ここは人間界から遠く離れた魔法の国。
この国ではたくさんの妖精たちが暮らしており、平和な毎日が続いていた。
ヨウ「カナンちゃん、ハナマルちゃん、おはヨーソロー!」
カナン「ヨウは今日も元気そうだね〜」
ハナマル「食べ物も美味しいし、みんな優しい妖精ばかりだし、平和な毎日ずら〜」モグモグ
ヨウ「食べ過ぎだよマルちゃん…のっぽパンばかりだと身体に悪いよ?」
カナン「あはは…マルは相変わらずだね」
ヨウ「でも、私達がこうして平和に暮らせるのも、人間界の秩序が保たれてるおかげだよね!」
この妖精の国の平和が保たれている理由、それは人間界と妖精界を循環する魔素”ラブカマナ”の力による物である。
この魔素の均衡が崩れると、2つの世界は破滅してしまう。
そしてこの日、その均衡をを脅かす悪夢が魔法の国を襲ったのだ。
カナン「…ん?なんか空が曇ってきたような」
ハナマル「変だね、今日の天気予報は晴れのはずなのに」
グォォォォォォォォォォ……!
ヨウ「えっ…魔法の国が!」
カナン「どす黒いオーラに包まれていく⁉︎」
キャァァァァァァァァァァ!
コワイヨォォォォォォォォ!
ニゲロォォォォォォォォォ!
ヨウ「他の妖精たちがみんなパニックに…」
ハナマル「いったい何があったずら!」
カナン「あっ!2人ともアレを見て!」
ダイヤ総統「オーーホッホッホッ!この世界は今日からワタクシ達『ブラック・クロサワ団』の支配下になるのですわ!」
ルビィ司令「支配すルビィ!」
ヨウ「なっ……!誰なの⁉︎」
突如魔法の国に現れたのは、世界征服を企む闇の組織『ブラック・クロサワ団』のリーダーであるダイヤ総統と、その部下のルビィ司令であった。
ハナマル「オバさんたち誰?妖精の国に人間が来るなんて珍しいずら」
ダイヤ総統「誰がオバさんですって!これでもピッチピチの17歳ですのよ!」
カナン「こらマル、いくら事実でも初対面の人に向かって失礼だよ」
ダイヤ総統「貴方も全くフォローになってませんわ!むっき〜〜、ここの住民は生意気ですわね!」
ルビィ司令「お姉ちゃん落ちついて!クールだよクール」
ダイヤ総統「コホン…よく聴きなさい愚民たち!これからワタクシ達は人間界に乗り込み、世界征服の第一歩を踏み出すのですわ!」
ルビィ司令「世界がお姉ちゃんの物になる前にわざわざ忠告してあげたんだから、感謝すルビィ!」
ヨウ「なっ…そんな事したらラブカマナの均衡が崩れて世界が滅亡しちゃう!」
カナン「私達の大事な国をアンタたちなんかに渡してたまるもんか!」
ハナマル「大食い勝負なら受けて立つずら!」
ダイヤ総統「やかましい!貴方たちのようなちっこい妖精に何ができるというのです!」
ルビィ司令「まぁそんなワケでここでの平和な生活もあと少ししか味わえないから、せいぜい残された時間を大事に過ごしてね〜♪」
ダイヤ総統「では早速人間界へ参りましょうか、さらばですわ非力な妖精さんたち♪」
ダイルビ「「オーーッホッホッホッホ!」」ピューン
カナン「行っちゃった…」
ハナマル「どうしよう、オラたちだけでクロサワ団を止めるなんて出来ないズラ…」
カナン「でもこのままじゃ世界の平和が!」
ヨウ「……………」
カナン「……ヨウ?」
ヨウ「二人とも、この国を救う方法が1つだけ思いついたよ」
ハナマル「ホントに⁉︎」
ヨウ「うん、それはね………」
ヨウ「魔法少女、だよ!」
舞台は変わって人間世界。
梨子「〜♪」
自身の通う浦の星女学院へと登校中のこの少女、名前は桜内梨子という。
昔から控えめで地味、成績も中の中というまさにどこにでもいる普通の女子高生……それが彼女の特徴だった。
