ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結>   作:MS-Type-GUNDAM_Frame

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先週、次回は休みといったな、あれは嘘だ。

フラストレーションで書きなぐった作ですが、整合性が取れてるといいな。

サイドの切り替えを、<side_OUT>から
◇◇◇◇◇◇◇
に変更しました。
わかりやすいかと思って。

オリキャラというか、モブに外部作品の輩がいます。

では、四話:イノベイターと量産機
どうぞー


4話:イノベイターと量産機

戦場から少し離れた暗い倉庫の中で、一つ目の巨人が目を爛々と光らせていた。

それは久方ぶりの目覚めであり、目覚めさせたのは異世界からの来訪者だった。

試験用の機体は、バッテリーこそ高性能な新型が積まれているが、あまり充電されておらず、推進用のスラスターガスもあまり多くはない。

それでも、ほぼ同じ条件で戦う敵を散らすには、この男には十分すぎる。

 

 

「…刹那・F・セイエイ、ジン、目標を駆逐する」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

戦場は混沌としていた。

まず戦力の把握から行けば、ZAFT側は連合軍の牽制にジンが二機、新型MSの奪取の補助にジンが一機、加えて、制圧に成功した四機の新型MSが奪われている。

一方連合はと言えば、かろうじて奪われなかった新型が一機のみだが、まだまともに動かせるような調整はされていない。もう一機、試験用の重斬刀のみを装備したジンがある。

正味の戦力比は実に1対3、しかも相手は一騎当千を謳うZAFTの中でも精鋭、クルーゼ隊のメンバーである。

普通に考えれば、命を捨てに行くと言っても過言ではないこの状況。

しかし挑むのは、かつてたった四機のMSで世界を相手取った稀代のテロリスト、ソレスタルビーイングのメンバー、刹那・F・セイエイである。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

突然立ち上がった連合の新型MSに、三機のうち二機が警戒のため向き直り、構えた。

新型は、黄色いデュアルアイを輝かせ、沈黙を保っている。

ナチュラルに何を脅えることがあるのかと、まさに一機が仕掛けようとしたそのとき、ZAFT側が思いも寄らなかった方向からアラートが鳴った。

同時に、拡声器からの声も響いた。

 

「無事か、キラ!」

「ソランさん!」

 

にらみ合いをしていた三機のMSの間に、新しくジンが割り込んできた。

 

「キラ、その機体は動けるのか?」

 

自分が時間を稼ぎ、その間にキラを安全域まで逃がす算段をしていた刹那は、最悪を敢えて想定し、接触回線でそう聞いた。

キラからの答えは、その最悪を証明した。

 

「この機体、制御系がメチャクチャで…動かせません!」

 

コクピットの中でわずかに顔を歪ませながら、刹那は相手を撤退させるため、戦闘思考に頭を切り替え始めた。

 

「仕方がない!」

 

刹那の乗るジンが重斬刀を構え、二機の敵へ向き直る。

しかしその行動が、コーディネーターのパイロットの琴線に触れた。

 

「ナチュラルごときが一丁前に戦えるつもりかよ!」

 

わざわざ拡声器で声を響かせ、こちらも重斬刀を構えて、スラスターを噴かし急速接近してくる。

対する刹那は、重斬刀の切っ先を突進してくる機体から外し、腰を落とした。

その僅かな動作で、反応出来ていないと判断したパイロットは、狂喜に顔を歪ませた。

 

「やはりナチュラルなどは!俺達の敵ではない!」

 

更にスラスター出力を上昇させ、一息にコクピットを潰そうと加速する。

 

勝った!と、確信したパイロットは、突然前後に大きく揺さぶられ、なにがなんだか分からないまま意識を失った。

 

後ろから見ていた黄昏の魔弾ことミゲル・アイマンは、顔を驚愕に引きつらせ、一部始終を反芻していた。

 

(あの機体、膝で重斬刀の柄を蹴り上げて、背中を柄で殴ってゲティを落としやがった!

間違いない、あの機体に乗ってやがるのは俺達の裏切り者だ!)

