「なぁ、美玖。手伝って欲しいことがあんだけどさ?」
「え・・・?私??(ウソッ、どうしよう荒峰君が私に話しかけてくれてるっ!どうすればいい!?どうすればいいのォォォ!!?)」
「俺の話を聞きゃいいんじゃねぇか?」
つか、小声にすらなってねぇぞ?
「で、どうしたの?」
「なぁ、明美と晴臣って、お似合いだと思わねぇ?」
「そういえば、夜弥姉はまだ有給取ってるの?」
「あぁ、でももうすぐ戻るらしいぜ――――って話逸らすんじゃねぇよ」
「ゴメンゴメン、で?何だっけ?」
「だから、明美と晴臣ってお似合いだと――――」
「だったら近々遊びに行かないと。手ぶらじゃなんだし、ネックレスでも買っていこうかな?」
「テメェは彼氏かっ!ってそうじゃねぇ!!」
「どうしたの、イックン?」
くそ・・・こいつわざとか?最近めんどくせえとは思ってたけどよ、まだ続いてるとは思わなかった。
「だーかーら!明美と晴臣って――――」
「ネックレスより指輪の方がいいかな?」
「テメェは姉貴とどんな関係を望んでんだ・・・」
・・・ったく、これじゃ埒が明かねぇ。
「俺、夜弥姉と付き合おうと思うんだけとさ?」
「させないっ!」
そこは逸らさねぇのかよ。
「・・・ったく、俺の話聞く気あんのかよ?」
「だって、イックンがおかしなこと言うから」
まぁ、どう見たって明美と晴臣が仲良さげに見えねぇよな。
二人で会話するとこなんざ見た事ねぇし。
「まぁ、さっきのは冗談だ。本当はあの二人の仲を近づけようと思うんだよ」
「それならいいね、あの二人が楽しそうに会話してるとこ見たことないし」
それなら・・・ってなぁ・・・。
「だからよ?手伝ってくれ」
「手伝う?どうやって?」
その辺を詳しく考えてなかったな。具体的にゃどうすりゃ仲良くなんだろうな。
美玖は小さい頃から一緒にいたし、晴臣は中学の頃にあいつから話しかけてきたし、明美は美玖の紹介だしな、エレーナは共通のもんがあったからなぁ。
・・・そうか、共通のもんだ。
「ダメだよ、教室で携帯なんて扱ってたら没収されちゃうよ?」
「うるせえ、バレねぇようにすっからいいんだよ!」
「もしかして何か思いついたの?」
「ああ、共通の趣味を見つけりゃいいんだよ」
こういう時こそ通信機器ってのは便利だな。離れた奴のところに連絡を伝えられるんだからな。
さて、メール本文だが・・・
》突然で悪ぃんだが、明美の趣味ってなんだ?
・・・とまぁ、こんなもんだろ、後は返信を待つだけだな。
「井久、おはよう。あまり大っぴらに携帯を扱うと没収されてしまうぞ?」
「おっ、ちょうどいい、晴臣!」
「うむ、どうしたんだ?」
この爽やかリア王にも一応聞いとかねぇとな、どうせ女遊びとか言うんだろうけどな。
「お前の趣味を教えてくれ」
「趣味か・・・、ふむ、映画・・・だろうか、どうしたんだ?藪から棒に」
「いいや、聞いてみたかっただけだ、他意はねえよ」
そうか、リア王は薄暗やみの中で女を食う、っと。
「いま、見過ごせない発言があったような気がしたが?」
「気にすんな、俺のアイデンティティだ。
他にはねえのか?」
「そうだな、井久から教わったゲームは毎日しているな」
「だろ!?面白えだろ!!テメェならわかると思ったんだよなぁ!あの面白さがよぉ!なんたってあの会社がつく――――――」
おっと、あぶねぇ、危うくあいつのペースに巻き込まれちまうとこだったぜ。
「ん?どうした、井久?」
「いや、なんでもねえ。とりあえずゲームも入れていいんだな?」
「うむ、そうだな。近日、続編と外伝が発売されるそうだからな、買わな――――」
「何!!同時発売か!?別個か!!?初回盤に同時封入されてんのか!?ファンディスクか!?ソースはなんだ!?釣りか!?!公式か!!??掲示板か!!??」
「イックン、目的忘れてない?」
教室の一角ではしゃぐ三人。
だが、晴臣の言葉がただのガセネタだったことに気づくのにはそれほど時間は掛からなかった。
「あの野郎・・・SNSに実名写真付きで有る事無い事言いふらしてやろうか?」
・・・・piriiiiii
ん?メール??
そうか、明美からの返信か。どれどれ?
》突然ですが、明日には退院できそうです。
それを俺に報告してどうすんだ?そういや、趣味の件は・・・おっ、あったあった
。
》ところで、趣味の件ですが、あまり深く考えたこともないのですが、
スポーツ観戦ですかね^_^
「こりゃ・・・前途多難だな・・・・」