「ガンダム・タイプかっ!!コロニー内の戦闘で、アーシィ大尉が倒したと聞いたが……………リガ・ミリティアには、どれだけ優秀なメカニックがいるんだ」
レグナイトのゾロアットは、高出力のビームを見て思わず距離をとる。
ゾロアット隊がトライバード・アサルトから距離をとった事で、レジアはヘレンと接触する事が出来た。
「よく…………無事でいてくれた。損傷した機体をシークレット・ワンに戻してくれ」
「分かった!!マヘリアとクレナは、一度シークレット・ワンに戻れ!!トライバードがいれば、戦線は維持出来る!!」
ヘレンのガンイージは右足を損傷していたが、マヘリアとクレナのガンイージを下げる指示を出した後も後退する気配がない。
「ヘレンさん、あなたのガンイージも右足が飛ばされてる。シークレット・ワンに戻って下さい。後はオレが、何とかします!!」
「おいおい…………私を誰だと思ってんだ!!戦友だったリファリアも失ってんだ!!足が無くなった程度で下がれるかよ!!」
ヘレンのガンイージは、ビームライフルでビームを放ちながら、トライバード・アサルトの前に出る。
「天道虫のような新型だけなら、何とかなるかもしれないが…………羽根付きも迫っているんだ!!損傷した機体で戦場に留まってたら、直ぐに墜とされる!!」
レジアは叫ぶが、ヘレンの耳には届かない。
「とりあえず、天道虫野郎を全部墜としたら戻ってやるよ!!羽根付きが来る前に全滅させるぞ!!」
「くそっ!!仕方ない!!」
何を言っても無駄だとレジアは悟り、接近戦を挑むヘレンの援護に回る事を決めた。
「ヘレン機は損傷してる!!オレとツインテールは遠距離から援護、ケイトは牽制をっ!!」
「了解!!」
レジアの指示に、まだ大した傷を負っていないリースティーアのジェムズガン・ツインテールとケイトのガンイージが反応する。
数で圧倒していたザンスカールのモビルスーツ隊は、トライバードとツインテールの圧倒的な機動性に外周を抑えられ、その長距離攻撃によって中央に集められていく。
2人の射撃は精密で、混戦の中にいるヘレンとケイトのガンイージにはビームが掠りもしない。
遠距離からの高出力ビームは、ザンスカールのモビルスーツだけを貫いていく。
「数で圧倒している筈が…………外を抑えられて、高精度で当てられては、どうにもならん!!マグナ・マーレイが来るまでの時間を稼ぐしかないな。ビーム・ストリングスを使う!!」
レグナイト機の右肩に装備されたバインダーから、電磁ワイヤーが飛び出す。
「またかっ!!」
「きゃあああぁぁぁ!!」
ヘレンとケイトのガンイージが電磁ワイヤーに絡めとられ、身動きが出来なくなる。
「くそっ!!何だあれは!!」
レジアはトライバード・アサルトのヴェスバーを収納すると、ビームサーベルで電磁ワイヤーを斬った。
その隙に、レグナイトの指揮する部隊は後退していく。
「あらあら……………なかなかの指揮官ね…………留まった機体があったら、狙い撃ちしようと思ったのに…………」
リースティーアのジェムズガン・ツインテールも、トライバードに続いて電磁ワイヤーを斬り始める。
その時……………銀色の球体が、リガ・ミリティアのモビルスーツを取り囲み始めた。
「まずい…………羽根付きかっ!!」
そう………………アーシィの操る純白のマグナ・マーレイが、リガ・ミリティアのモビルスーツ隊を視界に捉えている。
「もう失敗出来ない!!宇宙ででも、リガ・ミリティアの象徴になる戦艦は墜とさせてもらう!!その為にも……………邪魔者は消えろ!!」
銀色の球体……………リフレクター・ビット目掛けて、拡散ビームが放たれた。
「まずい!!ガンイージ2機は、まだ動けない!!Iフィールドで護りきれるか??」
「あらあら…………レジア、それじゃあ、2機は護れないわよ!!リファリア、ゴメン!!ツインテール・パーツ…………パージ!!」
全方位から襲い掛かるビームに、リースティーアのジェムズガンは、分離させたツインテール・パーツとビームシールドを展開した自らの機体を、ビームに投げ出す。
「わあぁぁぁぁぁ!!」
「きゃあぁぁ!!」
戦場に、女性の叫び声が響き渡る。
ジェムズガンの身体に…………その機体の脇を抜けたビームがガンイージに…………
Iフィールドを持つトライバード・アサルト以外のコクピットから、叫び声が……………
モビルスーツの頭が……………腕が…………足が…………
宇宙空間に漂う。
「皆、無事かっ!!」
「ああ…………何とかな…………だが、リースティーアのジェムズガンが………」
ヘレンとケイトのガンイージは、手足や頭は無くなっていたり、所々溶けていたりするが、コクピットは無傷である。
トライバード・アサルトとジェムズガン・ツインテールによって、コクピットへのビームの直撃だけは避けれた。
しかし、盾になったリースティーアのジェムズガンだけは、コクピット部分の装甲が溶けている。
ツインテール・パーツは大破し、頭と左腕と胴体のみを残したジェムズガンは、所々スパークを起こしながら宇宙空間を漂う。
「くそっ…………リースティーアさんっ!!応答してくれ!!頼む!!」
レジアの叫び声も虚しく、リースティーアからの応答は無い。
「レジア!!私が助ける!!」
ジェムズガンに接触したヘレンのガンイージは、コクピット・ハッチを開ける。
中から、ノーマルスーツを着たヘレンが飛び出し、まだ熱を帯びているジェムズガンのコクピット・ハッチを開けた。
「おいっ!!生きてるか??って駄目だ。反応がねぇ!!くそっ!!」
ジェムズガンの中コクピットの中は、機械が剥き出しになってしまっている部分があり、今にも爆発しそうである。
ヘレンは力無くうなだれるリースティーアのヘルメットのバイザーを閉じると、そのまま抱えてジェムズガンから飛び出した。
「ヘレン!!ジェムズガンは、もう持たない!!少し荒っぽいけど………」
今にも爆発しそうになるジェムズガンを、ケイトのガンイージが蹴り飛ばし、そのままガンイージをヘレンの近くに寄せる。
ジェムズガンにガンイージの背を向け、ヘレンとリースティーアの盾になろうとするケイト。
「動きが止まったモビルスーツ!!墜ちろっ!!」
「やらせるかっ!!トライバード・アサルト!!応えてくれっ!!」
再び拡散ビームを放とうとするマグナ・マーレイに、トライバード・アサルトのバーニアを全開にして突っ込むレジア。
「まずは、目障りなモビルスーツを墜としてから…………相手をするのは、その後だ。ガンダム!!」
「間に合わない!!くそっ!!」
マグナ・マーレイがビームを放とうとした…………正にその時……………
1機のジェムズガンが、マグナ・マーレイの前に立ちはだかった。