ばくおん!!!   作:naogran

12 / 14
夏のある日の部室。羽音がこんな話をした。

千雨「羽音先輩・・・今何と?」

羽音「え?私転けた事ないよ~って言ったんだけど。」

何と羽音は転けた事は一度も無かったのだった。

千雨「う、嘘・・・」

恩紗「そう言えば羽音が転けてる所って見た事ないな。」

羽音「恩紗ちゃんはあるの?」

恩紗「そりゃあるさ。バイク乗りってのは転けて初めて一人前になる生き物だからな。」






翌朝。羽音の家。

由女「ん?何あれ?」

羽音「良いでしょ?こうして前と後ろを止めておくと風が吹いてもカバーが捲れないんだよ~。」

洗濯バサミでカバーを止めてあった。由女にヘルメットを持たせて後ろの洗濯バサミを外す。次は前の洗濯バサミを外そうとするが。

羽音「あれ?」

引っ掛かって外れない。するとスタンドが上がって、スーフォアが倒れてしまった。

羽音「うわああ!?」


12話「もしものせかい!!」最終回

放課後。羽音と貴明と亜希菜がニコイチモーターズに訪れた。

 

恩紗「そうかそうか〜。羽音もバイクを転かしたか。これで晴れて一人前だな。」

 

羽音「どうかな?私のオートバイ・・・」

 

恩紗「う〜ん、タンクに少し傷が付いてるけど、安心しな。このくらいなら私らで治せるよ。」

 

羽音「本当!?」

 

恩紗「ああ!バイク店の中に入れなよ。早速直そう!」

 

羽音「うん!」

 

 

 

 

 

 

店内に入れて、タンクを外す。

 

恩紗「せーの!」

 

羽音と2人で持つ。

 

恩紗「ガソリン抜いてから外せば良かった~!」

 

羽音「そんな事言っても、もう遅いよ!」

 

恩紗「羽音そのタイヤの上に乗せるんだ!」

 

羽音「うん!よいしょ!」

 

タイヤの上にタンクを乗せようとしたが、コロコロ転がってベコベコになってしまった。

 

亜希菜「羽音ちゃんのタンクが凹んでしまった!」

 

貴明「泣きっ面に蜂だなこりゃ。」

 

 

 

 

そこで恩紗の父に相談する。

 

恩紗の父「え?CBってあのピンクの400か?」

 

恩紗「そうそう。勢い余ってタンクボコボコにしちゃってさ〜。お店の損害保険で何とかならないかな~って・・・」

 

恩紗の父「どうせオールペンするんだ。中古のタンクで構わんだろう。」

 

恩紗「そりゃそうだけど・・・無傷のタンクなんてそうそう出ないでしょ?」

 

恩紗の父「それがな。あるんだよ。部品取りに仕入れた教習車から外したタンクがな。」

 

 

 

 

 

 

その頃羽音達は。

 

羽音「ん?」

 

貴明「どうした羽音?」

 

そこで羽音が何かを発見した。それは教習用スーフォアのタンクだった。

 

亜希菜「あれ?このスーフォアのタンクって。」

 

貴明「教習用のスーフォアのタンクじゃねえか。何でここにあるんだ?」

 

羽音「バイ太!どうしたの?タンクだけになっちゃって!」

 

貴明「え?羽音?」

 

突然羽音がタンクに話掛けた。

 

貴明「いやそもそもバイ太なのか此奴?」

 

するとタンクが動いた。

 

貴明「動いた!?」

 

羽音「やっぱりバイ太だ~!何~?恥ずかしいの?そっぽ向いて知らないふりしちゃって~。」

 

バイ太『あ~もう分かった!分かったわよ!』

 

亜希菜「喋ったわ!」

 

貴明「本当にバイ太なのか!?」

 

バイ太『もう・・・こんな姿見られたくなかったのに・・・』

 

亜希菜「もし私がタンクの姿なら見られても大丈夫だけど?」

 

貴明「姉ちゃんそれどう言う事だ?」

 

バイ太『久し振りね。貴ちゃん、亜希ちゃん。』

 

貴明「そうだなバイ太。久し振りだな。去年の教習以来だな。」

 

亜希菜「会えて嬉しいよバイ太ちゃん。」

 

羽音「どうしてこんな所に居るの?」

 

貴明「お前教習所に居たんじゃなかったのか?」

 

バイ太『教習所退役した後、人に買われてしばらく道を走ってたんだけど後ろからぶつけられて廃車よ。ガードが付いてたからタンクは無傷だったって訳。』

 

