「さて!!挑戦状を送ってはや2日!!いよいよ今夜が決戦の日よ!!」
ふんすと張り切るレミリア。
満月の日だからか、使い魔や吸血鬼達もどこか血の気が多くなっている気がする。
かくいう私も、体の調子が良く、つい上機嫌で喋ってしまう。
「永い夜になりそうだな。フフフフ.....」
瞬間、その場が静まり返った。
....え?イジメ?イジメなの!?
.....もういいもん!!フランちゃんの所に行く!!
うわーん!!レミリアなんて!!レミリアなんて!!
お漏らしでもして咲夜ちゃんに笑われてろー!!!
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「な、なぁ。今の王の顔を見たか?」「あぁ。ありゃ、やばいことになりそうだ」「死なないと良いなぁ......」「バカお前!!まだ死んだって決まったわけじゃないだろ!!」「そうだそうだ!!ワラでも何でもいいからしがみつく勢いで生きるぞ!!」
使い魔や吸血鬼が騒ぎ出す。
かくいう私も、彼の笑顔を見てから固まってしまっていた。
まるで、底冷えのするような笑いだった。
今まで感じていた威圧感が急に冷気を帯びた様に冷えた。
彼が何をするつもりなのかは知らないが、とんでもないことが起きるだろう。
「あぁ.....。胃が痛くなってきたわ」
咲夜に胃薬を頼んで、少し落ち着くために椅子に座った。
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「へー.....。幻想郷かぁ」
「あぁ。もしかしたら、フランが遊べる相手が増えるかもしれないぞ?」
「ふーん.....。ロミオが居ればいいや」
私は今、フランちゃんの居る地下室で、フランちゃんを膝に乗せて会話を楽しんで先程の心の傷を癒している。
ここに来た名目は、フランちゃんへの状況説明だ。
イジメられたから来たなんて口が裂けても言えないもんね!!
「フランは、こーやってロミオに抱きつけるだけで幸せだよ?」
「だが.....流石に私だけというのもな。もし、私が用事で居ない時にフランが癇癪を起こしたらどうする?」
「ロミオが居ない.....?いや、いや!いや!!」
あ、これイケナイやつじゃ....。
「イヤぁぁぁぁぁあああ!!!」
あぁまた始まった....。
フランちゃんが頭を抱えて叫ぶ。
だが、今回は起きたばかりだ。
すぐにでも宥めれば収まるだろう。
「大丈夫、大丈夫だ。私は居なくなったりしない」
「本当に?本当に、居なくなったりしない?」
「あぁ。私が言ってるのは、私が外に出ている時にフランが癇癪を起こしたら誰が止めるのかという話だ」
やはりすぐ落ち着いたのでゆっくり、次は勘違いさせないようにして話す。
フランちゃんは優しい子だからな。紅魔館の誰かが居なくなるということに敏感になってしまっただけだろう。
「....だから、いざと言う時にフランを止める人がいるの?」
「端的に言えばな」
「.....ロミオは、そっちの方がいい?」
「それはフランが決めることだ」
約500年生きていたと言っても、そのほとんどをここの地下室で過ごしていたのだ。
やはり、こういう子供っぽい所が目立つ。自分の意見に自信が持てないのだろう。
「.....分かった。努力する」
「あぁ。良い人が居たらフランに紹介してみよう。」
そう言って、私は階段を登った。
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ロミオが、友達を作ってみたらとフランに言ってきた。
よく良く考えれば、ロミオが居ない時のことを考えたことなかった。
さっきはそれを考えて発作が起きちゃったけど.....。
確かに、ロミオが居ない時に狂ってしまえば(正直、上の連中はどうでもいいのだが)、ロミオが困ることになる。
それはダメだ。なので、作ることにした。
....だけどそれは後回しになりそう。
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「揃ったわね」
私は、目の前に広がる曲者達を視界に入れた。
「酒持ってこーい!!」
妖怪の山の鬼の片割れ、伊吹萃香。
「ウフフフ.....」
四季のフラワーマスター、風見幽花。
「あらあら」
寒気を操る妖怪、レティ・ホワイトロック。
「こらこら、あまり騒ぐものじゃないですよ」
天狗の長、天魔。
それ以外には、下級や中級の妖怪。
中に少ないが上級の妖怪も何人か混ざっている。
戦争の準備は整った。
「.....これは良い刺激になりそうね」
当分、妖怪への畏れのことは気にしなくて良さそうだ。
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いよいよ吸血鬼軍団VS幻想郷が始まるわけだが......。
『お願いよロミオ。今回は、手を出さないでちょうだい』
レミリアに真剣にお願いされてしまったせいで、今回はお留守番だ。
フランちゃんの居る地下室で待機している。
外からは色んな音が聞こえてくる。
「ロミオ、ロミオ、ローミーオー♪」
ギュウギュウと凄い力で抱きついてくるフランちゃんを撫でながら、1人考える。
(.....私ってそんなに頼りないかな!?)
お留守番(戦わないとは言ってない)