無自覚な吸血鬼の王   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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お久しぶりです........。番外編から.......番外編からリハビリさせて.......。

ビルドの次のライダーの名前聞いたら副腕があるライダーでトロッコみたいなシロップみたいな名前の人が主人公かと思った作者です。


番外編 もしも主人公が一人しかいない系の妖怪だったら 前編

「んぅ......」

 

朝日が顔に差し込む。しょぼしょぼする目を擦りながら、頭にある突起物を撫でる。

近くの水場で顔を洗って目を覚ます。

 

「ふぁぁぁぁ〜......。よし、今日もがんばろ!!」

 

俺の名前は『抱きつ鬼(だきつき)』!!幼女や少女、美女が大好きな健全な鬼だ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

事の始まりはある夏のこと。コミケで熱中症になってそのまま死んだ俺は、気が付けば3歳ほどの赤ちゃんになっていた。

それも、森みたいな場所で親もなくだ。当初何が起きたかわからず大泣きした。赤ちゃんの体だからか、驚いていると勝手に泣いてしまった。森でそんな大声出していれば動物などが寄ってくる。

これはもうダメかと、俺は思ったね。虎みたいなのやゴリラみたいなの。色んなのがぞろぞろぞろぞろと来た。

 

だが予想は当たらず、俺は森の一員になった。

大泣きしていた俺の涙を虎みたいなのが舐め取り、ゴリラみたいなのが俺を背中に乗せてくれた。困惑して泣き止んだ俺に、ほかの動物達が寄ってきては俺の顔や髪をいじり出した。髪の毛に指を通したり、顔を手でグニグニしたり。まるで親戚の子を見た子供みたいだった。

 

それからは、基本はゴリラみたいなのが親のようにしてくれ、たまに他の動物が世話をしてくれていた。

理由はわからなかったが、とりあえず流れに身を任せるのが1番楽なことだけはわかった。

 

1年ほどたって、身体的に4歳ほど。歩き始めて言葉を取り戻した俺は、頭に突起物が出始めていることを知った。動物達にこれがなにか聞いてもダメだった。言葉通じないもん。

 

 

更に3年ほどたって、寿命で死んでしまう動物も出てきた。流石にこれほどの年月を共に過ごせば、泣くくらいには情が湧いていた。

その動物には子供がいた。世話をしてくれた恩返しに、今度は俺が子供の世話をすると決心した。

 

 

 

 

そこから大いに時間を飛ばして200年ほど。体は20年目くらいで成長を止め、突起物......角は60年目で伸び切ったようで、人差し指より少し長いくらい止まった。

やはり俺は人間ではなかった。薄々勘づいてはいた。

俺を世話してくれた動物はもはや死に絶え、その子供、そのまた子供の子供の子供の子供と、わからないことがありつつも世話をした。いまや森の動物は全て俺の元で育ったんじゃないかと言うくらいには育てた。

 

たまにする散歩で発見したのが、森の前で大規模な祭事をしている人間達だった。

仮面をつけた取締役みたいな人間が、大きな祭壇に穀物やきれいな水、野菜や果物、干し肉などなど色々なものをお供えしていた。

森を信仰する村とかなのかと思っていると、仮面の取締役の一言で人間達が祈りを捧げだした。

 

「森神様。獣神様。今年も貴方様のおかげで、こんなにも豊かな作物に恵まれました。私達森の民一同が、祈りを込めて育てた森神様のための作物でございます。どうぞお納めください.......」

 

言い終わると、巫女のような人が大きな朱色の盃を祭壇の真ん中に置き、少し大きなとっくり(?)から透明な液体を半分ほど注ぎ横にとっくり(?)を置いて離れた.....あれは清酒か?

後ろの人間たちも涙を流しながら祈りを捧げている。

 

しばらく祈った後、取締役仮面の号令で、その場を綺麗に掃除したあと、巫女のような人が水のような物を周囲に撒いて撤収していった。

一体なんだったのだろうか。森神や獣神みたいなのってこの森いたっけ?というかいつからこういうことしてるんだろ。そう考えながら、一番取りやすい場所にあったリンゴのような果物を食べた。森神様、居るなら怒らないでね?

結果はリンゴのような味がした。とても美味しかったです。あまりに美味しくて勢い余って野菜やお酒まで全部食べちゃった。途中から子供が見てたことに気づいた俺は、1人で食いきれない量だったから丁度いいと思い、子供を巻き込んで一日中小さな宴をした。動物達も集まってきたりして......すごい楽しかったわぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なぁ!!大丈夫なのかよ!!」

 

「大丈夫だって!!森神かなんか知らないけど、あんな美味そうなもんあのままあそこに置いたままなんて勿体ねぇだろ!!」

 

村の大人達に秘密でお祈りした後の食いもんを食ってみることにした俺たちは、茂みに隠れて大人達が去るのを今か今かと待っていた。

そして、ついに大人達が去った今!!ご馳走にありつこうとしているのだ!!

 

「よっしゃ!!行くぞ......!?」

 

「うわぁ.......!!」

 

早速食いもんに飛びつこうとした時、横の茂みから誰かが出てきた。

俺たちはその誰かの後ろ姿を見て、それだけで確信した。

 

「森......神.........!?」

 

あれが、大人達の言う『森神様』なのだと。

森神様は近くにあった果物を掴んでは、品定めするかのように見つめた。意を決して食べると、気に入ったようで他の食べ物も食べ始めた。

あまりに美味しそうに美味しそうなもんを食べるもんだから、体が勝手に前のめりになって、足元の木の枝を盛大に踏み折っちまった。森神様が驚いてこちらを見た。見ただけでなにか神々しい雰囲気が体に降りかかって前が向けなくなった。

 

やばい。神様にバレちまった......!!

 

そう焦っていると森神様が近付いてきて、

 

『ちょうど良かった!!1人じゃ食べきれなかったんだ。一緒にどうかな?』

 

森神様が軽い口調でそう言ってきた。俺は「へ....?」と呆けるような返事しかできなかった。

なんか......思ってた神様と違う.....。

 

 

 

その後、一緒に来ていた奴らも呼んでみんなで食べて飲んで大騒ぎした。

すると森から色んな動物が集まってきて森神様に擦り寄った。森神様がちょっと困った顔していた。

その日の夜は動物達も一緒に騒いだ。歌ったり踊ったりした。森神様が踊り下手だったのは面白かったかな。そのままみんなで寝た。

 

朝起きて、森神様とお別れしてから村に帰った。大人達に凄い心配された。

大人達には悪いけど、夜のことは俺たちの中だけの秘密にした。

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