お前らにシスコンってモンを教えてやる!!   作:愛・茶

14 / 49
 今日は文化祭。

 保護者や他校の生徒も集まり賑わいを見せていた。

 
 一人、賑わいを見せない男が―――。



――――――所詮リア充の祭りだ、と






俺と誰かと文化祭

 

――――――らっしゃい!!

 

 

 

――――――これひとつくださ~い

 

 

 

――――――どうぞっ綺麗なお嬢さんのために

 

 

 

 

 

 

 ったく・・・どこを見ても浮かれた奴らばっかだ。まぁ俺は準備委員なんて奴になってっから、見回りついでにサボタージュできるんだがな。

 

 

 

 

 ・・・・にしても、うちのクラスのたこ焼き美味いな。さすが実家が大阪なだけあるなぁ、木村のヤツ。きっと必死にタコさんをひっくり返してるだろうよ。

 

 

 

 

 光景が目に浮かぶぜ・・・・。

 

 

 

 

 

 

「井久、何を一人で呟いているんだ?」

 

 

「・・・気にすんな、俺の趣味だ」

 

 

 

「そうか、暇なら一緒に回らないか?」

 

 

 

 

「おい、一緒に回ろうってよ?」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

「誰に言ってるんだ?」

 

 

「何だ、俺に行ってんのか。てっきりどっかの女子に言ってんのかと思ったぜ」

 

 

 リア王だけになっ

 

 

「そうか、オレはてっきり霊感があるのかと思ってヒヤヒヤしたぞ」

 

 

「ねぇよ。あったとしても白昼堂々披露しねぇよ」

 

 

 

 

 コイツといるとツッコミが来ねぇんだよな・・・。やっぱり日野か・・・。

 

 

 

 

「それはそうと、二の一の演劇が面白いらしいぞ」

 

 

「そうか、行ってこい」

 

 

 

 

「井久も行くんだ!ちなみに今のはダジャレじゃ――」

 

 

「うっせぇよ、分かってんだよっ」

 

 

 

「それじゃあ行こう!!」

 

 

「ったくしょうがねぇな・・・」

 

 

 

 演劇には興味はねぇが、暇つぶしにゃなるだろ。

 

 

 

 

 

「ねぇ見て?あそこにいる人、超カッコよくない?」

 

 

 

「ホント!すごいイケメン!!」

 

 

 

 

 おいおい、何だ?それは俺のことか?やめてくれ、これでも平穏に暮らしたいんだ。

 

 

 

 

「あのっ、一緒に回りませんか?」

 

 

 

「すごく美味しいのがあるんですよっ」

 

 

 

 

 

 

「い、いや、オレは親友と・・・・」

 

 

 

 

 

 まぁそうなるわな・・・・。知ってたんだぜ?ホントだって、俺がモテるなら今頃晴臣との彼女の数ゲームで遊んでらぁ。

 

 

 

 

「気にすんなよ、お前はお前で楽しめよ」

 

 

 

「・・・・しかし」

 

 

 

 

 

「ほら、リア王。女待たせてんじゃねぇよ、テメェの二つ名が傷つくぜ?」

 

 

「・・・・・・・・・・わかった。また後でな」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

 さて、二の一の教室はどこだっけか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか、面白かったな」

 

 

 

 

 

 文化祭とは思えねぇ出来だぜ?あの先輩は将来劇団にでも入るんだろうな。演技も迫真だったしな。

 

 

 

「さて、どこ行くか・・・・」

 

 

 

 体育館いって軽音部の演奏でも見るか・・・。そのほうが時間も潰れるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・あ、・・・あら、・・・みね・・・さ・・ん」

 

 

 

 

 

 

「お、随分慣れたんじゃねぇか?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・そ、・・・・・そう・・・です、か・・?」

 

 

 

「ああ、最初よか流暢だぜ?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・り、・・・・りゅう・・・・ちょう・・?」

 

 

 

「スラスラ言えてるってことだ」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「どうした?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・え、・・・・・・・と・・・・・」

 

 

 

 

 

 はぁ、コイツは恥ずかしがり屋か?それとも塞ぎがちなだけか?まぁ助け舟でも出すか・・・。

 

 

 

 

「俺とどっか行きてぇのか?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・は、・・・・い」

 

 

 

「テメェが好きそうなとこはねぇぞ?」

 

 

 

 

 病院の手術台なら好きそうだけどな・・・。不謹慎か?

