「な………何事ですか………」
焦るニコルと対象的に、レジアとマヘリアは冷静に状況を把握する。
レジアはトライバードのコクピットに滑り込み、マヘリアはガンイージの入ったコンテナに走り出していた。
レジアはトライバードのコクピットから、指令室に連絡をとる。
モニター越しの指令室にもサイレンの赤い光りが点滅するように輝き、緊張感を駆り立てた。
「ミューラさん!!何が起きてる!!」
「ザンスカールのモビルスーツ、ラング12機がこちらに接近中です。工場の位置はバレていないと思われるので、レジアさんはトライバードですぐに出撃して、月の裏から攻撃を仕掛けて下さい」
「12機か………流石にキツいな。マヘリアさんも手を借してくれ!!オレが戦闘開始したら、敵の目に入らないように出撃してくれ!!」
「了解!!私もリガ・ミリティアのパイロットよ!!うまくやるわ!!」
マヘリアの返事を確認して頷いたレジアは、モニター越しにエステルの姿を捉えた。
「トライバードはいつでもいけるよ!!ザンスカールのモビルスーツなんざ、ササッと蹴散らしてきな!!」
エステルの豪快な言葉に、レジアは逞しく感じ、思わず笑ってしまう。
「相変わらず、無茶な事を簡単に言ってくれるぜ!!けどまぁ、やるしかねぇしな!!レジア・アグナール、トライバード・ガンダム、出るぞ!!」
レジアの掛け声に呼応するようにトライバードはバーニアを噴射させ、漆黒の闇の中に消えていった。
閃光を放ちながら加速していくトライバードはそのまま月を半周し、赤いラングを先頭にした緑のラング部隊の後方に現れる。
そのスピードに、モビルスーツだと思っていなかったラングのパイロット達は驚きを隠せなかった。
「モ………モビルスーツだとっ!!」
「連邦の新型………いや、リガ・ミリティアかっ!!」
「白いモビルスーツ………ガンダム………なのか…??」
混乱のラング部隊を嘲笑うかのように、トライバードはラング隊の中央を大胆に突っ込む!!
瞬間!!ビームサーベルが煌めき、ラング1機が爆発する。
「な………速い!!」
一瞬でラング12機の間をすり抜けたトライバードは、振り向き様ビームライフルを乱れ撃つ!!
ビームの直撃を受けたラング2機が大破し、宇宙の藻屑となる。
「散開!!」
紅のラングに搭乗する隊長、レグナイト・リステリアは思わず叫んでいた。
ザンスカールのエースパイロットであるレグナイト・リステリア少佐は、ザンスカール帝国建国以前からカガチの右腕としてガチ党のモビルスーツ隊を指揮している。
弱冠23歳でありながらもモビルスーツ撃破数50を超えるスコアを持つレグナイトは、ベテランパイロットですら一目置く存在となっていた。
そのレグナイトですら戦慄を覚えるスピードに、レグナイト隊のパイロットが冷静でいられる訳はない。
その混乱に乗じて、マヘリアのガンイージがホラズムの秘密工場より出撃する。
宇宙に飛び出したガンイージは、そのまま戦闘宙域に飛び込んでいく。