「じゃあ入ってきて?」
――――ガラガラ・・・・・
「・・・・・・・・・・・・」
「彼女は、エレノール・フランチェスカ。出身地はイギリスで、親の仕事の都合で日本に来たそうだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・まぁ、日本語は話せるそうだ。ただ慣れない環境に少し戸惑っているかもしれないから、お前たちも仲良くするように」
「何か一言行っておきたいことはないか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・よ、よろしく、お、、ねがい・・・・し、・・ます」
昼休みに、ここぞとばかりに質問攻めかよ・・・。まぁ外人が転校してきたんだもんな、俺がお前らならお近づきになるわな。
「帰国子女ってやつか?・・・・ご苦労なこった」
「この場合、帰国子女とは言わないがな」
「リア王がアプローチしねぇとは・・・・、熱でもあんのか?」
「オレは別に女好きではないが?」
おいおい、今のセリフは嘘でも言うべきじゃねぇだろ・・・・。
「にしても、なかなか綺麗なブロンドだったな」
金髪っつーより、白っぽかったな。あれが本物の金髪・・・・すげーな。
「ふむ、金髪碧眼。絵に書いたような少女だった」
「何?どしたの?」
「人が集まっていますけど・・・・。もしかして転校生ですか?」
「ああ、イギリスから来たそうだ」
「帰国子女だっ」
「いいえ、この場合帰国子女とは言いませんよ?」
何だ、どっかで聞いた会話だな。デジャブってやつか?・・・そうだな、そうに違いねぇ!!
「そういえば、彼女、井久のことをじっと見ていたぞ?」
「は?」
「え!?」
「・・・・何でテメェが驚いてんだよ」
「あ、いえ、井久さんがモテるとは思わなかったもので」
何げに失礼だな・・・。まぁモテるとも思ってねぇけどな。これでも美玖に惚れられてたんだぜ?
「・・・・・・・・・あ、・・・あの・・・・・・・・・・」
「そう言う自分はモテる自信があるみてぇな言い方だな」
「・・・・・・・・・・・え、と・・・・・・」
「ワタクシはそんな自信家ではありませんので」
「・・・・・・・あ、あのっ」
「あ?」
うわっ、近くで見りゃ美少女じゃねぇか!!つか眩しい!!こ、コイツ・・・晴臣と同じパワーを持ってやがる・・・!!
「・・・・・・・・・あ、・・・・え、と・・・・」
「どうしたんだ?何か聞きたいことがあるなら言っていいぞ?」
おっ!流石リア王、営業スマイル全開じゃねぇか。眩しい笑顔のぶつかり合いだぞ?
「エレーナちゃんだっけ?どしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・あ、の・・・・・・か・・・れに・・・・」
「彼とは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・なた・・・・・」
「俺かよっ!!!」
「ふむ、井久か」
「イックン?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コクン・・・・・・・」
「俺に何かようか?」
知り合いに似てるとか?いやいや、俺は生粋の日本人だぜ?外人さんに知り合いはいねぇがな
「・・・・・・・・・つ、・・・・・きあ・・って」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「はいぃ!!!!?」
「えぇぇ!!!?!」
「何っ!!!!?」
「え!!!!?」
夏が終わりに差し掛かる新学期は、波乱の予感を残しながら昼を過ぎようとしていた。
春眠暁を覚えず、ということわざがあるが、俺は一生暁を覚えたくない気持ちでいっぱいだった。
俺は、外人趣味じゃねぇ。――――姉・妹趣味だ。
「そういえば美玖さん。よく彼女の名前知っていましたね?」
「うん、廊下で話してる人達が言ってたから」
「・・・イギリス人・・・ですか」
「どしたの?」
「いえ、外国の方だとここの暮らしは大変だなと思いまして」
「だね、イギリスの食事は薄味だって聞いたしね?」
「いえ、そういう意味ではないですけど・・・」
「時差ボケとか」
「それは慣れるかと・・・」
「あっ!!お札の違い!!?」
「・・・もういいです」