機動戦士ガンダム0079 Universal Stories 泥に沈む薬莢   作:Aurelia7000

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第七章

 二〇世紀の気象学者、ウェゲナーが提唱した学説に始まる大陸移動説は、かつての地球に陸続きのひとつの大陸が存在していたことを示唆している。〈すべての大地〉を意味するパンゲアと名付けられたその大陸は、その後分裂と再結合を繰り返し、宇宙世紀〇〇七九現在も、ウェゲナーがその発見を得た時と概ね同じ形状を保っていた。人類が夢物語であった宇宙移民を現実のものとする間も、地球はその壮大なダイナミクスのごく一部しか顕然にしていない。

 ボルネオ島はスンダプレートと呼ばれる小さなプレートの、海面から突き出た一部が形成する地形である。最高峰キナバル山は標高四千メートルを数え、これはスペースコロニーの全長の十パーセントを超える。その昔に猿の近縁種から派生した現生人類はアフリカを旅立ち、陸続きであったユーラシア大陸を渡ってこの島に辿り着いた。当時はまだ現在のようなジャングルはこの島―否、地球上に存在せず、彼らは洞窟の中で一生を過ごした。氷期が終わるとボルネオ島は熱帯雨林に覆われ、人類もここにきてようやく農耕と定住という偉大な一歩を踏み出すに至る。人類が地球を支配するに至った理由は諸説あり、またそのどれもが確たる否定を許すものではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っていたことは疑う余地がないが、定住と農耕が階級を作り、あるいは知識と果実の蓄積を可能にし、現在につながる人類社会の基盤を築いたことは確かであろう。

 地殻と気候の変動によって山岳、湿地、河川に森林といった多様なこの島の自然が形成され、人はそこで子を産み、死んでいった。

 己が虚弱を守るために作った巨大な人工物が人類自らの手によって地球に落とされた時も、ある者は沿岸に築かれた都市に住み、ある者は内陸で生活を送っていた。コロニー落着により発生した津波は太平洋を広がり各地の沿岸部に破滅的な被害を齎したが、内陸に住む者は、すぐさまその慎ましやかな生活の土台を失うには至らずに済んだ。

 その大地が焼かれ始めるまでは。

 175ミリ榴弾砲の砲身が昼を過ぎてから雲がかるようになった空に向けられる。並んだ砲身が一斉に空を指すその光景は、さながら弔銃めいて見えた。中ほどに膨らみを持つ細長いそれは、履帯を備えた車体に乗せられた小高い戦闘室から伸びていた。発せられた号令に合わせ、空に突き上げられた筒から次々と砲弾が放たれる。発射薬が激発した衝撃が周囲一帯の有機物と無機物とを振るわせ、爆音が大気に轟いた。

 ボールペンの先端を切り取ったような形をしたそれは、加速用のロケットモーターを底部に備え、筆記具であればインクを導くボールがあるところに信管が取り付けられている。空中を飛翔し、衛星から取得した現在地と目的地との間に生じる誤差を修正しながら落下していく。対応する砲や識別記号の印字された弾体には、上から〈To Feds with LOVE―連邦どもへ愛を込めて―〉と落書きされていた。

 この日、彼らの砲撃が挙げた戦果は皆無であった。そして砲撃地点に突撃した歩兵部隊は、既に連邦軍の部隊が後退した事を確認すると再び前進し、仕掛けられた地雷や遅滞戦術によってまた何人かの若者を喪失したのであった。この島の各地で、そういった果てしない戦力と物資の浪費が毎日続けられていた。

 クロエは、航行するアッガイの水密区画でコパイロットが鼻歌を歌っていることに気づいた。その旋律はクロエの耳にも覚えがあり、一年ほど前に本国で流行していた歌謡曲だとわかる。

「そういうのが好きなのね」

「ん?」

「歌」

 パイロットシートに収まるドナがなんのことかとクロエを見つめているのが視界の隅に映る。

「鼻歌、自覚なかったの?」

「うん」

 驚いた。というか呆れた。敵地に単独で潜入するMSのコックピットで鼻歌を歌う図太さは、この仕事が彼女の天職であると示唆しているのかもしれない。またあるいは、偵察兵としての適正に疑問符を投げかけるべきものなのか……。

「いやいやいやいや、外ではしないよ。超真顔だもん」

「真顔で歌ってたわよ」

 クロエの胸中を察してか、彼女の顔に全て書いてあったのか、ドナは必死に弁明を始める。

「私、偵察コースの成績上から四番目だかんね」

「ふむ?」

「……でもさっきの敵、まっすぐ追ってきてた。しっかり追跡されてた。次はもっと慎重にやります……」

 大袈裟に、見るからにしょぼくれるドナに、少しクロエは申し訳なさを感じる。大きなガラス玉のようなドナの瞳が泳ぐ姿は、子供にきつくあたってしまった時と似た罪悪感を植え付けるものだった。

「そうね。あなたが欠けると、困る」

「おや? 少尉?」

 そばかすのある頬を歪め、唇で大きな曲線を描き出したドナの表情がシート同士の間にあるフレームの隙間からクロエを覗き込む。変幻自在、豹変といっていい彼女の表情筋とそれを司る快活な情緒に、やや圧倒される。

