ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結>   作:MS-Type-GUNDAM_Frame

22 / 60
よーし来週からはゴールデンウィーク!!
宴じゃあぁぁぁぁぁぁ!


14話:ブートキャンプ

「お願いします!」

「おうよ!任しときな!」

 

結果的に言えば、ムウは二つ返事で訓練を了承してくれた。

ただし・・・

 

「それで、俺でも操縦できるっていうシミュレーター、頼んだぜ」

「は、はい、もちろんです」

 

(一体何日かかるかなぁ・・・)

 

安請け合いしないことを学んだキラでもあった。

少し顔に影をかけているキラに、思い出したようにムウが声をかけた。

 

「あいつは参加しないのか?」

「あいつって・・・ソランさんですか?」

「ああ、あいつだ。あいつ強そうだから楽しみだったんだけどなぁ・・・」

 

そこへ、昼食の片づけをした刹那が入室してくる。

 

「参加するのは問題ない」

「ホントか!」

「ああ。確か、ニホンの剣道・・・だったか?」

 

刹那の宿敵であったあの男も、武士道、と言っていたか。

刹那自身の格闘術は、幼年期に仕込まれたナイフ術と青年期に身に着けたMS操縦術。加えて、外宇宙を巡っていた間に身に着けたそれらの技術の統合によって生み出された、刹那オリジナルのCQCである。

だが、こんな別世界にきてまであの男のことを思い出すとはな、と、懐かしさも覚える。

 

「俺は訓練用のナイフの方が合っている。それでもいいか?」

 

だが、ムウにとってはむしろ燃え上がる要素だったようで

 

「異種格闘戦か!楽しくなってきたぜ!」

「あんまり辛くないといいな・・・」

 

キラは半ば忘れられていた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

所変わってアルテミス内訓練所(疑似重力有り)

 

「じゃあ、予定を話そう」

 

本来誰を鍛えるべきなのかを思い出すのに15分かかったムウは、具体的な指針を発表する。刹那の提案を組み込んで、ムウが発案した連合で唯一の、MSパイロット用ブートキャンプだ。

 

「まず、俺と戦ってもらう。使用するのは、訓練用サーベルとペイント弾入りのハンドガン。訓練用ナイフもアリだな。で、戦った結果でこの先の訓練内容を決める。何か質問あるか?」

「ないです」

「じゃあ早速行くか!」

 

審判に刹那が立ち、ボクシングリングのような格闘訓練場の両コーナーに両者が立つ。

お互いにプロテクターを装備し、キラは拳銃とサーベルを装備している。

対するムウは、サーベル二本のみだ。

キラは拳銃を右手に持ち、サーベルを左手に持っている。

ムウは、右手にサーベルを一本持ち、

向かい合う二人に確認を取り、スタートを切るのは審判の刹那の仕事だ。

 

「はじめ!」

 

まず、キラがペイント弾をムウに向けて発射する。

だが、ムウは一発も当たらない。

 

「甘い!」

 

むしろ掻い潜って、キラに接近してくる。

 

「くっ!」

 

だが、キラもサーベルを抜いて受け止めようとする。だが

 

「そこだ!」

 

ムウがサーベルをキラに向けて投げる。驚いたキラは、体を左に傾けて躱そうとするが、左手にもう一本のサーベルを装備したムウが、上段からサーベルを振り下ろしていた。

 

「一本だな」

 

一瞬、驚きと緊張で惚けていたキラだったが、すぐ再起動する。

 

「い、今・・・」

「ああ、思い付きだったけど、いい手だっただろ?」

 

しかし、一瞬で終わってしまったためさすがにまだいける、とキラがムウに何度か挑戦するも、堅実な、あるいは意表を突いた戦法で戦われ、結局勝てない。

 

「あ、ありがとうございました・・・」

「おう、お疲れさん」

 

キラは息も絶え絶えであるが、ムウは至極楽しそうに笑っている。

刹那は、まるでムウがキラから生気を吸い取っているようだな、などと非現実的なことを考えながら二人にタオルを渡す。

 

「ムウ、この後俺ともやるのか?」

「もちろん!」

 

輝かんばかりの笑顔で言われては断ることが出来ない。

仕方がないとばかりに、連合の制服の上着を脱いで、ズボンにタンクトップ姿になる。

 

訓練場近くに置かれた机から訓練用ナイフを手に取り、キラに交代するように指示を出す。

キラはよろよろと立ち上がって、リング近くのベンチにぐったりと(もた)れ掛かる。

とりあえず、勉強になるからと見学の態勢に入った。

 

「じゃあ行くか。くぅ~、わくわくするぜ!」

「そうか」

 

