涼宮ハルヒの願ったもうひとつの存在   作:ゆーこー

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孤島症候群Ⅱ

クルーザーを降りる。

そこに出迎えてくれたのは、ここの主人の弟さんのたまる ゆたか(多丸 裕)さんである。

やや太眉と、古泉同様の笑顔の黄緑色の服を着た爽やかな人だ。

そのまま館に案内され、舘の主人多丸圭一さんとも挨拶を交わした。

その時のハルヒと言ったら驚くほど丁寧な挨拶で、思わず笑いそうになった。圭一さんが古泉から聞いた話とけっこう違うねみたいな感じで聞くと、ハルヒはいつものテンションで館の主人に対して物騒なことをポンポン聞いていた。まあその方がハルヒらしいし、圭一さんもその手の趣味があるらしいので構わないか。

 

メイドの森さんは食料運びでいなかったため、圭一さんが直接中を案内してくれると言う。中に入り、その広さにまず驚き、ひとり一部屋貸すと言う言葉にさらに驚く。これが金を持て余してる人のやることか…部屋が多すぎて使ってないところがあるなんてな。

 

荷物を部屋に置き、俺達はツインベッドの部屋を独占するハルヒの部屋に集合した。

「さあ、皆水着に着替えて!泳ぎに行くわよ!」

ハルヒがそう言うが、もう日はかなり傾いていると思うのだが?心で思うだけで口には出さない。

さて、俺の持ち込んだ私物を使いますかね。

 

いつものハイテンションのハルヒは、洒落にならない沖に流される競争みたいなのを話したりしたが、まあ競争しなくても流されそうな朝比奈さんもいることだし、俺はライフセーバーの代わりにでもなるかな。

「そうしてくれると助かります」

と、いきなり横に立ち話しかける古泉。

「ところで、その大荷物は一体なんなのですか?」

「気になるか?気になるか?」

「ええ、是非見せてください」

気を良くした俺は、フルスクラッチ1/100戦艦大和1945をお披露目した。

「これは凄いですね、部室で作っていたのはこれですか?」

そう、俺は最初こそガンプラをさくっと作っていたが、途中からこの偉大なる計画のために部室で出来ることを少しずつやっていたのだ。いや~コツコツやるのは大事だね。勉強もそうしろとか言うなよ?

「そしてラジコンになっているんだぜ?」

「ほほう、ではあちらの波の少ないところで動かしてきてはいかがですか?」

「そうさせてもらう」

 

俺は皆と少し離れたところでこの大和を操縦することにした。ちなみに弟はハルヒ達女子組に違和感無く溶け込んでいる。そういえば長門は本を読んでいるな。

「長門、一緒にこれで遊ばないか?」

長門のほうに一度回れ右した俺は、長門をこの大和の操縦に誘った。

「………」

本をたたんだ所からOKだと判断した。あと首が1度頷いた。

 

この大和の凄いところは、艦載機である零式観測機もラジコンなことだ。

「ほら長門、どっちやりたい?」

大和か零式観測機か、長門はどちらを選ぶのか?

零式観測機のコントローラーの方に首を2度傾けた。

「そうか、操作は簡単だからな?左の上下スティックが前進、右の横スティックが左右に曲がる仕組みだ。真ん中の画面に操縦席のカメラの映像が撮されるから、見てみるといいぞ」

と、自分の努力を称えつつ長門に熱弁した。

「よし、戦艦大和!いざ参る!」

波が立つなか、構わず前進する大和の姿に震えながら

「よし、長門中尉!発艦してくれ!」と、ついノリノリで言ってしまった。

長門は無言で発艦。さすが長門と言うしかない、圧倒的適応力で零式観測機を操る。

「あっ、いたいた!大和ぉ!有希ぃ!何してるのぉ!」

ハルヒ達がこちらに来た。

「あっ、大和!あの荷物はそれだったのね!これは合宿なのよ!遊びに来たんじゃないんだからね!」

ハルヒに詰め寄られるが、まあまあ落ち着きなさいな。

「ホームページに何も添えないのはあれだろ?せめて個人活動を乗っけようと思ってな。それにほら、このコントローラー貸すからさ?艦載機の零式観測機のやつ」

この零式観測機の出来ることを伝えたら、まあそれなりに興味が出たらしく

「ふーん、まあそれなら少し皆でやりましょうか」

と、ギリギリの許可を得た。

艦載機は全部で七機、うち二機は長門とハルヒが使い、古泉、キョン、朝比奈さん、弟、キョンの妹に貸したら丁度足りた。

「へぇー、やってみるとけっこう面白いものね!」

と、コントローラーの画面を見ながら、ハルヒらしい豪快な動きで空を舞う零式観測機。

対する朝比奈さんとキョンの妹は、ヨタヨタしたすえあっさり着水。まあ、壊れてないし良かった。

「長門、楽しめてるか?」

聞こえていないのだろうか?反応は無かった。それは夢中になってくれてると信じて、何も聞かなかった。

夕日は沈み夜になる、夜戦だぁ!とかやりたいがやめとこう。夕食の時間だ。

俺は大和の水抜等をしっかりして、皆と夕食に向かうのであった。




獅子王大和の趣味、模型作り。
好きなものにはとことん頑張れる彼が作り上げた究極の一品。
主砲は第一~第三砲塔まで一体になって動き、毎秒二度だけ動くように調整されている。
零式観測機は中にカメラを設置したりなど、アホみたいな懲りようである。
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