羽音「へぇ〜、そりゃあ大変だったね。それにしてもタンクだけになっても話せるんだね。」

 

バイ太『魂なんて何にでも宿るものよ。去勢されたエンジンが無いとオカマのアイデンティティ保てないけど。』

 

亜希菜「そうなんだ〜。」

 

貴明「お前オカマ気に入ってるのか?」

 

羽音「でもまた会えて嬉しいよバイ太。」

 

 

 

 

その光景を恩紗が隠れながら覗いてた。

 

羽音「この姿のままじゃ、エナジーが保てない?そりゃ大変だ〜!」

 

恩紗(やばいもん見た!)

 

恩紗の父「あの子もお前と同じか。ほら。お前もよくバイクに話し掛けてるだろ?」

 

恩紗「ち!違うよ!私のは他人に見せるための演技!その方が格好良く思われるだろ!誰も見てない所じゃやらないよ・・・」

 

恩紗の父「格好悪いなお前。」

 

 

 

 

その頃羽音達はバイ太と会話中だった。

 

バイ太『羽音ちゃん貴ちゃん亜希ちゃん。一つだけ心に留めておいて。』

 

羽音「何?」

 

貴明「何だ?」

 

亜希菜「何何?」

 

バイ太『バイクはね?人間の都合の良いように考えてるなんて大間違いよ。バイクは走りたがってなんていないのよ。倒れて横になって寝ていたいの。でも人間が支えるから仕方無く立ってるの。人間が拍車をかけるから仕方なく走ってるの。だから決してバイクに対して「お前はもっと走りたいんだね」なんて話し掛けないで。もうあんな恥ずかしい台詞ありゃしない!だから言わないでよ!絶対言わないでよ!私・・・バイクにしちゃ喋り過ぎね。』

 

貴明(普通バイクは喋らないけどな。)

 

羽音「バイ太。バイ太はもっと走りたいんだね。」

 

亜希菜「バイ太ちゃん素直じゃないんだから。」

 

 

 

 

そしてその後。

 

恩紗「よーし!出来た!」

 

羽音「わあ!」

 

恩紗「塗装は勿論パールピンク!」

 

凜「へ~。綺麗に塗れてるじゃない。」

 

千雨「シールも貼ったんですね。」

 

来夢は「バッチグー!」と書いてた。

 

聖「これで元通りですわね!」

 

貴明「やっと復帰したな。」

 

亜希菜「そうだね!」

 

羽音(ピッタリな色になったね。バイ太。)

 

恩紗「よし!羽音!早速走らせに行こうぜ!」

 

羽音「うん!」

 

スタンドを上げて押す。すると落ちてた紙がタイヤに絡んでしまった。

 

羽音「うわ!?おっとと!?」

 

 

 

 

 

 

しかし全員がスーフォアを救った。

 

 

 

 

 

 

羽音「皆!」

 

恩紗「修理したばっかのタンク傷物にされてたまるか!」

 

羽音「良かった・・・もう転かさないからね!バイ太!」

 

恩紗「バカ!手を離すんじゃな~い!」

 

貴明「おい所有者!」

 

 

 

 

 

 

今回のアイキャッチ「羽音・凜&RX12・J-O」。

 

 

 

 

 

 

ある日の放課後。羽音達はバイクで街中を走ってた。途中の赤信号に停まると羽音がある物を見付けた。

 

羽音「あ!見て!スーパーカブの大集合!」

 

千雨「夕刊の配達に郵便屋ですね。」

 

恩紗「スーパーカブだぁ?よく見ろ。前の2台はヤマハメイトだ。」

 

凜「その後ろはスズキ4ストバーディーで、更にその後ろは今は亡きスズキ2ストバーディー。最後はバーディーの先代機種だったスズキスーパーフリーよ。」

 

羽音「全然分からないよ・・・」

 

貴明「まあスーパーカブとバーディーとスーパーフリーは見分けが難しいからな。普通の人は全部スーパーカブしか思い浮かばないだろうな。」

 

青信号になり再び走り出す。

 

聖「あれだけ居てホンダスーパーカブが入ってないのは珍しいですね。」

 

亜希菜「え!?あの中に入ってなかったの!?」

 

恩紗「まぁ悔しいけど、スーパーカブがビジネスバイクのデザインに影響を与えたのは確かだよ。」

 

凜「スズキバーディーはオリジナルデザインですけど!」

 

