ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結> 作:MS-Type-GUNDAM_Frame
でもスカイリム実況面白くて見ちゃう。
最後に作者はセミラミスガチャは30回ほど引いて全滅だったことをお知らせします。
「前方に、敵部隊展開!」
「ミサイル。信管を5秒遅延設定で1から10番を発射!残りは敵のロックに合わせてチャフとアンチビーム爆雷の発射用に待機!ビーム兵装は不展開で回避に専念せよ!」
不沈艦、アークエンジェルにはそんな二つ名がある。それはもちろん艦自体の構造上の強度もあるだろうが、指揮や操縦にもその理由の一端はあるだろう。全体の指揮は、驚くほど流動的に全体の指針を決める。末端が、自身の最大限で指示を全うする。
速力も手伝って、アークエンジェルはどの地球軍艦よりも早く、前線を前へ広げ続ける。
「月、及びユーラシアの部隊が地球側から展開しています」
「よし、ヤマト少尉。敵の兵力は大部分が下方のモビルスーツ部隊が引き受けるが、上のメテオブレイカー設置部隊を護衛するまでは兵力が足りない。もちろん理事の施設部隊も出るが・・・」
『つまり、僕と大尉がそれをカバーすればいいんですね?』
「その通りだ。今までの戦果を信じているぞ」
『オイオイ、艦長がデレてるじゃねぇか。やるな、キラ』
「えっ」
「大尉、後で話があります」
『冗談だよ冗談!キラの緊張を解してやろうとさぁ・・・あ、ちょっと男同士の話があるんで切りますねっ・・・と』
プツンと、どこまで本気なのかわからないような発言を残して通信が切られた。一方、パイロット室では。
「なぁ、キラ。頼みがある」
「なんですか、改まって」
「あの新型、ああ分かるだろ?俺のガンバレルを改良したようなのをたくさんつけてる奴だよ。あれを見つけたら俺に戦わせて欲しい」
キラは、意外だなと思った。変わってはいるものの、飄々として誰か一人の人間にここまで執着するような人間とはあまり思っていなかったからだ。
「それは、一人でですか?」
「そういう事」
「分かりました」
「話が分かるねぇ・・・艦長なら理由も聞かずに止めちゃうだろうからなぁ」
これにはキラも同意だった。
「生きて帰ってきてくださいよ?」
「はは、確かにあいつもいなくなっちまったが・・・俺はそう簡単に死なねぇよ。なんつったって俺は――」
「不可能を可能にする男、ですか?」
ムウは驚いたような表情を浮かべた。
「俺、お前にこれ言ったことあったけ?」
「勘です。ソランさんがいなくなってからなんだか勘が良くなったような気がするんですよ」
なるほどね、そう呟いたムウは、見た。一瞬キラの目に不自然な光が走った・・・錯覚か?
「まあ、いいさ。不可能を可能にする男、生きて帰ってくると誓おうじゃないの」
「締まらないなぁ」
徹底して、こちらの力を抜きに来るその姿勢が、キラは好きだった。鬱屈しているだけの待機時間なら、きっと今こうして立ってはいられないだろう。
「じゃあ行きますか」
「そうですね」
お互いが、お互いを見ずに拳をぶつけ合う。これが、最終決戦か。
◇◇◇◇◇◇
戦闘開始から、10分。戦況は思った以上に膠着していた。まずZAFTのザラ側に着いた戦力の士気が、異様に高い。恐らくはナチュラルや地球人類への恨みが強い者なのだろう。
そして、こちら側の実戦経験の薄さ。つい1月ほど前に開発された新しい兵器を、自分の手足のように振り回すことが出来るのはそうはいないだろう。
それでも、圧倒的な数で徐々にユニウスセブンの残骸は包囲されつつあった。
11分目。遂に、戦況が大きく動く。戦線の一か所が、大きく崩れたのだ。キラとムウの二人は、感じ取った。あの男が、出たと。
『キラ!俺は行ってくるぜ』
「全く!この状況でですか!」
『悪いな!今度ヨーグルトソース味のケバブ奢るからよ』
ストライクの蹴りで、ムウの乗るストライク二号機は崩壊した戦線へと送り出された。
『おいおい、あいつやべぇなダイジョブかクロト』
『ビームが当たらねぇよ』
『ウザい』
どうやら、こちら側にも厄介な敵が現れたらしい。
