学校。
俺にとって楽でもなけりゃ、苦でもないところ。リア充どもが会話に花を咲かせて楽しんでるってとこは苦かもしれねぇが、基本的にゃどうでもいい。
何せ俺は教室では小説に花を咲かせてるからな。
「井久、おはよう」
「・・・・・・・」
「井久おはよう」
「・・・・・・・・」
「井久、聞いているのか?」
「悪ぃ、リア王が話しかけてくるなってのは想定外だったぜ」
「まぁ、無視されなくてよかったが・・・・」
「で、何だクラス一のリア王?」
そろそろ冬に差し掛かるってぇのに、テメェの顔は相も変わらず眩しいな・・・。
「クラス一かどうかは分からないがな。
気は早いかもしれないが、冬休み井久はどうする?」
リア王なのは認めんのかよ・・・。
「気が早いってことはねぇんじゃねぇか?
どうせ学校来んのも一ヶ月切ってんだし」
「そこでだっ!!」
「・・・・・んだよ」
・・・・・・うるせぇ奴だなぁ。その笑顔の眩しさを太陽光発電にでも利用して省エネにでも貢献してろよ・・・・・。
「冬といえば、何があると思う」
「冬」
「そういうことでは無いんだが・・・・・」
「じゃあ、んだよ・・・」
「旅行にでも行こうと思っているんだが、どうだ?」
「リア充ってのはイベントごとが好きなのか・・・・?
別に俺を誘う必要はねぇぞ。
エレーナとでも行ってこいよ」
「何故そこでエレーナちゃんが出てくるんだ?
もちろん誘うつもりではいるが」
「・・・・なぁ」
「ん、どうしたんだ?井久」
「テメェはいつも俺達を誘ったりしてっけどよ?
なんで誘ってんだ?テメェなら他に居るだろ?」
「どういう意味だ?」
何マジ顔で驚いてんだ・・・・。
「リア王のくせして俺に構う理由はなんだって言ってんだ」
「それは勿論、井久はオレの友達だからな」
だからお節介焼くってか?
「本当にそれだけかよ」
「ああ、オレは井久といると楽しいんだ」
「俺はテメェといるとウンザリしてくるぜ」
「ハハハッ、面白い冗談だなっ」
ったく・・・・冗談に聞こえんのかよ。
「真面目な話、テメェは何も企んでねぇのか?」
「どうした、急に真面目な顔して?」
「真面目な話っつたろ」
「・・・・・・何も企んではいないが?」
「だったら何で旅行なんだよ・・・・
どうせメンバーはアイツ等だろ?」
エレーナ、明美、そして―――美玖。
「大人数の方が楽しいだろう?」
「本気でそう思ってんのか?」
「何故だ?誰か喧嘩でもしているのか?」
・・・・・ダメだ、埒があかねぇ。
「分かった、俺の負けだ。旅行の件、・・・・・好きにしろよ」
「分かった、決まり次第連絡をする」
一物の不安を抱えたまま、男は今、戦場へ赴く決断をする。
その決断が幸と出るか不幸と出るか。
・・・・もしかすると、シスコンだったほうが良かったかもなぁ。
「エレーナちゃん」
「・・・・・・・・・は、・・・・い」
「冬休みは何か予定はあったりするのか?」
「・・・・・・・・・い、え・・・・・・とく・・・には・・・」
「そうか、では旅行へ行こうと思うのだが、どうだ?」
「・・・・い、き・・・ます」
「うむ、良い返事だ。では、決まり次第連絡を入れる。
これは、オレの連絡先だ。後で折り返しておいてくれ」
「・・・・・れ、・・・れん・・・らく・・さき・・・・・っ」
「では、また後日」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「日野さん」
「あ・・・晴臣さん」
「冬休み、何か予定は?」
「いえ、特にありませんが・・・・」
「旅行に行こうと思っているんだが、一緒にどうだ?」
「それってもしかして・・・・井久・・・さんも?」
「うむ」
「分かりました、予定空けておきます」
「では、後日」
「はいっ」
「美玖ちゃん」
「ん?どしたの?」
「冬休みに予定はあったりするのか?」
「ん~、特にないかな?」
「そうか、では旅行にでも行かないか?」
「お、いいね!どこに行くの?」
「まだ決めてはいないが、候補があるなら承ろう」
「私、ゆっくりしたいから温泉がいいっ!!」
「検討しておこう。で、メンバーだが―――――」
「大丈夫、海に行ったメンバーでしょ!?」
「うむ、そうだ」
「じゃあ、楽しみにしてるからっ」
「では、後日」
「うんっ」
「・・・・・・・・い・・・イックンも・・・居るのか・・・・」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何でもないっ・・・・・・・・何でも」