 

少なくとも、ZAFTでも優秀な部類に入る自分には不可能なMS捌きに、ミゲルの脳は相手をコーディネーターだと判断した。

 

これで戦力差は五分、と判断したミゲルは、先ほどまでナチュラルと甘く考えていた自分を戒め、刹那の乗るジンの隙を窺い始めた。

 

しかしキラを庇える位置まで後退した刹那は、拡声器で告げた。

 

「撤退するのなら追いはしない。そこの仲間を連れていけ」

 

その後ろの新型から、何を!、という声が漏れていたが、ジンが手を挙げて制した。

 

(あの機体には一機では確実には落とせないか…)

 

先ほどの光景で戦場の熱からすっかり頭が冷め切っていたミゲルは、潔く撤退を選択し、もう一機のジンを牽引していった。

通信を受け取ったのか、連合の基地を警戒していたもう一機も撤退し、後には新型とジンが残された。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

先ほどまでの戦闘の残り火が揺らめく中で、鎮座しているMSと寝かされたMSがあった。

鎮座している方のMS、ジンから、降下用ロープでキラと女性士官の様子を見に刹那は降下していた。

新型MSのコクピットへ走り寄った刹那は、声に静止された。

 

「動かないで!」

 

見れば、肩から血を流す件の女性が刹那へ銃を向けていた。

肩で息をしながらも、強い目線で刹那の方をにらみつけている。

 

「あなた、コーディネーターではないと言っていたじゃない!」

 

 

マリューは混乱の最中にいた。

 

(この男は自分たちを助けてくれた・・・。けれど!

その助け方が問題だ!

あんな動きはナチュラルにできるはずがない!)

 

返答は、落ち着いた声だった。

 

 

「俺は、コーディネーターではない。本当だ。」

「でも!」

 

どうしても、軍人としてコーディネーターと戦ってきた経験が、この男の言うことを信じさせてくれない。

 

「信じられないなら、検査をしても構わない。だが、今はそれよりもすることがあるだろう」

「・・・すること?」

「今、ヘリオポリスの宙域にはZAFTの艦がいる。恐らくまた仕掛けてくるだろう。その対策に、そのMSを動けるようにする必要がある」

「できるわけがない!私たちが何年かかって開発してきたと!」

「ああ、俺では無理だ。だが、キラならできる」

「キラってまさかそこの・・・」

「ああ、そうだ。キラのプログラミング能力は俺とは比べ物にならない。実際、カレッジの研究室でロボットのバランサーの研究もしていたようだしな。」

「軍事機密よ!中身を見せるわけには・・・」

「ちがう、よく考えろ。ここで負ければ連合は中立国にMS開発をさせていたという汚名が残るだけだ・・・」

「でも、彼ができるという保証は・・・」

「あの・・・」

 

――ここで、キラが初めて口を開く。

 

「なにかしら」

「多分、できると思います」

「何の確証もなしにそんな・・・」

「ニューラルリンケージ・ネットワークの接続と分子イオンポンプと制御モジュールの結合、その他何か所かですけど、たぶん1時間もあればできます」

 

この子・・・

 

「あなた・・・コーディネーター、なの?」

「・・・はい」

「じゃあ機体に触らせるわけには・・・」

「友達を助けたいんです!」

「ともだち?」

「ゼミのみんなは、僕がコーディネーターって知っても仲良くしてくれました、だから!」

 

キラの一押しで、マリューの判断は傾いた。

 

「緊急事態の特例として処理するわ。ただし、OSの内容に関しては秘匿義務を課させてもらう」

「じゃあ・・・」

「ええ、すぐにでもお願い」

「わかりました!」

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

俺一人では説得できなかっただろうな、と刹那は考えていた。

 

現在、倉庫にて作戦会議と新型MS、通称ストライクの調整を行っている。

 

決定事項としては、他のドックで作られている連合の新型艦、アークエンジェルを目指すということだ。

 

「それでは、よろしく頼むわ。ソラン・イブラヒム」

「ああ、マリュー・ラミアス大尉」

 

開発基地での作戦会議は、来るであろうZAFTのMSの接近を前に作戦を固めつつあり、ストライクのOS開発も当初の予定以上の進捗を見せていた。




なんかGレコ語しゃべってる・・・

今回のゲスト出演は、Gのレコンギスタから、ロックパイ・ゲティさんでした。
本来の搭乗機だと刹那&ジンなら完封できそうな高性能機に乗ってますが、一瞬で気絶しました。
哀れ。

詳しく知りたい人は
ガイトラッシュ
でググりましょう。

来週こそは休むかもしれません。

感想お待ちしております。

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