「あれは・・・」
資料では、見たことがある。ジン・ハイマニューバⅡ型。手に持っているカタナのような武器は初めて見るが、噂に聞く日本刀のように実際に斬れ味も良いようだ。今まさに、デブリを一刀で4分割した。
「凄い達人だな」
アスランがやっていたように、神経接続で操縦しているのだろうか。動きが、まるで人間のようだ。体捌きも、スラスターの力を上手く攻撃や回避に廻している。
『こいつ!僕の鎌を足で止めやがった!がっ!?』
シャニが三人組での連携から足を切り飛ばそうと迫るが、まるで見えているかのように足で蹴り止め、反対側の足で味方へ向けて蹴り飛ばした。
「クロトさん!そいつは僕が!」
『悪ぃけど頼む!俺たちの手には負えねぇ!ああクソ!』
三機同時に相手取り、遂にはクロトの乗るレイダーの腕と翼、鎖が、切り飛ばされてしまった。
「あんな斬れ味・・・手甲があるということで行こう」
ユニウスセブンの地表から見た上空へ、レイダー・フォビドゥン・カラミティの三機が離脱する。追いすがろうとするジンを、キラが割って入って止めた。振り下ろされた刀を、PS装甲製の腕で受け止めた。ギリギリと音を響かせながら、火花が散っている。
「行かせない」
『貴様も邪魔をするか』
底冷えのするような声だった。同時に、キラの頭に半ば無理やり映像が流れ込んできた。戸惑いを押しつぶしながら、キラは声を張り上げる。
「それでも!これを地球に落とさせるわけにはいかない!」
『抜かせ!貴様程度に何が判るというのだ!我が最愛の婚約者を!クリスを失っていないお前に何が!』
「こんな事間違ってる!」
『そのような一般論に阿るか!所詮はあのような蛮行を見てなお連合に与する痴れ者か!』
イメージ。イメージが、頭へ濁流のように流れ込んでくる。それも、止まらない。まるで、目の前のパイロットの激情に呼応しているかのように知らない顔の女性や知らない男性の言葉が響く。
「くっ、これが、原因?」
何よりもキラが思ったことは、あまりにも自分と似ていることだった。友人や愛しい人のために戦い、その延長線上として此処で目の前に立ち塞がっているのだ。それは、未来の自分を見ているかのようだった。
「違う、僕はそうはならない!」
『口だけだ!貴様にも親しき友が居るか!ならばいずれ判るだろう!我らの採った行動こそ!唯一正しいものだったと!』
心を揺らされ、防戦一方だった。しかしサトーが叫んだその言葉は、キラの琴線に触れた。
「違う」
『何が違う!故人が復讐を望まぬ等と詭弁を弄するか!』
「違う、絶対に、トールも、カガリも、ムウさんも、ソランさんもみんな!絶対に間違っていると言ってくれる!」
何度も振り下ろされる刀を、腕で受け止めていた。それが、叫びと同時に刀が打ち返された。
「貴方は、復讐のために僕の友達まで貶めるのか!それなら、僕は貴方を許さない!」
中空を蹴った、ように見えた。ストライクは、エールストライカーに加えて足にもスラスターが追加されている。バックパック程には充填できないが、以前刹那が発案した”装甲にスラスターガスを閉じ込める”という方式から、かなりの持久力を持っている。そして、その爆発力は文字通り今までのストライクではない。
『其処か!』
「遅い」
『なっ!?』
後へ、ジンは斬りつけた。目の前ならば消えたも同然だったであろうストライクを、完全に捉えていたのは驚異の一言である。しかし、キラが一歩先を行った。真後ろへと放たれた水平切りを、上体を逸らして躱したかと思うと、再び中空を蹴ってこちらを向いたコクピットへ蹴りを入れた。
当然決定打にはならず、クッションのように背部スラスターを噴出したジンは袈裟斬りに刀を振るう。
「これは・・・」
ビームサーベルで防ごうとした、が、それは叶わなかった。
「ビームサーベルを、切った?」
一瞬、ビークサーベルが半分消えた。まさに、切られている。どう解釈しても、物理的には反対の結果になるはずである。そうならなかったのは、よほどの業物か剣の腕か。恐らくは両方だろう。これは片腕では受け止めてられないと判断したキラは、肩と腕の二点で体に寄せて受け止めた。
