涼宮ハルヒの願ったもうひとつの存在   作:ゆーこー

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孤島症候群Ⅰ

俺は今時分の見ている光景に少し血の気が引いた、キョンと古泉、そして執事の新川さんがドアを体当たりで突破して中に入ると同時に見えたのは、この館の主、多丸圭一さんである。

俺の後ろに立っていた朝比奈さんと、俺の弟武蔵の顔は青ざめ、やがて意識を失った。

珍しくハルヒが緊張した声で死んでるの?と聞く。

多丸さんの左胸には、晩飯に出た果物ナイフが刺さっている。

何故こんなことになっているか?それはある七月中旬の話から始めよう。

 

期末テストの結果は下の上だが、ハルヒに振り回されていることを理由にしようとする情けない自分を頭のなかでぶん殴っていた。

俺はキョンより一足遅れて部室に到着した。

古泉がテストの結果を聞いてくるので素直に答えなさたさ、古泉め、素で笑ったろ今!

「いえいえ、いつも通りのことですよ」

俺はキョンほど古泉のことを悪く言う気はないが、それでも鼻につくところはある。

が、閉鎖空間の一見を考えると、のんきに暮らしてる俺は何を言う気にもならなくなる。頭の方も明らかに古泉が上だしな。

学校は既に午前授業になっている。俺らはハルヒが来る前に弁当を食べることにした。

「おや?愛する人からのお弁当ですか?」

と、古泉がからかってきた。

「何回からかう気だよ!弟だっつーの」

と、美味い飯を頬張りながら古泉に言う。たく、顔も見たことない人の弟を使ってからかうなよ!あいつがブラコンっぽいのは認めるがな。

「涼宮さんは?遅いですね」

と、朝比奈さんが言う。確かに気になることだが、キョンはいない方がいいと思っていることだろう。

「先ほど学食で見かけましたよ。感嘆すべき健啖でした。食べた分がすべて栄養に回るのだとしたら何エルグになるのか想像もつきません」

そんなに食えるのなら大食い大会に出ればいいさ、テレビに出ればお望み通りSOS団の名前は日本中に轟くことになるさ。俺がスポーツ大会に出ればいいって?俺は趣味でしかやる気はないね、気が向いたら別だが。

古泉はハルヒが重大発表を抱えていると言う。怪しいな古泉。

噂をすればなんとやら、一分もたたずにハルヒが現れ、会議を開いた。会議と言っても、ハルヒの独断演説なのだがな。

ハルヒは学食の心得のようなものを語り、そんなことはどうでもいいと言い、本題に入った。朝比奈さんとの連想ゲーム茶番を飛ばして、結論だけ。

夏休みに海で合宿だ。それも孤島だ。古泉はこの企画を出した張本人らしい。二階級特進で副団長らしいけど、ひとつ上の階級には何があるんだ?順調に進むと副団長が量産されるのではないか?

三泊四日!無人島に建てた別荘!うん。俺は賛成だね、古泉的には日常的なことでハルヒの息抜きにもなるから好都合なんだとさ。

 

で、夏休みになり合宿に行こうとすると弟もついてきた。しかも古泉の連絡先聞き出して勝手に参加してたらしい。どうりで少し前に、弟さんの声は実に可愛らしいですね。なんて言ってたのか。

と言うわけで港に来たのだ。いいねぇ港、ロマンだよロマン。海は男のロマンの塊だよ。

自分の世界に浸りながら、SOS団+弟+キョンの妹で大型のフェリーに乗った。キョンの方も大変だな。妹のせいで遅刻して今日の昼は奢りなんだとよ。

俺は旅行用の荷物と趣味の荷物を、この体だからできると言っても過言ではない量持ってきた。

趣味で作ったものは後でのお楽しみだ。

 

フェリーの二等室で俺らはババ抜きをした。

最初にキョンの妹が上がり、次にハルヒ、そのときに負けたやつはジュース奢りと言うので本気を出した。

いつもゲームに弱い古泉も順調に抜けて俺とキョンの一騎討ちになり、ポーカーフェイスを貫いた俺が勝利を納めた。(ビリ決定戦だけどな)

その後キョンは寝てしまった。俺は本を読んでいる長門の元にいた。

「さっきハルヒが、巨大な未確認生物が出てきそうな発言したけど大丈夫そうか?」

「問題ない」

「ならよかった」

実はハルヒは、フェリーに怪物てきなやつが襲ってきたらなー何て言っていたので、不安になって聞いたのだ。

「キョンも寝てますし、どうです大和さん?」

古泉がいつものスマイルで将棋を見せる。俺はあんまり得意じゃないんだけどな。

1手、また1手と打つ間に古泉が話しかけてきた。

「大和さんは他の人より荷物が多いですね、何を持ってきたんですか?」

「半分は俺と弟の荷物、あの厳重に守ってる横長の箱には海で動かしたい趣味の物が入ってる」

「趣味のものですか?涼宮さんが許してくれたのですか?」

「ハルヒも遊べるだろうから大丈夫だ」

許可はそのとき出してくれるさ。

「あなたも中々強気ですね、もしそんなことでも気を損ねたら一大事です」

「ハルヒは常識的な心を持ってるんだろ?理解してくれるさ。あと王手な」

「おや、これは参りましたね」

下手の横好きと言うかなんと言うか、頭はいいのに弱いんだよな古泉は。

そんなこんなしてるあいだにフェリーが目的地についたようで、ハルヒは朝比奈さんにカメラを持たせてキョンの寝顔を取らせた。合宿なのに緊張感の無い間抜けずらを後世に受け継がせるとかなんとか言ってる。古泉がフォローして英気を養ってるんでしょうと言うところまでは良かったが、夜に素晴らしいものを見せてくれるのでしょうなんてハードルを出した。

 

フェリーを降りると、マジ物の執事とメイドさんが待ち構えていた。

執事の新川さんとメイドの森園生さん。

新川さんはベタすぎるくらいの執事で、白髪白眉白髪の三拍子揃った老紳士、森さんもベタなメイド姿で家政婦さんなんだとか、その二人に案内されて俺達が乗り込んだのは超高そうな自家用クルーザーだった。

クルーザーに乗ること三十分、目的地の別荘に到着した。

 

 

 

 

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