っ込んで、ビッグ・キャノンを……いや、コントロール艦を破壊しろ! 鳳凰のスピードと火力なら、やれる筈だ!」

 

「あら、そうね。この機体のスピードなら、スクイードに近付ける。シュラク隊が……リファリアが……レジアが……みんなが敵のモビルスーツを引き付けていてくれるから、敵艦の護衛は少ない! 今しかないわ……デストロイモード、起動!」

 

 青き光が、更に青く……リースティーアの気持ちを乗せるように輝きを増す。

 

 リースティーアはサイコミュの増大と共に、レジアの戦っている宙域に妙なプレッシャーを感じとる。

 

「あら……嫌な感じ……ニコル、感じてる?」

 

「ああ……レジアの事だから、何とかしてくれるとは思うケド……心配だね」

 

 奇妙なプレッシャーが気になるリースティーアとニコル……それに気付いたジュンコの機体が、ダブルバード・ガンダムの前に出た。

 

「ならニコル、行って来な! レジアは何とかなっても、マヘリアとクレナは厳しいかもしれない。そのプレッシャーが何か分からないが、ニコルとダブルバードならやれるだろ?」

 

「姉さんの言う通りだ。ザンスカールは……ベスパは、アーシィやマデアのような軍人だけじゃない。非道な事をやる奴もいる。ニュータイプとして感じるなら、間違いだろ? ここは任せて、行ってくれ!」

 

 ジュンコとケイトの言葉に、ニコルは迷う。

 

 確かに、変なプレッシャーの正体は気になる。

 

 しかし、シュラク隊がレシェフに囲まれている状況は変わっていない。

 

「あら、ニコル。ここにいるメンバーは、皆プロよ。それに、私が守る……誰も死なせたりしないわ」

 

「分かった……リースティーアさん、皆を頼む! 向こうが解決したら、直ぐに戻る!」

 

 リースティーアの……アマネセルの背中には、信頼に値する逞しさがある。

 

 シュラク隊は、まだレシェフの囲みの中にいるが、半数のレシェフはアマネセルを追っている為、囲みは薄くなっていた。

 

 大丈夫……ニコルは自分に言い聞かせると、ダブルバード・ガンダムをレジア達の戦っている宙域に向けて動かし始める。

 

「あらあら……とりあえず、纏わり付いてくるレシェフを墜とさないと、スクイードを狙えないわね。時間制限もあるし、やらせてもらうわ!」

 

 リースティーアは高速でアマネセルを操りながら、ビームライフルとアームド・アーマーに内蔵されているメガキャノンでレシェフを狙う。

 

 高速で動きながらも、その射撃は正確……更にサイキッカーの先読み能力も、デストロイモードによるジャミングで使えない。

 

 それでもレシェフのパイロット達は質が高く、回避する機体もある。

 

 だが、少しずつ数は減っていく。

 

「あら……少し時間がかかったわね……でも、ようやく狙えるわ。ビームマグナムなら、戦艦だって!」

 

 射撃の邪魔をするレシェフは、あらかた片付けた。

 

 スクイードにビームマグナムを向けて狙いをつけるアマネセル。

 

 その背後に、サイキッカー能力でステルス化したレシェフが迫っていた……

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