お前らにシスコンってモンを教えてやる!!   作:愛・茶

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サイレン

 いつもと変わらない日々。

 というか、学校に行って授業を聞いて勉強して・・・・・ってな具合に毎日同じことの繰り返しなんだけどな・・・・。

 

 

「おはよう、井久っ」

 

「今日も耐えることのない笑顔だこと・・・・」

 

「井久に褒められるとむず痒いな」

 

 

 皮肉も通じねぇのかよ・・・。

 

 

「ひとまず、ありがとな。昨日」

 

「何だ、勉強のことなら気にするな。オレも教えるのは面白いからな。

 相手が井久なだけに」

 

「気持ちわりぃんだよ、発言がよぉ」

 

 

 まぁ実際、教師になれんじゃねぇかってぐらいに上手かったしな。教えるには三倍理解してねぇといけねぇっていうのに、コイツときたら楽しそうにしてたからな。まさか・・・・晴臣は・・・・・三倍理解してるってのか・・・・・?

 

 

「悪い悪い。だが、井久がちゃんと理解できてくるとオレも教え甲斐があるんだ。楽しくないわけがない」

 

「だったら、クラス全員に無料ボランティアでもしてろよ」

 

 

 もしくはエレーナにでも奉仕してやれよ。・・・・いや、奉仕される側か。だとすると生きて帰ってこれりゃいいけどな・・・。骨はしっかり取っといてやっからな・・・・・責任もって。

 

 

「ふむ、そういえば最近は独り言を呟かなくなったな?」

 

「人を勝手に変人扱いしてんじゃねぇ。流石に指摘されりゃ直すっての」

 

 

 俺も人間だからな、成長するっての。心の中で思えばテメェになんか聞こえねぇからな。思い切って悪口が言えるってもんだ。ケッ、どうだ!聞こえねぇだろリア王!!

 

 

「確かに、人の悪口を誰かに言うよりは良いのかもしれないが、オレに何か不満があるなら直接言って欲しい。直せる部分には全力を尽くすぞ?」

 

 

 何!!?俺の心の声が聞こえてるだとっ・・・・!!

 

 

「口に出ているぞ?」

 

「しまった―――――」

 

 

 一生の不覚。

 

 

「おはようイックン、晴臣くんっ」

 

「うむ、おはよう」

 

「・・・・・・・」

 

 

 俺としたことが、春臣如きリア王に油断してしまうとは・・・・!!

 

 

「無視はやめてほしいかなぁ・・・・・」

 

「俺は今、自分の失態について反省してんだ・・・・・」

 

「イックンどうしたの?」

 

「よくわからんが、いつもの独り言だろう」

 

「そっか。そういえばさ、私にも勉強教えて?昨日完全に寝てたから、テストヤバそうなの」

 

「それは構わんが、オレでいいのか?」

 

「え?あっ、でも、明美ちゃん今日いなかったしメールにも返事がないからさ―――――」

 

「そうではなく」

 

「え?」

 

「いいじゃねぇか、どうせ明美は今日休みなんだろ?教えてやれよ」

 

「井久はいいのか?」

 

 

 ・・・・んだよ、その顔は?なんでいちいち俺の許可がいんだよ。美玖は俺の私物じゃねぇんだからよ。・・・・・・テメェの言いたいことは分かっけどな。

 

 

「・・・・だから、テメェは中途半端なんだよ・・・・・メンドくせぇ」

 

「井久・・・・?」

 

「美玖が教えてくれっつってんだ、好きにしろよ」

 

「じ、じゃあ井久もどうだ?二人同時にすれば効率もいい」

 

「・・・・・・・・・・・ったく、わぁったよ」

 

 

 こいつは何が何でも俺を・・・・・・・・・いや、別にいいか。

 

 

「また晴臣くんの家でするの?」

 

「別に昼休みとかでいいだろ。わざわざ放課後にする必要はねぇし」

 

「それもそうだな、図書室ならば静かに勉強ができるからな」

 

 

 どうせ晴臣のやつ、俺と美玖を二人きりにする気なんだろうな。考えが安直すぎて読みやすいったらねぇぜ。

 

 

「それじゃあ決まりッ!今日は勉強尽しだか―――――」

 

「よしっ、おまえら席に付け!ホームルームだ」

 

 

 どうしたってんだ?なんか真剣な顔してるし。まぁ、どうせいつもみてぇに合コンに失敗して機嫌が悪ぃだけだろうな。

 

 

「重大な話だ。もう聞いた奴もいるかもしれんが、とりあえず聞いてくれ」

 

 

 まさか、先生の手違えで今日テストするとか言わねぇよな。それだけは勘弁だな。

 

「隣のクラスの日野明美が昨日―――――」

 

 

 

 

 

「―――――交通事故で病院へ運ばれた」

 

 

 ・・・・え?

 

 

「意識不明の重体なんだが、怪我は目立ったものはないらしい」

 

 

 ・・・・な・・?

 

 

「このクラスに知り合いだという奴がいるならお見舞いに行ってやってくれないか?病院の場所は追って連絡する」

 

 

 

 

 

 

 

 突然の知らせ。

 それは友人の事故。

 荒峰井久は、只々閉じることのない口をあんぐりと開け、事実を受け入れられず呆然としていた。しかし、体は正直なもので、自然、足は病院へと運んでいた。

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