宇宙では慣性は消えず、ストライクは衝撃こそ殺したものの力積から弾き飛ばされた。
『やはり口だけか、ならば死ね!』
とどめを刺そうと、刀を居合のように構えるジンが加速する。対するストライクは、片手にビームサーベルを、もう一つの手には何も持たずに構えている。
果たして、居合の威力でコクピットハッチとの隙間を狙った斬撃は、刀が切り落とされたことで停止した。
『今のは!』
「夫婦手刀法二の段」
防ぐために振られたビークサーベルを、カタナはまたもや寸断した。しかし、次の瞬間、真っ向から切り合ったビームサーベルは持ち替えられ、刀は峰の部分から切断されてしまったのだ。
突きは止まったが、二人のパイロットは止まらない。折れた破片を、ストライクが蹴ってメインカメラへ飛ばす。
柄で弾いたジンはそのまま大上段から振り下ろすが、ストライクは受け止める瞬間に刀を躱しながら下へ加速させた。ジンの体勢は少し崩れたが、そのままショルダータックルをかけた。ストライクは両掌で受け止め、スラスターで生成された推力をすべてジンにぶつけた。
再び間が開く。
今度は、ストライクがビームを数発撃った。先ほどのビークサーベルのようにジンは刀を振るい・・・腕が吹き飛んだ。
『太刀筋を読まれた!?』
もちろん射撃技術も特筆すべきレベルだが、今遂に、キラは未来を見た。
「降伏は・・・しませんよね?」
『当然だ!わが命はこのために有る!』
銃口が突き付けられても、サトーは命乞いなどしなかった。先程の神懸った偏差射撃から、避けて反撃等ということは不可能だとお互い分かっている。マイナスの反射速度では先に動くなど不可能だ。
だから、如何に考えたくないような戦法だったとしても咄嗟にキラがその場から離れてしまったのも無理はない。さっきまで打ち合いを繰り返していたその場は、ジン諸共焼き尽くされていたのだ。キラは、このやり口を知っている。
「パトリック・ザラか・・・!」
ユニウスセブンには、地下の発電所が生きている。そこの電力を転用しているのだろう。巨大なプラズマレーザーはフレアモーターが形成する巨大な磁場に曲げられて、あらぬ方向から二人の戦場を焼き尽くした。
何よりも理解し難かったのは、焼き尽くされる直前のサトーの心情が感謝の一言だったことだ。
「ッ、なんで・・・そんな・・・そんな!」
いや、それでも止まることは許されない。今や、キラの体には億を超える人命が実体をもって圧し掛かっているのだから。メテオブレイカーを着陸させるために、ユニウスセブンに設置された迎撃設備をすべて破壊しなくてはならない。
「ああ・・・僕がやるんだ」
光るその目には、何故か暗さを思わせる色があった。
◇◇◇◇◇◇
「クソッ!」
『ふはっ!冷静さを欠いているようだな、ムウ・ラ・フラガ!』
プロヴィデンス・アプスーは、ミラージュコロイド、核動力、ドラグーンシステムという悪夢のような組み合わせを、非常に効率的に運用していた。
ミラージュコロイドで覆われた物質はレーダーに反応しない。ドラグーンシステムはダミーであり攻撃手段だ。核動力はバッテリー機には賄えないこのエネルギー消費を易々と実現し続ける。
熱源センサも、プロビデンス・アプスー本体が慣性移動しか行っていないため役に立たない。それでも落とされていないのは、クルーゼが嗜虐心から手を抜いているのもあったが、ムウの実力の一端でもあるのだろう。
周囲に出ては消え、消えたところから、或いは消えていないドラグーンからフェイントで放たれるビームを、驚異的な集中力で躱し、此処と思えるタイミングで反撃を続けていた。
『忘れているかもしれないが・・・』
「・・・」
オープン回線で響く声に、ムウは無視を決め込んだ。どうせ動揺を誘っているに決まっている。
『私とお前は、戦場を前に一度出会っているのだよ』
そんな記憶は、無い。そう声を振り払って背後に現れるであろうドラグーンにガンバレルを向ける。偶然、同じ場所に強く意思が重なり、二人の脳が共振を起こした。
「お前、まさか」
『そうだ!あの忌々しい男、アル・ダ・フラガの家に火を放って殺したのはこの私!
