機動戦士ガンダム ダブルバード   作:くろぷり

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アメリアへの旅立ち3

「へぇ…………なかなか、やるじゃないさ。シノーペのパイロット」

 

 ガンイージ・プロトタイプのコクピットで、ジュンコ・ジェンコは感嘆の声を上げた。

 

「ニュータイプが乗ってるんだろ??このぐらい、余裕でやってもらわんとな…………しかし、シノーペ如きに当てられないと思われるのも癪に障る」

 

 同じく、8番目のガンイージに乗るオリファー・イノエは、眼鏡の位置をを指で直しながら、照準を絞る。

 

「オリファー、調子にのって墜とすんじゃないよ!!」

 

「分かってるさ。しかし…………当てずに追い詰める演技をするのも、なかなか大変だな」

 

 2機のガンイージは、ビームを放ちながらシノーペを追っていく。

 

 

 追われている様に見せかけているシノーペのコクピットでは、ニコルが必死に機を操っていた。

 

「おいおい…………まぢで当てるつもりじゃないだろうな…………ビームの照準がシビアになってきてるぞ、おい!!」

 

「仕方ないだろ!!ザンスカールにバレないように潜入するには、これしかない。本気で追ってるように見せないと、敵を欺けない!!」

 

 ケイトの声を聞きながらもニコルは神経を研ぎ澄ませ、シノーペを操る。

 

「ニコル、視認出来た!!あれが、アメリア・コロニーだっ!!」

 

「よし……………もうちょい!!もう少し進んだら、バーニアに被弾させる!!」

 

 アメリア・コロニーを見ながら、ニコルは目視で距離を感じていく。

 

「そろそろだ!!ケイトさんっ、衝撃に備えて!!」

 

 ニコルはモニターに映る情報と自分の感覚を研ぎ澄ませ、ビームにシノーペを近付ける。

 

 

「おいおい、そっちが合わせるのかよ!!普通、ビームを撃っている方が合わせるだろ!!」

 

 オリファーはビームに擦り寄っていくシノーペに、文句の一つも言いたくなった。

 

 普通に飛んでいる機体にビームを当てる方が、何倍も楽なのは誰にでも分かるだろう。

 

 それを…………危険極まりない動きで、ビームに当たろうとしてくる。

 

「ちっ…………ガキみたいなパイロットだね…………オリファー、まともに当てにいくとタイミングがズレる可能性がある。こちらが少しズラすんだ!!」

 

「まったく…………素直に真っ直ぐ飛んでろよ!!」

 

 2機のガンイージは、シノーペに当たらないように、少しズラしてビームを放っていく。

 

 そのビームの射線を掠めるように、シノーペのバーニア部分が入ってくる。

 

「うわあぁぁぁ!!」

 

「うわっ!!結構な衝撃じゃないかっ!!」

 

 ニコルとケイトは、悲鳴を上げた。

 

 シノーペのバーニアは白煙…………いや、灰色の煙を上げながら、蛇行するような航行になる。

 

「自らビームに当たりにいって、上手くバーニアだけにビームを掠めた。ニュータイプ…………案外、本物なのかもね」

 

「ジュンコ、本気か??確かにメチャクチャな動きは、ニュータイプっポイ感じだったけど…………いや、まさかな…………」

 

 オリファーはジュンコの言葉に首を横に振ると、アメリアに向けて蛇行するシノーペを見つめた。

 

「オリファー、こっちは離脱しないと、ザンスカールの部隊に捕獲される!!」

 

「分かった!!さっさと逃げますか!!」

 

 2機のガンイージはアメリアを背にすると、バーニアを全開にする。

 

 

「ガンイージは、上手く逃げたようだ………絶妙の距離感で離脱した………かなり腕のいいパイロットだね」

 

 ガンイージの離脱を確認したケイトはヘルメットを外すと、ポニーテールを横に揺らす。

 

 ふんわりと爽やかな良い香りがコクピットを包み、ニコルは少し顔が赤くなる。

 

「さて、ここからが本番だよ!!ニコル、あんたは私の弟って事になるから、しっかり演技しな!!」

 

 シノーペはゆっくりと、アメリア・コロニーに近付いていた…………

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