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・え、・・・・んそ・・・う」

 

 

 

「演奏?そっか、ベースやってんだったな」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・コクン」

 

 

 

「んじゃまぁ、行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ?この学校の文化祭はレベル高ぇぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・よ、・・・よか・・った」

 

 

「ああ、ハートがシビレるぜぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・あ、・・・つい・・・・ビート」

 

 

「カーッ!やべぇな、熱いな!?」

 

 

 

 

 

 クソッ!!たぎるぜコンチクショーー!!!

 

 

 

 

 

 

「あ、おねぇちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 ピクン!お・ね・ぇ・ちゃ・ん!!?何!!誰だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・エ、・・・エリ・・ーゼ」

 

 

 

「ニャハハ、きちゃったっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 な、なななななな何だ!!?このカワイイ天使は!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まさか・・・妹?」

 

 

 

 

「おにぃちゃんだれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズキューーン

 

 

 

 

 

 

「お、俺が。。。。おにぃちゃん・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・My Friend」

 

 

「おともだちなの?」

 

 

 

「どうも、お宅の姉上と仲良くさせてもらっている。荒峰井久と申します」

 

 

 

 

「ボーイフレンド?」

 

 

「いえ、貴方の兄上です」

 

 

 

「おにぃちゃんなの?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・ブンブン・・」

 

 

「ちがうの?」

 

 

 

「いいえ違いま―――」

 

「何やっているんですか、井久さん?」

 

 

 

 

 

 

 げっ!!やべぇ!

 

 

 

 

 

「なっ、べ、別に何もしてねぇよ・・・・」

 

 

 

 

 

 コイツには知られちゃいけねぇ。・・・・絶対ツッコまなくなる。

 

 

 

 

「おねぇちゃんは?」

 

 

 

「こんにちは、ワタクシは明美といいます。エレーナさんのお知り合いです」

 

 

「よろしくねっ」

 

 

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 なんだコイツ・・・・。声が高くなりやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ショタ好きか」

 

 

「ワタクシはノーマルですっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・エ、・・リー・・・ゼ?」

 

 

「あ、そうだった。ママがよんでるよっ」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・コクン」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・バ、・・・バイ・・バイ」

 

 

「ああ、またな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女にはやけに親切ですね」

 

 

「んだよ・・・。優しくして欲しいのかよ」

 

 

 

 

「べっ、別にそういうわけでは・・・・」

 

 

 

 

 本当かよ・・・。顔赤らめてりゃ世話ないぜ。・・・・しょうがねぇな。やってやろうじゃねぇか。今日の井久様は上機嫌ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ポンポン

 

 

 

 

 

 

 

「ヒャッ――、な、何をするんですかっ!!」

 

 

 

 

「何だ、女って頭撫でられんの好きじゃねぇのか?」

 

 

 

 

「そ、それは・・・・!!」

 

 

 

 

 

 なんだよ・・・。二次元だけか・・・・。夢が一つ、無残にも消え去ったな。

 

 

 

 

「まぁいいや。どっか寝る場所でも探すか」

 

 

「・・・・え?寝ちゃうんですか?」

 

 

 

「ああ、流石に歩いたしな。ここらで充電しねぇと」

 

 

 

 

 

 エリーゼちゃんの『おにぃちゃん』パワーがありゃ一発でフル満タンなんだけどな・・・。

 

 

 

 

 

「あの、一緒に―――」

 

 

「却下」

 

 

 

 

「早っ!まだ何も言ってませんが!?」

 