キラ・ヒビキという完成品を作る資金などのために作られた、貴様の父親のクローンがな!』
こいつが、オヤジのクローンで、オヤジを殺した?オヤジは、オヤジのクローンを作って・・・
頭を振って、妄念を振り払おうとするが、共振した二人の脳は分り合ってしまっていた。お互いの記憶が混濁する。
『思えば酷い男だろう!息子の貴様に勝手に絶望し、失敗作と分かれば私をも捨てた!』
「クソ野郎とは思ってたが、そこまでとはな」
発射されたビームは、かろうじてPS装甲に切り替えが遅れたドラグーンを一機砕いた。
『故に、私だけが人類への正当な復讐権を持っている!人の業が私を産んだ!そしてその私が人類を滅ぼすのだ!』
そこまでだった。反射的にコクピットへの直撃こそ防いだものの、不規則に断続的に周囲から照射されるビームをすべて防ぐには、シールドは小さすぎた。頭が吹き飛び、スラスターは壊れ、足は爆発した。
『安心しろ、殺しはしない・・・そこで人類が死に絶えるのを見ているがいい・・・』
意図的に、殺しきらないよう手加減していたらしい。朦朧とする意識の中で、ムウはぼんやりとそんなことを考えた。
「あぁ、生き残る約束は守れた、か・・な・・・・」
『相手がいればな』
接触回線で、意識が途切れる直前の声を聞いたクルーゼはそう独り言ちた。おそらく、キラ・ヤマトを目の前にした自分は決してその存在を許さないだろう。
◇◇◇◇◇◇
ストライクは、ユニウスセブンの地表を跳ね回っていた。照射されるビームを躱し、落ちてくるミサイルを曲げて砲台へぶつけ潰す。50%ほどが消えただろうか。地を蹴るたびに舞い上がる氷の破片や腕、胴体、頭・・・
研ぎ澄まされた感覚が、周りに浮かぶすべての情報を正確に脳の処理中枢へ送り続けていた。
「うっ・・・」
口から吐き出された水は、パイロットスーツが吸収した。対空砲火が凌げる程度になった場所には、順次メテオブレイカーが設置され、爆薬が地面に埋め込まれていく。タイマー式にセットされた爆薬は、円形のユニウスセブンの残骸をバームクーヘンのような形へ割り砕いて行く。
周囲の艦隊が、剥離していく外壁を焼き砕く。
ZAFTの離反したモビルスーツ部隊は、時には身を盾にして砲撃を防ぎ、時には身を鉾にして戦艦に特攻した。
断末魔の絶叫が、敵味方問わずキラの脳にダイレクトに響き続ける。
遂に、キラの脳は外部からの声をシャットアウトした。キラの瞳孔が開き、まるで黒く光を失ったように見える。意識の全てが、自身の中に埋没した。
ストライクの反射速度が上がる。遂に、殆どの砲台は地表から消えた。
そうして、キラは地表にハッチを見つけた。此処に、パトリック・ザラが居るのか?