千歌「梨子ちゃん、おはよう!」
梨子「あっ…た、高海さん///」
そしてそんな梨子のクラスメートである高海千歌。
スポーツ万能で成績優秀の超絶美人、おまけに日本でも有名な超高級旅館『十千万旅館』の看板娘という、梨子とは対照的に非凡な少女であった。
そんな千歌に想いを寄せる女子は決して少なくなく、梨子もまたその1人なのだった。
梨子「高海さん、昨日の剣道部の大会凄かったね!優勝おめでとう」
千歌「うん、見に来てくれてありがとう!決勝はなかなかキツかったけどね」
梨子「この前英検1級も取ったばかりだし…高海さんはホント凄いなぁ」
梨子( それに比べ私ときたら…これといって特技もないし、地味で可愛くないし… )
千歌「梨子ちゃん?」
梨子( 私みたいな凡人じゃ高海さんとは釣り合わないよね… )ハァ
千歌「溜息なんかついて…元気ないね、どうしたの」
梨子「あっ、ううん何でもないよ!」
千歌「……そう?何かあったら言ってね、私全力で梨子ちゃんの力になるから!」
梨子「…うん、ありがとう!」
昼休み。
梨子はピアノを弾きに1人で音楽室にきていた。普通な彼女の唯一の趣味、それは音楽である。
小さい頃からピアノが好きだった梨子は少し気分が落ち込んだ時、気分転換したい時にこうしてよく音楽室に足を運ぶのだ。
梨子「ふぅ……」
♪〜〜♪〜♪♪〜〜〜♪〜…………
長年弾いているだけあって決して下手ではない。だがそれで賞を取るようなこともなく、梨子にとって音楽は無難な趣味としておさまっていた。
梨子「…………」
千歌『何かあったら言ってね、私全力で梨子ちゃんの力になるから!』
梨子( 高海さんの事が好きです、なんて……まさか言えないよね、こんな事 )
梨子が溜息をついたその時。
ピカァァァァァァァァァァァァァ!
梨子「きゃっ…何⁉︎鍵盤が光って…」
ボワァァァァァァァァァァァン‼︎
モクモクモクモクモクモク……
梨子「ケホケホ…いったい何……が…」チラッ
ヨウ「初めまして梨子ちゃん!私は魔法の国から来た妖精のヨウだよ、ヨーソロー!」ビシッ
梨子「」
ヨウ「……あれ?」
梨子「あぁついに幻覚が…疲れてるのかしら私」ヨロッ
ヨウ「待って待って!ちゃんと全部説明するから!」
かくかくしかじか…
梨子「…えーとつまり、ラブカマナっていう魔素の均衡が悪い人達に壊されそうになっていて、このままじゃ世界が滅亡しちゃうと」
梨子「そのピンチを救うために魔法少女として悪と戦ってくれる人間の子を探してた……んだね?」
ヨウ「そうなの、しばらく適任者がいなくて困ってたんだけど…梨子ちゃん!アナタなら行けるって確信したんだ!」
梨子「いや何で⁉︎こんな地味でどんくさい私よりもっといい人がいると思うんだけど…」
ヨウ「ううん、アナタがピアノを弾く姿を見て確信したんだ!梨子ちゃんこそ魔法少女に相応しいって」
ヨウ「なぜならアナタの演奏にはとても『心』がこもっていたから…決してうまくはないけど!」
梨子「うっ!」グサッ
ヨウ「魔法少女として悪と戦うにはその優しい心こそが必要なんだよ!決してうまくはないけど!」
梨子「かはぁっ!」グサグサッ
ヨウ「あれどうしたの梨子ちゃん?床に倒れこんじゃって」
梨子「う、ううん何でもないよ…あはは…」ヨロヨロ
ヨウ「とにかくお願い!世界を救うために私と契約して魔法少女になってほしいの!」
梨子「そ、そう急に言われても……」
ヨウ「今契約すれば石けんもつけるから!」
梨子( いらないよ…化粧品の勧誘じゃないんだから )
キャアアアアアアアアアアアアア!
