無自覚な吸血鬼の王   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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はーいはい!!
やっとこさヴラドおじ様を最終再臨まで持っていけてご機嫌な作者です。
邪智のカリスマさんも当たったし、このまま死んでもいいですな。


紅魔館、始動

あれから10年.....くらいだと思う。

体感だから自信はない。

この間紅魔館の皆も、本当に何も変化の無い日々にうんざりしていた。

 

長い時間生きている吸血鬼なんかの生き物は、案外変化の無い日々に強い筈なんだが......。

どうもここの人達は退屈で堪らないらしい。

自殺者が出ないか心配にもなった。

長い時間を生きている吸血鬼の一番の死因は退屈から来る自殺なのだ。

 

かくいう私もほんの300年前に1度自殺した。再生したけど。

だが、自殺する吸血鬼としない吸血鬼では明確な違いがある。

やること、やりたいことがあるか無いか。

誰かと一緒に過ごしたり、大切な人ができたり、使命なんかができたりすると生きる活力になるってものだ。

つまり自殺する吸血鬼は独り身なのだ。

非リアとリア充の差である。

だからこうやってまだ生きている私は寂しい奴なんかじゃないと信じたい。信じさせてくれ。.....ダメ?やっぱ結婚した方が良いのかな。

 

でもなー、私は生まれてからモテたことがないのだ。

女の子や女性に近づくといつも倒れてしまう。

無論、女性の方がだ。

その後はだいたい目が虚ろになったり、なにかに怯えてる様にナニカを呟いている。

その大体が『全て貴方に捧げます』的なことを言っている。

神に祈っているのだと私は思っている。

 

.....そんなに私は怖いのか。

吸血鬼なのに神にすがる程に私は怖いか。

その女性達は次会った時からは顔を真っ赤にしながらお辞儀しだす。

私が何か喋る度に震えたり、ビクついたりする。

 

こんな独り身歴700年という他とは別格に寂しい奴な私に興味を示す人が居るかどうか......。

幽香さんは.......バトルジャンキーでしょ?あれはそういうお誘いではないと思うんだ。

最近、レミリアとかフランちゃんでもいいかなーなんて危ない方向に思考が傾いている。

 

とまぁ、ご覧の通りこんなしょうもない事を永遠と考えている始末だ。

これで自室に寝っ転がった状態だと言えばどれ程退屈か分かってもらえるだろうか。

三日前からずっとこの状態だ。

 

フランちゃんの所に行っても良いのだけど、嫌な予感がする。

とんでもなく嫌な予感がするので、少し今は置いておくことにする。

 

あぁ、封印っていつ解くのだろうか....。

 

バァン!!と扉が開かれる。

昨日までの光の無い目とは真逆に、目が輝いているレミリアが居た。

 

「封印、解かれるらしいわよ!!」

 

寝転んでる場合じゃねぇ!!!

私は即座に起き上がって、早く早くと急かすレミリアの後ろを着いて行った。

 

 

 

「さっきレミリアに話しましたけど、今日封印を解くことになりました」

 

何故か深々とお辞儀をしてくる紫さん。

あれか?封印が長くなったのを気にしてらっしゃる?

そんな気にしなくても良いのに。

 

「構わない。話を続けてくれ」

 

私が話を促すと、紫さんが話し始める。

 

「紅魔館の皆さんには、『異変』を起こしてもらいます」

 

異変?なんだそれは。

 

「異変とは、ここ幻想郷に暮らす人間達の畏れの衰退を防ぐための、所謂行事です。妖怪の力を、人間に害が無い程度に見せつけ、人間達が妖怪の存在を忘れないようにするための物です」

 

なるほど。いやはや、上手いシステムを作ったものだ。

 

「今回の異変は、というより、幻想郷で初めての異変は紅魔館に任せたいと思って来た次第です」

 

え、初めてなんだ。

つまり紅魔館が起こした異変がこれからの異変の目安になるのか。

少し緊張するな。

 

「ふふん。そんな事なら任せなさい。だけど、それって誰が解決するの?」

 

確かに。レミリアに勝てる人間となるとかなり限られるが.....。

 

「そこは大丈夫です。『博麗の巫女』が、異変を解決する手立てになっていますから」

 

博麗の巫女とは、幻想郷を覆い隠す博麗大結界を代々守護し、妖怪の退治も行う人間の代表の様な物らしい。

そんなのが居るのか。

 

「でも、もしその巫女が解決できなければ.....?」

 

「当然、異変は続けてもらいます」

 

なるほど。博麗の巫女に勝てれば、幻想郷を少し自分の自由に出来るという訳か。

 

「それなら、この私達紅魔館が、その巫女を打ち倒して見せるわ!!」

 

おぉ、凄いやる気だなレミリア。

 

「ウフフ、ではまた」

 

紫さんは、もう1度私に深い礼をして裂け目に入っていった。

 

「で?レミリアはどんな異変を起こすのだ?」

 

レミリアに聞いてみると、悪い笑顔で顔を向けてきた。

 

「ねぇ、太陽って邪魔じゃない?」

 

急にどうした。

......あ、もしかして

 

「なんだ、太陽を落とすのか?」

 

「違うわよ!!まさか、貴方......!!やらないわよね!?やめなさいよ!?」

 

なんでそんなに怒る。

太陽を落とすとかできるわけ無いだろう。

レミリアじゃあるまいし。

 

「そうじゃなくて、空を霧で隠すのよ。私の好きな血の色をした霧で!!」

 

なるほど。そういうことか。

 

「誰が霧を生み出すのだ?」

 

「パチェに頼みましょう」

 

あの子喘息で倒れてるんだけど。

無茶を言うな。レミリアは。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

「むぅ、来ない」

 

最近ロミオが地下室に来ない。

最後に来たのは7日程前。

寝た回数を数えただけだから本当にそうとは限らないけど。

 

「次来たら、襲ってやろうと思ったのに」

 

ガオーってね。寝てる時にでも......。

ウフフ、ウフフフフフ。

 

「まぁいいや。待ってれば来るよね」

 

その時は、思いっきりロミオと遊ぶの。

楽しみだなぁ、楽しみだなぁ♪




ハイテンションで書いた回です。
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