ハッチに穴をあけたキラは、地下へと降下していく。
何の装飾もない壁面は、首謀者の目的への盲目な邁進を暗示しているかのようだった。
エアロックを、ハッキングでこじ開ける。モニターの並ぶ狭い指令室に、その男は居た。
「貴方が、パトリック・ザラ・・・?」
「如何にも」
同時に、拳銃を構えた。キラには、目の前の人物の拳銃の構えがそれなりに洗練されていることに気づいた。
加えて、あまり広くはない管制室。他に人間もいない。微かに揺れているが、直に此処も崩壊するだろう。
「どうして、こんな事を?」
「言ったところで理解できるのか?実の息子ですら、私を理解するには至らなかったというのに」
暗い情念が、キラの身をチロチロと舐めるように焼いていた。キラが、親友を殺す羽目になったのはこの男のせいだ。そう思うと、拳銃を握る手が震えた。椅子に座ったままのこの男は、打ち合いになれば間違いなく先に死ぬだろう。
「僕は、カガリと二人で暮らせる世界を守るんだ」
「それは、私とてそうだ。私もレノアと二人で生きることが出来るなら、他に何も要らなかった」
お互いに、それが誰なのかは聞くまでもなかった。
「私は、レノアに似たアスランが、レノアが居なくなると同時に疎ましかった・・・レノアは最早この世にいないというのに、何故息子だけが、と」
「そんな勝手で、アスランをあんな目に?」
笑った。
「愛そうと思ったさ。我が妻の忘れ形見を。だが、できなかった。よく見れば見るほど、あれは私の期待に応えようと、私にレノアを失った悲しみを忘れさせようとしてきた・・・」
「何が悪いんですか」
アスランのことは、良く知っていたつもりだった。だから、アスランがそのような行動に出た理由は理解できたし、それの何が悪いのかと只々疑問だった。
「私に、レノアの事を忘れろと?それは、私にとって最悪の裏切りだ!」
「なんで話し合わなかったんだ!」
「言った!そしてあいつは言った!忘れることが悪いことではないと!私は決して私の息子を許さぬと決めた!」
狂っている。キラは、奇しくもアスランと同じ感想を抱いた。だから、それが言葉に出され心底驚いた。
「人は、忘れなくては生きていけない・・・だから、俺はそう言ったんです。それを捨てて、生きているのに死んだ妻を追いかけているんだ。父さん、だから貴方は狂っている」
「アスラン・・・?生きて・・・」
ああ、と短く、拳銃をパトリック・ザラ向けたアスランは返答した。
「俺は、父さんに立ち直って欲しかった。こんな、誰かに責任を擦り付けて現実から逃げるような立ち直りじゃなく、もっと真っ当に・・・でも、拒絶されて俺は、折れてしまった」
「私は・・・」
「俺は、責任を取ります。あなたと向かい合わなかった責任を」
リボルバー式拳銃の、撃鉄が引かれた。
「私を、殺すのか?」
「いいえ。父さん、俺は」
発射音に、キラは思わず視線を外し、アスランを見た。次に、パトリック・ザラを見る。
「貴方を、地球連合へ引き渡します。そのために、俺はここへ来たんだ」
パトリック・ザラの首には、麻酔弾の針が突き刺さっていた。
「アスラン・・・」
「お前が何でここにいるのかも聞きたいが・・・話は後だ。此処を脱出しよう」
手早くパトリック・ザラを担ぎ上げたアスランは、出口へキラを促す。
「此処はもう砕ける。その前に、父をここから連れ出す事が、俺がここに来る条件だったんだ」
「じゃあ、君は連合に」
エアロックに施したハッキングをアスランが手早く解除し、アスランは武装の無い連合の量産機に乗り込んだ。
『ああ。お前に目を覚まされた後、回収された。それで、あの理事が提案を持ちかけて来たんだ』
「それで、良かったの?」
画面越しではあったが、本当に久しぶりにアスランの笑顔を見た。
『後悔は、もうし飽きたよ』
急ぎ、縦穴を上へ上へと昇る。出口から飛び出ようとしたアスランの乗る量産機を、キラがいきなり引き留めた。
『これは!』
いきなり、何も無い空間からビームが放たれた。
「先に行って」
先程から、ユニウスセブンの揺れが止まっている。何か、作戦の進行に関わるような事態があったに違いない。
恐らくは、目の前に姿を現した深い青に染まったモビルスーツにも原因の一端があるのだろう。
「約束、守れなかったんですか。ムウさん」
打ち抜かれそうになった量産機を、キラがシールドで守る。尚も迷うアスランに、キラはもう一度短く告げた。
「行って、アスラン」
アスランとの再会によってもう一度開かれたキラの脳は、自身に向けられたあまりに深い憎悪を感じていた。オープン回線で、声が響く。
『君の存在は許されない。キラ・ヤマト・・・』
空の境界コラボやりたい・・・(半年前に小説全部読んだ)
あ”あ”あ”あ”あ”あ”アサシン式欲しいんじゃぁ!
と、思ったら執筆中に復刻決定・・・だと・・・?
ありがとうございます!幾らでも払いますありがとうございます!(一体俺からいくら絞るつもりなんだ!Type-moon!)
小ネタ
「ねぇギル」
「どうしたんだい、レイ」
「さっきミーアが、『ラウギル?いや、ギルラウでも』って言ってたけど何のこと?」
「ミーア・キャンベルゥ!」