千雨「スーパーカブと言えば有名な誕生秘話がありますよね。」

 

羽音「へぇ〜どんな?」

 

恩紗「ホンダの創始者・本田宗一郎と専務の藤沢武夫のアレだろ?」

 

貴明「藤沢武夫って、本田宗一郎と共に本田技研工業(ホンダ)を世界的な大企業に育て上げた。本田宗一郎の名参謀と言われた人物か。」

 

恩紗「見ろよ専務!スーパーカブの試作品が完成したぜ!素晴らしいだろ・・・お前さんの希望通りの製品だ!一体これがいくつ売れるかね・・・」

 

凜「ああ!おやっさんこれは良いね!これなら間違いなく売れる!3万台はいける!」

 

恩紗「年に3万台?いやもうちょっと売れても・・・」

 

聖「おいおい何か勘違いしてるんじゃないか?私が3万台と言ったのは。」

 

千雨「「月に」だよ。」

 

早川「女子高生が本田宗一郎のものまねをする日が来ようとは・・・長生きはするものですなぁ。」

 

貴明(早川さんが感動してるな・・・)

 

恩紗「しっかしなぁ・・・本当バイクが無かったら世界は回らないよな。」

 

聖「バイクもポケベルみたいに無くなっちゃう時代が来るのでしょうか?」

 

貴明「ポケベル懐かしい。」

 

恩紗「大丈夫。人類はそこまで賢くはならない。つまりバイクもずっと残るって事さ。」

 

千雨「願わくば、恩紗先輩のお店でバイクがもっと売れてくれればですよね?」

 

凜「それにしても、羽音はバイクの事知らないのね。」

 

羽音「オートバイに乗れればそれで十分だよ~!」

 

亜希菜「そうそう!乗れればそれで良い!」

 

 

 

 

 

 

TATSUYAに到着した一行。

 

羽音「女性向けの新しいのが出てる~!」

 

聖「先程から何をお読みになってますの?」

 

 

 

 

凜が読んでるのはKATANA特集だった。

 

千雨「確かにカタナの特集なら読まずにいられませんよね。」

 

恩紗「何処の雑誌でも定期的に組むよな。カタナの特集って。で、その度に・・・」

 

凜「パパのヨシムラ1135Rは10ページの特集なのに何で私のカタナ400の紹介は5行だけなのよ!それに!400はしばしば大型カタナの偽物と言われるが、って枕詞はいらないでしょ!」

 

恩紗「カタナ250も7行しか書いてないから良いじゃん。で、買うのか~?」

 

凜「・・・買う。」

 

 

 

 

そして亜希菜はNinjaの本を読んでた。

 

亜希菜「くふふ。やっぱりNinjaは良いね〜。貴明は何読んでるの?」

 

貴明「最近出たバイク図鑑だよ。」

 

亜希菜「やっぱりどれも乗りたくて堪らない?」

 

貴明「そうなるな。なあ姉ちゃん。」

 

亜希菜「ん?」

 

貴明「俺来年で18歳になるから、今度は大型二輪に挑戦したいって思ってるんだ。」

 

亜希菜「うん!良いじゃない!期待してるわ!大型二輪取れたら何に乗りたいの?」

 

貴明「う〜ん・・・CRF1000L Africa Twinかな。」

 

 

 

 

羽音「私もこれ買ってくるね〜!」

 

恩紗「おう。」

 

亜希菜「これ買おうかな。貴明は決まった?」

 

貴明「ああ。」

 

羽音「あれあれ?どっかで見た顔だ。」

 

そこでまた神様と出会ってしまった。

 

貴明「神様?」

 

亜希菜「あ!また会いましたね。」

 

神様「ああ。君達か。」

 

羽音「あ!それバイブ!表紙に女の人の写真があるから女性向けのオートバイ雑誌かな~って。でも開いてみてびっくり!ほら!雑誌の真ん中のピンナップ!どう言う訳だか裸の女の人が跨ってるの~。」

 

貴明「それただのアダルト雑誌じゃん。」

 

羽音「こんなの載ってたの知ってました?」

 

神様「君。ここはレジ・・・」

 

羽音「ほら!ここなんかおけけが!おけけが!」

 

すると神様が羽音にビンタした。

 

店員「お支払いは?」

 

神様「デビットカードで。」

 

貴明(デビットカードってマジかよ・・・)

 

すると羽音が正気を取り戻した。

 

羽音「あ。何の本買ったんでしたっけ?」

 

神様「西洋経済。」

 

亜希菜「あれ?そうでしたっけ?」

 

