無自覚な吸血鬼の王   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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今回は、パチュリーやフランからの主人公への印象。
そして、時系列がよく分からないから十年前の設定で始めたんですけど、とりあえず吸血鬼異変スタートです。


王者以外の印象 そして、進撃

ロミオ・スカーレット。

 

その名を聞くだけで大体の吸血鬼は顔を真っ青にする。

彼は、吸血鬼が誕生した起源よりも前から存在しているとも言われている。

だが実際はそうではなく、(本人曰く)700年程しか生きていない。

更にいえば、吸血鬼の王等と言われているが、本人は認める気は無いらしい。

 

どうしてこれ程までに噂が一人歩きしたのか。

それは、やはり彼の雰囲気にあるのだろう。

 

全てを圧倒するかの様な強烈な圧力。

そして、全てを包み込むかの様な雄大さ。

更に、今まで誰も傷つけることさえ出来なかった彼の実力。

 

やはりどれもが圧倒的で、しかし誰もが認める様な存在。

 

『彼ならば、王に相応しい。いや、王になるべき存在だ』

 

彼に会った者は口々にそう言う。

かくいう私もその1人だ。

いや、この紅魔館に居る全てがそう口を揃えて言うだろう。

 

「パチュリー様ぁ、お茶をお持ちしましたぁ〜」

 

「ありがとうこあ。そこに置いておいてくれないかしら」

 

「はぁ〜い」

 

私こと、パチュリー・ノーレッジが何故今彼のことを考えていたかと言うと.....。

 

<ドカン!!

<バーン!!

<.....ドグシャァァァアア!!!

 

「は、派手にやってますね」

 

こあが青ざめた顔で口元をヒクヒクさせながら言う。

 

「いつものことでしょ」

 

「で、でもぉ......もし何かの間違いで出てきたりしてしまったら....!!」

 

「......こあ、まさか貴女」

 

私は、杞憂なことを考えている使い魔に優しく諭すように言った。

 

「彼が負けるとでも思っているのかしら?」

 

思わずクスクスと笑いが出てしまう。

全く、私の使い魔は面白いことを言う。

 

「い、いえ.....そうじゃなくて、もし妹様とあの方が戦いに必死なせいで、地下室から出てきたりしてしまったら!!」

 

「大丈夫よ。大丈夫」

 

「そ、そうなら良いのですが.....」

 

心配性な使い魔を宥めながら、私は本を閉じて紅茶をゆっくり飲む。

 

<グチャァ!!

<ブシャァアア!!!

<バキン!!ブチィ!!!

 

明らかに戦闘で出てはイケナイ音が聞こえる。

 

「ひ、ひぅぅぅぅ......」

 

本で頭を庇いながら蹲る使い魔のこあ。

こうなってしまったら、アレが終わるまで動かない。

 

今、地下室では彼がフランの狂気を宥めている。

これは私が紅魔館に来る前から行われていた事だ。

月に何度かフランの狂気が抑えられなくなり暴れ出すのをいつも彼は1人で、しかも迅速に対応して事を収める。

これ程のことができるのに、彼は自分が弱いと言う。

謙虚もここまで来ればもはや皮肉である。

 

「.....本当に、訳が分からないわ」

 

それは私が彼に抱いている感情。

わけがわからない。なんだかそういうしか無かった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

フランは、生まれてすぐ地下室に閉じ込められた。

危険な力を持っているせいで、アイツに閉じ込められた。

だけど、そのことには怒っていない。

それ自体は良い判断だと思うし、多分フランでもそれなりのことをしていたと思う。

だけど、アイツの事を姉妹には思えなかった。

それもそうだ。

生まれてすぐにここにフランをぶち込んでから、一向に顔を見せない。

多分、フランのことは気にしてないのだろう。

まぁ?別にいいんだけどね!!

 

「ロォォミオォオオオ!!!!」

 

ロミオに会えるだけでフランは充分!!

むしろそれ以外いらない!!

 

「来いフラン。出来る限り受け止めてやろう」

 

今フランは一芝居打っている。

狂気に飲まれたフリをすれば、欠かさずにロミオは駆けつけてくれる。

それが、堪らず嬉しいの。

 

最初に会ったときは、またおかしな玩具が来たと思った。

思わず能力を使ってしまい、またやってしまったと思った。

だけどロミオは、倒れることもなくフランと会話を続けた。

 

なんだか、ただそれだけで救われた気がした。

会話を普通にできる相手が居るだけで、こうも救われるものなんだ。

フランってチョロいかな?

 

だけど、やっぱりロミオもフランから離れた。

そろそろ戻ると言って、上に行ってしまった。

 

仕方ないか。私は狂っているのだから。

 

狂っている奴と一緒に居たい奴なんて、そう居ない。

たぶん、ロミオが変なだけだ。

 

ある時、フランは狂気に飲まれた。

たまに発作のようにある狂気の奔流。

今回のそれは、いつもより大きかった。

そのせいで、フランはあっという間に飲まれてしまった。

 

その時からだ。フランが狂ったら、欠かさずに駆けつけてくれるようになったのは。

気が付けば、ロミオに抱かれて寝ていた。

ロミオも寝てたけど、フランが起きると同時に目を覚ました。

 

「あぁフラン。よく眠れたか?」

 

笑顔でそう言いながら、私の頭を優しくポンポン叩く。

その度に、ロミオの香りがフランを包むの。

多分だけど、この時からかな。

 

フランが、ロミオしかいらなくなったのは。

 

わがままだと知っていても、フランの側に居てと嘆く。

たぶん、フランが本気で頼めばその通りにしてくれると思う。

けど、それはダメだ。

ロミオの迷惑になる。それだけはダメだ。

いつか、フランもロミオと一緒に暮らせるようになってから、フランからロミオの側に寄り添うようにしたい。

フランは、今それだけの為に努力している。

だから、待っててね?ロミオ。

 

 

 

 

 

他に女なんか作ったら、間違いなくコワシチャウトオモウカラ。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「クックック.....アハハハハ!!!」

 

『レミリア、やかましい』

 

「ゴメンなさい」

 

レミリアがなんだかハイテンションだ。

何が嬉しいのか、ニタニタしている。

すると、パチュリーちゃんや咲夜ちゃんが集まってきた。

それだけでなく少し待っていると、エントランスには大量の使い魔や、多分だが自分よりも圧倒的に強いだろう吸血鬼達が集まっていた。

 

つらつらと演説を行うレミリア。

私は意味がわからず、ただただ混乱していた。

 

「お、おい。王の機嫌が悪そうだぞ」「大丈夫なのか!?幻想郷なる所に進撃する前にここで全滅するとかシャレにならんぞ!?」「と、とにかきゅ、これ以上機嫌をしょこねないようにしてだな.....」「「落ち着け」」

 

なんだかガヤガヤしてるな。

 

「長々と演説するのにも飽きた。簡潔に宣言しよう。

 

 

 

諸君!!!幻想郷なる地を我ら吸血鬼の手中に叩き落とし、我らの存在をしらしめようぞ!!!」

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

 

血気盛んに叫ぶ使い魔と吸血鬼。

 

......え?何?戦争でもするの?




なんだか、話が進んでいないぞぉ!?
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