九月。それは始業式の始まりを意味する憂鬱な季節だ。面倒くせェ・・・・。
ったく、どこ向いても夏休み中に何やったかの自慢で溢れてやがる。テメェらはそれ以外の会話を知らねぇのかよ。どうせそん中には、リア充話持ってる奴がいるんだろうよ。即座にこの教室から退室するか、爆発しやがってください。
「井久、おはよう」
「・・・・よう・・・リア王、炎天下だってのに笑顔が絶えねぇな」
イケメンフラッシュの大安売りだぜこりゃ・・・。
「それはいいのだが・・・」
「そういや、テメェは祭りの日以降どっか遊びに行ったか?」
「・・・いや―――」
「ケッ、リア王のくせしてぼっち気取りか?チート使って出直してこい」
「井久・・・」
「美玖でも誘ってどっか行きゃよかったじゃねぇか」
「そのことだが・・・」
ったく、登校早々シリアスかよ・・・。リア充の分際でぼっちに弱音見せてんじゃねぇぞ・・・。
「美玖ちゃん・・・泣いていたぞ」
所謂フラグってやつか?晴臣ルート突入すんのか?おいおいやめてくれ・・・。俺はノンケだぜ?そういう趣味はねぇんだ。
「――――うるせぇな」
「何だ?俺はあいつに謝りゃいいのか?そうすりゃお前も気が晴れるってか?」
晴臣だけに?・・・・・・って誰もツッコまねぇよな・・・。
「そういうわけじゃ・・・」
「じゃあ何だ?俺が告白すりゃ――――」
「おはよーイックン!晴臣くん!」
「お二人共おはようございます」
「よう、朝から元気じゃねぇか」
「・・・・・」
「モチのロンだよ!だって学校が始まったんだもん!」
「ケッ、学校か・・・・」
「晴臣くん、この間はありがとね」
「・・・あ、この間とは?」
「祭りの日」
「・・・・・・」
「色々奢ってくれたでしょ?」
「あ・・・・ああ、気にするな。オレがしたかっただけだ」
「・・・随分と元気ですね、美玖さん・・」
「・・・あいつはそういう奴だ」
どうせ、昨日の夜はさぞ眠れなかったことだろうな。目にクマが見えんぜ。薄らとな・・・。化粧か何かで隠してんだろうが・・・、お兄ちゃん(嘘)にはお見通しだぜ。
「そういや、お前は何か休み中にやったか?」
「いえ、特には・・・」
「寂しいやつだな・・・」
「可哀想な目で見ないでくださいっ!!というよりあなたには言われたくありませんっ!」
「いいツッコミだ・・・。お前にはもう何も教えることはない」
「あなたは誰なんですか・・・」
「フッ・・・、俺の正体を知りたいのか・・・?やめておけそれで死んでいっ――――」
「脳内妄想乙です」
「・・・・何ッ・・・!!!!・・・・ネット用語も行ける口だとッ・・・!!」
「いちいち変な小芝居入れないでください」
なかなかやるじゃねぇか。期間が空いたとは言え腕は衰えてねぇな。
「井久さんは美玖さんのことは、嫌いなんですか?」
「何だ?日野は俺のことが好きなのか?」
「へ!!?な、なな何言ってるんですかっ!!!」
・・・・・・なんだ、今の反応・・・。いやいや違う違う。今のはウブな反応ってやつだっ。恥ずかしさのあまりってやつに違いない。
「照れなくてもいいだぜ?井久のここ、空いてますよ?」
「どこのテクノカットの芸人ですかっ!!ていうか違いますっ!!」
「まぁ真面目な話。俺はあいつが嫌いなんじゃねぇんだ。いっぺん振られてっから、好きになれねぇだけだ」
「あなたのその基準が何なのか分かりませんけど・・・。じゃあ人を好きになれないわけではないんですね?」
・・・・・・なんだこの質問・・・。・・・まさか・・!!俺と美玖をくっつけるつもりじゃねぇのかコイツ・・・!!?
「・・・・ま、まぁ・・・そうなるわな」
「・・・・そうですか」
夏が終わりに差し掛かる頃、俺たちの学園生活は始まった。見慣れた面々にそれぞれの思いはあれど、それは各々の胸にしまっておこう。
・・・どうせ役に立たねぇんだしな。
まぁ思うことは一つしかねぇわな
俺は、シスコンだーーーー!!!・・・・おっと、はしゃぎすぎたか。
「あ、あの・・・・・・」
「ん?君は・・・確か・・・」
「え、えと・・・・・」
「あ、そうだったな。すまん、じゃあついてきて」
「あ、は、はい・・・・・・・」
「まぁなんだ、分からないことがあったらいつでもだれかに聞くといい」
「・・・・・・・・あ、・・・・は、はい」
「クラスのみんなも温かく迎えてくれるし、きっと仲良くなれる」
「・・・・・・・・・・あ、・・・・・え、と・・・・はい」
「慣れない環境かもしれないが、自信を持っていい」
「・・・・・・・・・・・・は、ぃ」
「うん、先生も気を張らずに頑張るから、君もそんなに緊張せずにね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さて、ここだ。先に先生が入って説明をしておくから、呼んだら入ってきて?」
「・・・・・・・・・・は、はぃ」
「・・・・先が思いやられるな」