貴明(明らかに嘘だな。)

 

神様「所で佐倉羽音、遊佐貴明、遊佐亜希菜。君はもしこの世界からバイクが無くなったらどうする?」

 

 

 

 

 

 

夕方。羽音と貴明と亜希菜の3人が先に帰る。

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

羽音「あれ・・・私何時寝たんだっけ・・・うわ~!遅刻しちゃう!」

 

時計を見ると、8時5分になってた。

 

羽音「あれ!?無い!無いよ!?」

 

由女「どうしたのお姉ちゃん?」

 

羽音「ヘルメットが無いの・・・何時もここに置いてあるのに・・・」

 

由女「ヘルメットなら汚れてたから綺麗にしておいたよ。」

 

バイクのではなくロードバイクのヘルメットだった。

 

羽音「もう~!それは自転車用のヘルメットじゃない。そうじゃなくてもっと頑丈でシールドが付いてて・・・」

 

由女「じゃあこれ?」

 

今度は甲冑だった。

 

羽音「全然違~う!」

 

 

 

 

仕方無く徒歩で学校へ向かう。

 

羽音「それにしても今日は、自転車が多いよ・・・」

 

貴明「羽音ー!」

 

亜希菜「羽音ちゃ〜ん!」

 

羽音「あ!貴明君!亜希菜先輩!」

 

そこに貴明と亜希菜が走って来た。

 

貴明「あれ?お前バイク無いのか?」

 

羽音「何処にも無かったの・・・」

 

亜希菜「奇遇ね。実は私達のバイクが家に無かったの。」

 

羽音「そうなの?」

 

貴明「それに気になってたんだが・・・車道にバイクが1台も走ってないんだ。」

 

亜希菜「走ってるのはロードバイクだけどオートバイが無いね。」

 

羽音「何でだろう・・・?」

 

 

 

 

恩紗「お、羽音、貴明、亜希菜。今日はバイクじゃないのか?」

 

そこにロードバイクに乗った恩紗が3人を見付けた。

 

 

 

 

羽音「どうもこうも無いよ・・・ヘルメットが見当たらなくて・・・」

 

貴明「っつか恩紗こそどうしたんだ?自転車なんかに乗って。」

 

恩紗「え?何言ってんだ。私は毎日・・・」

 

凜「あんた達何してんの。遅刻するわよ。」

 

そこに凜が来た。彼女もロードバイクに乗ってた。

 

羽音「凛ちゃんまで!?可笑しいよ何で皆自転車通学してんの?」

 

凜「何言ってんのよ羽音。あんたもずっと自転車通学してるじゃない。」

 

羽音「違うよ!私はずっとオートバイで学校行ってたもん!」

 

凜「オートバイ・・・?」

 

恩紗「何だそりゃ?」

 

羽音「え〜!?だってさっき恩紗ちゃんもバイクって。」

 

恩紗「ああ。バイクって言や自転車の事じゃないか。」

 

羽音「え〜!?オートバイだよ!ほら。私が昨日本買ってたでしょ・・・これ!」

 

取り出したのは自転車の特集だった。

 

羽音(レディス・・・サイクル・・・分かっちゃった・・・理由は分からないけど私オートバイの無い世界に迷い込んじゃったんだ・・・)

 

貴明(まさか・・・)

 

取り出したのは自転車の特集だった。

 

貴明(やっぱりか!)

 

亜希菜(私も同じだわ!)

 

貴明(この世界、オートバイが存在しない世界なのか?)

 

恩紗「それにしても古いよな~。凛のバイクは。まだそんなのに乗ってるのか。親のお下がりだっけ?」

 

凜「モジャあんた分かってないわね!見なさいよ!この美しい曲線を描くセミドロップハンドル!唯一無二の星型ホイール!長い自転車の歴史の中でも最高に格好良い自転車!それがスズキ・スカイヤングよ!」

 

羽音(凜ちゃん変わってない!あのホイール、凜ちゃんのカタナ400と同じ形だ!)