今度は、ムウが二本のサーベルをそれぞれの手に装備し、対する刹那が右手にナイフを、左手には何も装備せず、腰に何本かのナイフを佩いて半身になるように構えている。

ムウがキラに、合図を求めると、キラは大声が出せないからと、近くにあったゴングを鳴らせるように準備した。

 

「いきますよ?」

 

キラが掛けた一言で、場の空気が一気に()()()()

向かい合っていないキラですら、思わず息を止めて注目する。しかし自分の仕事を思い出して、慌ててゴングのボタンに手を伸ばす。

そして、甲高いゴングの音で模擬戦が始まる。

 

「オラ!」

 

ムウが、まず距離を詰めて右手のサーベルを上段から振るが、刹那はナイフの腹に添わせて危なげなく躱す。

其処に刹那が左手でナイフを投擲する。

だがそのナイフは、後退するムウに左手のサーベルで弾かれた。

 

しかし、そこですぐに体勢を戻せないムウに、今度は刹那が距離を詰める。

右手のナイフを構えて、ムウの首を狙ってナイフで斬りつける。

それを、ムウは防御のために体の近くに持っていたサーベルで防いだ。

防いだ、が

 

「っな!」

 

次の瞬間、刹那がムウの目の前からいなくなり、ムウの左手のサーベルが宙を舞っていた。

さらに、ムウの後ろからナイフが二本飛んでくる。

 

僅かにムウが体をひねり回避しようとするが、新たに投げられた三本目のナイフがムウの腰に当たった。

 

「勝負あり、だな」

「くあぁ~、負けちまったか」

 

負けてはいるものの、ムウは満面の笑みだ。

 

「今の、ナイフの鍔、ですか?」

 

外野から見ていたキラには、刹那が何をしたのかなんとか見えていた。

 

「ああそうだ。ナイフの鍔でムウのサーベルの柄を叩いたその後はナイフを飛ばしただけだ」

「昔傭兵でもやってたのか?」

「まあそんなところだ」

 

さすがに正確に答えるわけにもいかないので、お茶を濁す。正確には傭兵どころか世界に喧嘩を売ったテロリストなど、言えるはずもない。

 

「流石に今日はちょっときついな。模擬戦はここまでにしとこう。けど、キラの訓練メニューは大体固まったかな」

「ホントですか?」

 

キラは、少しドキドキしながらムウの返事を待った。

 

「ああ。まずは、俺と射撃の訓練だ。これはアークエンジェルの中に射撃訓練場があるからそっちでやる。次に、基礎体力をつけるためにランニング。これもアークエンジェルの中だ。幸い人間が全然いない割に艦が広いからな。思いっきり走れるぞ。で、最後に組手。こっちは俺の射撃訓練と一日交替で、ソランにやってもらうんだ。なんつってもあいつの方が強いからな」

「毎日・・・ですか?」

「いや、週4で休ませるぜ?いきなり運動したこともないやつが急に運動すると体壊すからな。最初は易しめだ」

 

もとがニートなので、少し辛い気もしたが、これもトールたちのためと割り切る。

おそらく、ムウのためにシミュレーターのプログラムを作らなくてはならないことはすっかり忘れているのだろう。

実はムウはそのプログラム完成のために4日の休みを設けたのだが、キラが気付いた様子は無さそうだった。

 

「明日から頑張ります!」

「おうがんばれ!」

 

三人は訓練場を片付け、揃ってシャワーを浴びに行った。

 

ちなみにトールはこの一連の流れを撮影しており、後でキラに渡して復習用にしていたが刹那にばれ、キラの訓練に付き合わされることとなった。

 

 

~シャワールーム~

 

 

「訓練上がりのシャワーは最高だねぇ」

 

ムウが楽しそうに、刹那は無表情に、キラは疲れた顔でシャワーを浴びている。

キラはシャワーから上がったらベッドに倒れこむ腹積もりだったが、ムウに悩みの種を植え付けられる。

 

「じゃ、シミュレーターの件、頼んだぜ?」

「そ、そうだった・・・」

 

実はそのシミュレーターで未来が変わるというのは、誰も知る由のないことである。




あれおかしいな、ガンダムなのに生身でガチファイトしてるぞ(Gガン?いえ、知らない名前ですね)

ムキムキまではいかないが一般兵士倒せるくらいまでは強化されると思われます。
あと、体格が少ししっかりしたらカガリとかフレイにモテそう(どちらも違う理由で)

来週はアルテミス崩壊します。お楽しみに!

5/1追記
刹那のナイフ持ってる手を修正しました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。