 

 

 

「るっせぇな・・・。あんだよ・・・」

 

 

 

 

「明らかに態度違いますよね・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「ちょマジでー、チョーダリィんだわぁ」

 

 

 

「今度はギャル男ですか!」

 

 

 

 

 

「ごめんねぇ、これがこれでこんなもんでぇ」

 

 

 

「サラリーマンですかっ!!というかジェスチャー伝わりませんからっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 これだよこれ!!やっぱツッコミいねぇとなぁ。

 

 

 

 

 

「よしっ!ボケのくだりも終わったし、行くか?」

 

 

 

「くだりってなんですかっ!」

 

 

「とりあえず行くぞ」

 

 

 

 

「あっ、ちょ、引っ張らないでください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱレベル高ぇわ・・・」

 

 

 

 

 

 ハンバーガーをあの値段で売るとは・・・。冷凍食品だろうな・・・。そうだよな・・・!?

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「出しモンもスゲェけど、食いもんもすげぇな・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「きっとこの学校にゃ、次期名碗プロデューサーが潜んでんだろうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 さっきから無反応かよ・・・。そんなに触られるのが嫌だったか?もしかすると潔癖症なのか?・・・まぁ何にせよ女に気安く触るべからずってとこか。

 

 

 

 

 

 

 

「何か言いてぇんだろうけどさ、ひとまず置いとけよ」

 

 

 

 

「―――っ!」

 

 

 

 

 

「楽しまねぇ女は嫌われんぜ?」

 

 

 

 

 

「そうですね」

 

 

 

 

 元気になったか。ツッコミは意気消沈してたらボケが野放しになっちまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・この気持ちは、置いておきます・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・あれ?俺は何か重要なもんを開けちまったのか?

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、最後まで付き合ってくださいねっ」

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・ん~・・・、俺の勘違いじゃなけりゃいいが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はぁ・・・疲れた・・・。もう何もやる気にならねぇ。

 

 

 

 

「アイツ・・・どんだけ元気なんだ」

 

 

 

 

 おじさんには付いてけねぇぜ・・・・。散々連れ回しやがって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イックン、そこにいたんだ?」

 

 

 

 

 ・・・・おっと、まだ最後の砦がいやがった。

 

 

 

 

 

「もう・・・やめてくれ・・・。おじさん、たてないよ・・・」

 

 

 

 

「いいよ、じゃあお話しよっ」

 

 

 

 

 くそっ・・・・期待しちゃいねぇけど、スルーされると辛いな。

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

「楽しかった?」

 

 

 

「まぁな」

 

 

 

 晴臣のリア王さ加減を再確認。

 

 

 

 

 エレーナの妹(天使)の登場。

 

 

 

 

 日野とデート(?)。

 

 

 

 

 

 結構あるな・・・。よくやったよ・・俺。

 

 

 

 

「そっか、私も友達といて楽しかった」

 

 

 

「よかったじゃねぇか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・イックン」

 

 

 

 

 

「私ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「イックンのこと諦めようと思う」

 

 

 

 

「いい選択じゃねぇか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、これで・・・」

 

 

 

 

 

 

「疎遠には・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 何泣いてんだ・・・。めんどくせぇな。

 

 

 

「馬鹿言ってんじゃねぇよ」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・え・・・?」

 

 

 

 

「俺らは幼なじみだろうが」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「いらねぇ心配はすんな」

 

 

 

「・・・・・・・・・・うん」

 

 

 

 

 

 

「俺がそんなことでテメェとの縁を切るわけねぇだろ」

 

 

 

「・・・・・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつでもお前に素っ気なくしてやるよ」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつでも泊まりに来いよ」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

「相談にも乗ってやる」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

「だから・・・笑え」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれほど賑わっていた文化祭も、終わりに近づくたびに寂しさを匂わせる。名残惜しさを醸し出す。

 

 

 

 

 けれど、リア充の祭りで一人の少女は一歩前へと進んでいった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。