 

貴明(世界が変わっても性格は変わらないのか。)

 

羽音「ねぇ!他の人はどうなってるの?」

 

亜希菜「私も気になる〜!」

 

恩紗「他って?」

 

羽音「聖ちゃんとか?」

 

恩紗「あ〜。聖なら。」

 

するとヘリコプターのプロペラの音が聞こえた。

 

恩紗「ほら。丁度来たぞ。」

 

上を見るとヘリコプターが飛んでた。

 

聖「皆さん!おはようございますわ~!」

 

亜希菜「やっぱり変わらないね〜聖ちゃんは。」

 

羽「聖ちゃんは自転車乗らないんだ・・・」

 

恩紗「ああ。組むのと磨くのだけ。」

 

貴明(乗らないとダメじゃん。)

 

羽音「じゃあ千雨ちゃんはどうしてるの?」

 

恩紗「決まってんだろ。彼奴は朝早くからトレーニングだ。」

 

凜「何たってあの競輪の中野選手の娘だからね~。」

 

羽音「あ~。そっちの中野選手になっちゃうんだ。(何だか楽しくなってきちゃった)じゃあさじゃあさ。来夢先輩は何に乗ってるの?」

 

恩紗「来夢?知ってるか凜?」

 

凜「そんな人聞いた事無いわ」

 

羽音(そっか・・・オートバイのない世界に来夢先輩は居ないんだ。)

 

貴明(来夢先輩は除け者にされたのか?)

 

 

 

 

その後千雨と合流して学校へ向かう。

 

羽音「ごめんね皆。歩きに付き合わせちゃって。」

 

千雨「いえ。たまには良いですよ。自転車ばかりですと歩くのが下手になってしまいますので。」

 

羽音「(そっか・・・前は皆からオートバイの事知らないって言われてたけどこの世界なら全然逆。私達だけが知ってるんだ・・・皆がオートバイの忘れちゃってるなら私が教えてあげれば良いんじゃない!)ねぇ皆聞いて聞いて。超凄いアイデア思い付いちゃったんだ!」

 

恩紗「ん?」

 

凜「何よ。」

 

羽音「あのねあのね?自転車に車のエンジン積んじゃうのってどう?そしたら自動で進んで坂道でも楽ちんだよ。名付けてオートバイ!グッドアイデアでしょ~?」

 

亜希菜「それ良いアイデアだね!私も賛成!」

 

貴明「(成る程。オートバイを教えたら皆正気に戻れると言う作戦に出たか。)良いなそれ。俺乗ってみたいな。」

 

 

 

 

 

 

凜「何それ・・・可笑しい。」

 

恩紗「変な奴だとは思っていたがここまでとはな。」

 

千雨「羽音先輩の通常運転ですね。」

 

 

 

 

 

 

羽音「へ?」

 

貴明(作戦失敗?)

 

凜「自転車はね。スポーツなのよ。そもそも楽に移動したければ自動車で良いじゃない。スズキの軽で!」

 

貴明(自動車でもSUZUKI推しか。)

 

恩紗「それにな羽音、エンジンってすっごく重いんだぞ。100kgとかあるんだ。そんなの積むなら4輪の方が合理的だろ。」

 

合理的の矢印が羽音に刺さった。

 

恩紗「車は今必死で衝突安全性とか歩行者保護とかやってるのに、羽音の言うそのオートバイとやらにはシートベルトもないんだろ?危険じゃん。」

 

危険の矢印がまた羽音に刺さった。

 

恩紗「大体オートバイってネーミングが変だよな。最後の「ク」は何処行ったんだよ。」

 

最後の『ク』の矢印がまたまた羽音に刺さった。

 

亜希菜「羽音ちゃん大丈夫!?」

 

凜「羽音らしいと言えば羽音らしいわよね。」

 

羽音「え〜?え〜・・・じゃあ千雨ちゃんはどう思う!?」

 

千雨「そのオートバイと言う乗り物は正直無理でしょう。やっとこさ自転車レーンが整備されて交通事故が減ったんですよ。自転車でもない、自動車でもない、第3の乗り物なんて今更許可されないですよ。」

 

羽音「そんな・・・」

 

千雨「ただ・・・これはもしもの世界の話ですけどホンダの創業者・本田宗一郎が大衆の簡易な乗り物として大八車にエンジンを積むのでは無く、自転車に積んでいたのなら歴史は変わってホンダは今のミニバン屋ではなく羽音先輩の言うオートバイ屋になってたかもしれません。」

 

貴明(本田さん何でそうしなかったんだ〜?)

