お前らにシスコンってモンを教えてやる!!   作:愛・茶

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「ん?井久出かけんの?」

「んだよ・・・・まだ有給取ってんのかよ」

「お姉ちゃんがいないと寂しいくせにぃ~」

「黙れババ―――――――――」
「―――――あんだってぇ??」

「じょ、冗談ですよお姉さま?」

「で?ミクちゃんとお出かけ?」

「―――――っ!!い、いや、アイツとは何もねぇよ」

「ふ~ん、顔赤いけど?」

「うっ、・・・・るっせぇな!!いいだろうがっ、姉ちゃんには関係ねぇよ!!」

「そ、帰ってくんな。馬鹿な弟」

「そっちこそ、さっさと仕事に戻れ。馬鹿姉」







「・・・・・・・・・・・・・・いってくる」



「・・・・・・・・・・・・・・いってらっしゃい」


お前らにシスコンってもんは教えられねぇな・・・

 今日は待ちに待った週末だ。

 というのも、俺のとっては一大イベントだからだ。シスコンじゃなくなった俺の、崩れまくった価値観で美少女に見える日野明美と、買い物をする約束をこじつけた。

 

 

「・・・・おいおい、いっちょ前に緊張してんじゃねぇよ」

 

 

 どこ行くかな、買い物っつっても何買うかなんて考えてねぇからな。適当にショッピング?・・・・そ、・・・それって・・・・。

 

 

「デートじゃん・・・・・」

 

 

 迂闊に俺はデートに誘ってたってことか!?

 

 

「お待たせいたしました」

 

「お、おう・・・・」

 

 

「すみません、遅れてしまって」

 

「い、いや別に待ってねぇぞ?」

 

 

 おいおい、キメてきてんじゃねぇか!!そらそうだわなぁ!?少なからず好意持ってる奴に誘われたんだ。オシャレすんのは若者に限らず恋に焦がれる男女には必須だろうぜ。

 

 

 ・・・・・普通の格好で来た俺って。

 

 

「それで、何を買うんですか?」

 

「え?あ、あぁ・・・・まぁとにかく行こうぜ?」

 

 

 なぁ、これはどう見てもデートだよなぁ?日野もその気だってことだよな?服装が可愛いんだもの。

 ってことは、ここで俺が男らしいとこ見せりゃ好感度アップってか?

 

 

「ワタクシ、その・・・男の人と二人きりで出歩くのは初めてで・・・」

 

「テメェには兄貴が居んだろ?」

 

 

「そうですけど、兄と二人で、っていうのはおかしいじゃないですか。

 いえ、井久さんを否定してるわけでは―――――」

 

「だよなぁ、兄妹で遊ぶなんざァ愚の骨頂だな!!」

 

 

「―――――え!?井久さんそういうの好きなんじゃ?」

 

「わりぃな、日野。俺は姉が心底嫌いなんだ」

 

「どうしたんですか!!?熱でもあるんじゃないですか!!?」

 

 

 ・・・・・俺そこまで姉好きだったのか、我ながらどうかしてたぜ・・・。

 

 

「違ェんだよ、俺は勘違いしてたんだ。本当はな―――――」

 

 

 まぁ日野なら信じてくれんだろ。このことに美玖が絡んでるってことを。

 

 

 

「―――――ってなわけだ」

 

「・・・・それ、本当なんですか・・・・?」

 

 

「まぁな、今まで俺はそんな姉貴を好きだったんだもんなぁ。

 ・・・・考えられねぇ」

 

 

「美玖さんに告白してフラれたあと・・・・どうして一緒にいるんですか?」

 

 

 気になるとこはそこかよ・・・。まぁわからなくもねぇけど・・・。

 

 

「さぁな、俺に未練があんのか。アイツが、告ったことに気づいてねぇかのどっちかだ」

 

「そうですか・・・・・・・・・・だったら・・・・」

 

 

「日野」

 

「はっ、はい!何ですか?」

 

 

「俺はもうシスコンじゃねぇ、改めて考えても姉貴は嫌いだ。

 ・・・・・反吐が出るぜ」

 

 

 んなこと言う必要もねぇんだけど、知らせておいて損はねぇもんな。

 

 

「だからって訳でもねぇけど、お前のこと名前で呼んでも構わねぇか?」

 

 

「―――――っ!!」

 

「・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・っ・・・・」

 

「―――――明美」

 

 

「・・・・・・は、・・・はい」

 

「行こうぜ、明美」

 

 

「・・・・・はい・・・」

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 暑さが過ぎ、寒さが顔を出す頃。

 

 とある男女の距離が縮む。

 

 

 それは好奇か、はたまた何かの予兆なのか。

 

 

 

 

 

 言っとくけど、俺はもうシスコンじゃねぇぞ!?

 

 だからこの話のタイトル変えねぇとな。

 

 

 

 

 

「どうしたんですか?ブツブツと」

 

「気にすんな、俺のフェチだ」

 

 

「どんなフェチなんですか・・・・・まったくっ」




「井久さんの好きなタイプってどんな女性ですか?」

「合コンかよ!つか、んなこと聞いてどうすんだよ」

「気になるじゃないですか、もうシスコンじゃないんでしょ?」

「そりゃまぁ、ちょっと前は姉だったけどよ・・・」

「分かりました。井久さんが答えたらワタクシも答えます」

「別にテメェの情報はいらねぇんだけど」

「いいじゃないですか、ワタクシも・・・・・覚悟を決めてるんですから」

「わーったよ、言えばいいんだろ・・・ったく」

「・・・・・・・・ゴクッ・・・」

「そうだな、明るいやつ・・・・・とか?」

「どうして疑問形なんですか?」

「い、いやぁまぁ・・・・元気があるやつだ元気が」

「美玖さん・・・・みたいな女性ってことですか?」

「―――――――――っ!!」

「どうしたんですか?」

「・・・・・・・・・」

「井久さん?」

「・・・え?・・・あ・・・あぁ・・・何でもねぇよ」

「・・・・・・・」

「そ、そういや明美はどうなんだよ。俺は答えたんだぜ?
 テメェも答えろよ」

「ワタクシですか?」

「あ、あぁ・・・・」

「ワタクシは・・・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・その・・・・」

「ん?言えねぇってのは無しだぜ?」

「い・・・・・い・・・・・」

「??」

「い・・・一緒にいて楽しい人・・・・ですか・・・ね」

「やっぱやめだ!やめ!!話題変えんぞ!!」

「そ、そうですね。井久さんは好きなものってありますか?」

「・・・・・変わってねぇよ」

「す、すみません・・・・」



「・・・・・・・・ったく、なんだってんだ・・・・」
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