フランちゃんと少しの間遊んだ後、外の様子が気になったのでエントランスの窓から外を見てみた。
「ここを通すなー!!!!」「死ぬ気で止めろ!!!死んだなら肉壁になれ!!!」「目を潰せ!!!不意打ち問答無用!!!!」
「今だけ我らは高貴な吸血鬼ではない!!!今宵の我らは、獣同然のゴミクズだ!!!何をしてもいい!!!ただ、無駄死にだけはするなぁ!!!あのお方に、勝利をぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
『おぉぉおおおおおおおお!!!!!!』
え!?あの吸血鬼達がここまで必死に!?
プライドも捨てる勢いなんて.....。
これは戦況が怪しいぞ。
......それより、満月だからか妙にソワソワするな。
落ち着かせるために、シャドーボクシングでもするか。
目を瞑って腕を構える。
シュッシュ!!
シュシュシュ!!
シュシュシュシュ!!!
シュシュシュシュシュシュガスッ!!!
「グヘェ!!」
......ん?何か当たったかな?
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それじゃあ、そろそろ私も行きましょうか。
「紫様、お気を付けて.......」
「えぇ、ここは頼むわよ。藍。」
「仰せのとおりに」
私はスキマを開けて敵の本丸に乗り込もうとした。
すると....!?
予測していたようにスキマから腕が飛び出してきた。
「え!?グヘェ!!」
ものの見事に顔面に当たり後ろに飛ばされた。
「紫様!?」
私はそのまま、無様に気を失った....。
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「レミィ、なんで彼に頼らなかったの?」
パチェが疑問をぶつけて来る。
当たり前の疑問だった。彼はそこに居るだけで全てに影響を与える超越者なのだ。
彼がいれば恐らく勝てる。
だが、私はそれをしなかった。
「......これ以上、彼に頼るわけにはいかないからよ」
「.....それは、なんでかしら?」
思えば最初から今まで、彼にはお世話になりっぱなしだった。
私としては、彼は目上の存在であり、もう一人の父親の様な物だ。
彼に言えば、何も言わずに協力してくれるだろう。
だが、それではいけない。
「彼に、貴方が居なくても私達はやっていけるって、そして」
───私達はこんなに強くなった、だから安心してって、伝えたいからよ。
それは、一人立ちする子供が親に今まで育ててくれたことへの感謝をするかの様な感情だった。
この戦争は、吸血鬼の力を見せつける他に、自分勝手なことだが、彼への今までの感謝の儀式なのだ。
ここまで私達を見守り、助けてくれた彼への恩返し。
それは今、ここで果たす。
「だから、負けるわけにはいかないの」
「.....ほほぉ、吸血鬼とは義理堅いのですねぇ」
自室だと言うのにも関わらず、後ろから声が聞こえる。
.....そろそろ来る頃合なのは能力で分かっていた。
「パチェ、貴方は他を当たりなさい」
「わかったわ」
瞬間移動をしたパチェを見送り後ろを振り返る。
「初めまして。幻想郷に居る天狗の長をしている、烏天狗の『天魔』と言うものです」
「紅魔館党首、レミリア・スカーレットよ」
6枚の翼を携えた、顔の半分を布で隠した烏と自己紹介を済ませた。
「自慢ではないのですが、恐らく私は幻想郷の中で現在最速でしょう。.....追いつけますかな?」
布で隠れているのにも関わらず分かるほど、嫌味ったらしい笑顔を向ける烏。
わかり易い挑発だ。しかし乗ることにした。
「良いだろう。純血の吸血鬼との差を、幻想郷なんぞ狭い世界だということを、その身に思い知らせてやろう!!」
私にとって、これはただの前哨戦。
さぁ、この勝利は、彼に捧げようぞ。
『純血の吸血鬼』レミリア・スカーレットVS『幻想郷最速』天魔
開幕
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レミィに言われた後、私は図書館に戻っていた。
「遅かったじゃないかー。待ち侘びたぞー」
「ぱ、パチュリー様ぁ.....」
先客がいた。
小さな少女の姿だが、酒をガブ呑みする奇妙な妖怪。
頭に小さな角が生えている所から見ると、鬼かしら?
それに怯えるこあ......はいいかしらね。
「あなた.....鬼ね」
「おぉ!?あんたあたし達のこと知ってるのか」
「えぇ、有名だもの」
「それじゃぁ、あたし達の強さも知ってるよねぇ?」
「えぇ。まず普通の戦いじゃ負けるわね」
「じゃぁ.....どうするんだい?」
「ゲームをしましょう」
「ゲームぅ?」
私はほうけている鬼の対面に座り、トランプを出した。
「ポーカーって知ってるかしら?」
「あぁー前にやったことあるねぇ」
「そう、それならルール説明はいらないわね」
「へん、ゲームなんてつまんない」
「あら?鬼が勝負から逃げるのかしら?」
「.....上等じゃないか」
真剣な目つきになった鬼にカードを配る。
「私の名前はパチェリー・ノーレッジよ。貴方は?」
「伊吹萃香だ」
「それじゃぁ、スタートよ。こあが見てちょうだい」
「ヴェェ!?」
『七曜の魔女』パチェリー・ノーレッジVS『酒呑童子』伊吹萃香
開幕
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シャドーボクシングを続けていると、壁が壊されて血塗れの女性が入ってきた。
「あらぁ、奇遇ねぇ。こんな所に居るなんて」
「誰だ?」
「風見幽香。近所で花畑を世話しているわ」
「私はロミオ・スカーレット。しがない吸血鬼だ」
「ご親切にどうも。だけど、あなたは『しがない』なんて言っちゃいけないわよ」
なんでだ。本当にしがないのに。
そうツッコむ暇もなく会話が再開される。
「突然で悪いけれど、戦いましょう」
「断る」
「ダメ♪」
なんて横暴だろうか。
この人は結婚できそうにないな......。俺みたいにな!!
やべぇ、泣きそう。
『しがない吸血鬼』ロミオ・スカーレットVS『四季のフラワーマスター』風見幽香
開幕
書くことがないですねぇw