 

羽音「なってるんだよ~!本当はオートバイメーカーなんだよ~!」

 

千雨「初代オデッセイと言えば有名な誕生秘話がありますよ。」

 

亜希菜「オデッセイねぇ。」

 

恩紗「ああ。本田宗一郎と専務の藤沢武夫のアレだろ?任せろ。」

 

羽音「月・・・3万台・・・でしょ?」

 

恩紗・凜・千雨「!?」

 

凜「羽音が知ってるなんて思わなかったわ。」

 

聖「皆さ~ん!ごきげんよう~!」

 

また聖がヘリコプターから挨拶した。

 

貴明「降りて来いよ・・・」

 

羽音「知ってるよ・・・皆乗ってたんだよ・・・オートバイに・・・私知ってるんだよ!」

 

恩紗「なぁ、賢くなれ羽音。自転車ってのは優れた人間しか乗れないんだからな。」

 

すると羽音は恩紗と最初に出会った日を思い出した。

 

恩紗『バイクは馬鹿にしか乗れん!』

 

すると1台のロードバイクが通り過ぎた。

 

恩紗「あれは100万のロード!」

 

千雨「どうします?」

 

凜「追い掛けるに決まってるでしょ!」

 

恩紗「よっしゃ!この10万のバイクで抜いてやる!」

 

凜「行けー!スカイヤング!」

 

3人がヘルメットを被って100万のロードを追い掛ける。

 

羽音(そっか・・・皆賢くなっちゃったんだ・・・便利で快適に移動するには車があって、自力で走るなら自転車がある・・・人と車と自転車がそれぞれ通る道は決められてて、事故も減って、世の中凄く上手く回ってるみたい・・・でも・・・でも・・・オートバイのない世界は少しだけ寂しい・・・)

 

すると羽音が泣いた。

 

亜希菜「羽音ちゃん・・・」

 

羽音「かたっ。サイドスタンドよし・・・カチッ・・・クラッチを切って、ギアを一速して・・・右ウィンカーオン・・・右を確認・・・佐倉羽音、行きます。ぶおーん・・・ぶおーん!しゅいーん!」

 

口バイクしながら羽音が走り出した。

 

亜希菜「待って羽音ちゃん!」

 

貴明「羽音・・・」

 

2人は羽音を追い掛ける。その3人を影から見守ってる人物が姿を現した。来夢先輩だった。

 

 

 

 

 

 

そして朝。羽音がベッドから起きた。するとエンジンの音が聞こえた。

 

羽音「あ!」

 

急いで外に出ようとすると、玄関にヘルメットが無かった。それでも外に出ると、皆オートバイに乗って待っていた。

 

羽音「皆!」

 

恩紗「遅いぞ羽音。」

 

凜「今日ツーリングだって事忘れてないでしょうね?」

 

聖「あら!まだパジャマなのですね。」

 

亜希菜「おっはよー!羽音ちゃん!」

 

貴明「早く行こうぜ。」

 

羽音「はっ!」

 

カバーを外すと自分の愛車のスーフォアがあった。

 

バイ太『おはよう。羽音ちゃん。』

 

するとバイ太が喋った。

 

羽音「バイ太!ごめん・・・何か変な夢見てたら寝過ごしちゃった・・・」

 

千雨「全く・・・どんな良い夢見てたんですか?」

 

羽音「それがね・・・」

 

由女「お姉ちゃん。ヘルメット磨いておいたよ。」

 

そこに由女がヘルメットを持って来た。

 

羽音「ありがと由女!」

 

 

 

 

そして羽音達はツーリングに出掛ける。

 

 

 

 

猿山先生はエイプに乗って車道を走ってた。赤信号で停まった。そこに凜のパパが横切った。

 

 

 

 

ヤマ坊とハー坊はバイクにドリルをくっ付けてた。

 

 

 

 

 

 

その頃神様はイントルーダーに跨って、バイブを読んでた。すると丘の上を見ると羽音達が到着した。

 

神様「バイクが今の人々に乗られるようになってたった100年。まだもうちょっとだけ彼らの手に委ねておこうか。」

 

エンジンを掛けてその場を走り去った。それと同時に羽音達が丘の上から景色を見た。

 

羽音「あれ?今日って何処行くんだっけ?」

 

貴明「忘れたのかよ。」

 

亜希菜「羽音ちゃんらしいね〜。」

 

彼女達のバイクライフはまだまだ続くのだった。

 

「THE END」




         キャスト

      佐倉羽音:上田麗奈

      遊佐貴明:内田雄馬

     遊佐亜希菜:内田真礼

      鈴乃木凜:東山奈央
      天野恩紗:内山夕実
      三ノ輪聖:山口立花子

      佐倉由女:田所あずさ
        早川:石塚運昇
      恩紗の父:岩田光央
       バイ太:井上喜久子
        神様:小山力也
        店員:河村梨恵
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。