梨子「ん、今窓の外から悲鳴が…?」
ヨウ「あっ…大変!」
【校庭】
ギュオオオオオオオオオン‼︎
生徒1「イヤぁぁ吸い込まれるぅぅ!」
生徒2「ダレカタスケテーー!」
ルビィ司令「やっぱりクロサワ団が開発した『対人間用巨大掃除機』の威力はすごいね、お姉ちゃん!」
ダイヤ総統「ここにいる人間どもをとっ捕まえて、この大きな建物をクロサワ団のアジトとして占拠してやりますわ!オーッホッホ!」
梨子「あれは…⁉︎」
ヨウ「ブラック・クロサワ団だよ!この学校をアジトにするつもりみたい」
梨子「あの人達がヨウさんが言ってた悪の組織?」
ヨウ「うん、早くなんとかしないとみんな掃除機で捕まえられちゃう…!」
梨子「ど、どうしたらいいの?」アセアセ
ヨウ「魔法少女の力があれば…あいつらに対抗できる!」
梨子「!」
ヨウ「梨子ちゃん、魔法の国と人間世界の平和のために」
ヨウ「協力してくれないかな」
梨子「………うん、分かった!わたし魔法少女になるよ」
梨子「凡人で非力かもしれないけど、それで少しでもみんなの役に立てるのなら!」
ヨウ「ありがとう梨子ちゃん…契約成立だね!」つ石けん
梨子( あ、ホントに石けんくれるんだ… )
梨子「それで…私はどうしたら魔法少女に変身できるの?」
ヨウ「コレを使うんだよ、魔法の国に代々伝わる究極の変身アイテム『ラブカリング』!」スッ
梨子「ラブカリング?」
ヨウ「それを手首にはめて真ん中のボタンを押してみて!」
梨子「う、うん!」ポチッ
ピカァァァァァァァァァァァァァ!
ヨウ「へ〜〜んしん!」
バシュウウウウウウウウウウウウ!
梨子(全裸)「きっ…きゃあああああ!///」
ヨウ「あ、変身中の数秒間はすっぽんぽんになるから覚悟してね〜」
梨子(全裸)「そういう事は先に言っといてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!///」
◆ ◆ ◆
ギュオオオオオオオオオオオオオン‼︎
ダイヤ総統「いい調子ですわね、このままひとり残らず吸い込んでしまいましょう!」
ルビィ司令「この世界はみーんなクロサワ団のモノだもんね!」
???「待ちなさいっ!」
ダイヤ総統「へ?」
ルビィ司令「どこからか声が…」
???「貴方たちみたいな悪い人の好きにはさせません、私が懲らしめてあげます!」
ダイヤ総統「だっ、誰ですの⁉︎」
???「えいっ!」シュタッ
ダイルビ「⁉︎」
リリー「愛と正義を奏でるメロディ!魔法少女マジカル☆リリー、見参!」ジャジャーン
※変身中は梨子→リリー表記になります
ダイルビ「………( ̄。 ̄ )」
リリー「………///」カァァァ
リリー「ヨウさん話が違うよぉ!二人ともたじろぐどころか呆れちゃってるじゃない///」
ヨウ「あれー?まぁいいや、細かい事は気にしない!全速前進ヨーソローだよ!」
リリー「うぅ〜///分かったよ、今は戦うことに集中するよ…」
ダイヤ総統「フン!何が魔法少女ですか、貴方みたいな小娘がワタクシ達に刃向かおうなんて…片腹痛い」
リリー「そんなのやってみなくちゃ分かりません!勝負です、ブラック・クロサワ団!」
次回、ブラック・クロサワ団との戦いが始まる!魔法少女マジカル☆リリーの運命やいかに!
第1話 おわり
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