「アッガイがね」

「アッガイは兵器ですよ少尉さん」

 悪戯な笑みを浮かべてクロエの台詞を真似てみせるドナ。

 耐えかねて何か言ってやろうとするところに、邪魔が入った。アッガイの近接ソナーが前方に障害物を捉えたのだ。映像化された地形図に反映されたそれは、アッガイの全長の倍ほどある人工物で、川底に着底して川を塞いでいた。水の流れは器用に隙間を通って流れていけるが、アッガイや船のようなものはそうはいかない。ダムのように横たわるそれの前で、アッガイは静かに静止した。

「船の残骸かな」

 いつの間にかソナーモニターを真剣な表情で見つめていたドナが、およそ適確といっていい推測を口にする。

「こちら側に破孔のようなものは見受けられない」

 クロエは言いつつ、うつ伏せの姿勢から前傾姿勢へとアッガイを操作する。ドナもそれに呼応してスティックを握り、モノアイを前頭部のレール上に移すと、クロエが慎重にアッガイのバラストタンクを排水した。

 水面には無数の波紋が広がり、波を荒立てていた。いつの間にか降り始めていたスコールの雨水が川の流れを加速させ、もとより濁っていた水をさらに掻き乱す。

 水面から出る面積が最小で、かつモノアイが外界を偵察できる位置。丸みを帯びたアッガイの頭部が、まるで羨望教のように濁った水から僅かに浮き上がる。

 座席の横に格納されたスコープを引き出し覗き込むと、クロエの網膜に高解像度の映像が提供された。まだ空は明るいが、雲が覆ったことで青空とは違った質感の光がジャングルを照らしている。雨水を運びうねる川の先に、大きな船が座礁していた。

 その船はどうやら民間の貨物船のようで、半ば乗り上げる形で大柄な船体の先端を河岸に突き刺し、川の流れを遮るように横向きに鎮座している。まだそこに遺棄されてからそう経過していない事を感じさせる上部構造は二階建てになっており、全高は《ホテル・ボート》と変わらないと思える。

「座礁した輸送船みたいね」

 そう呟くクロエが、あることに気付く。前が乗り上げて後ろは水中に沈み、船は前後に二十度近く傾斜している。その傾いた甲板上に、人影が見えたのだ。スコープの倍率を上げ、細かなディティールを確認する。耳まで覆う分厚いヘルメットに、形状自体はジオンのものとそう変わらない野戦服。肩から下げたスリングには特徴的なブルパップ式のアサルトライフルがぶら下がっている。配属以来見慣れたものである。地球連邦軍の戦闘服だ。陰になっている船橋には、さらに複数の人影が視認できた。

 クロエはアッガイを静かに水中に戻すと、ドナにそれを告げた。

「検問所だねまるで」

「どうりで川の上で接敵しない訳ね」

 ジャングルが交通を妨げるボルネオ島において、川を利用した交通は非常に重要なものだ。それは軍事的な視座においても変わらない。後退し、一刻も早く戦線の再編を行いジオン軍の攻勢を食い止めたい連邦軍にとって、水運が利用できないのは困る。おそらくは水上封鎖のために意図的に自沈させたわけではないのだろう。見えた兵士達は、この船を一時的な拠点としているようだったが、工兵の到着を待っている可能性もある。

 連邦軍にとっては水路の利用のため、妨げとなっている座礁船は破壊するなり運び出すなり、あるいはいっそ陸に押し込んでしまうなりした方がよいだろう。

 だが、彼らがあの障害物を排除するまで待っているわけにはいかなかった。

 命令によれば十五日までに敵集結地点を特定する必要がある。時計は既に十三日の昼過ぎを指しており、彼女達に時間の猶予はない。

「強行突破は?」

 座礁船から距離を置き、遠くから偵察を続けるアッガイのコックピットでドナが言う。二人のメインモニターにはそれぞれ同じ映像が流れている。水面からわずかに露出した頭部に据えられたモノアイが捉えた映像だが、ドナは赤外線映像に切り替えていた。

「重機関銃と自動擲弾銃……あとはATGMもあるだろうね」

 白黒の画面を見ながら呟くドナに、クロエは短く返す。

「アッガイなら容易い。ただ問題はその先ね」

 ドナが端末を取り出し、兵器のデータが載ったカタログを確認する。そこには開戦前にOSINTでかき集めた地球連邦軍の装備についての情報や、開戦後に確認された情報が集約されている。

「こういうのとか」

 ドナが拡大して見せたのは、中型のボートにミサイルランチャーと機関砲を装備した哨戒艇であった。ボルネオ攻略戦の劈頭に鹵獲されたらしいそれは、同様の装備がボルネオ島の全域で運用されていると予想されるもののひとつだった。

「あの検問所を攻撃すれば、足の速い哨戒艇が血眼で追ってくるでしょうね。陸路を使うこともあるだろうとは思っていたけれど、警戒度は上げたくない」

 クロエがそう発言するや否や、ドナはシートを倒し、背後にある収納スペースの扉を開く。ちょうど、エレカの座席をリクライニングのさらに奥の段階まで倒して、後部座席の荷物を取り出すように。

「ドナ」

「ん? 検問所を気づかれずに通り抜けるのは無理。かといって攻撃したら、任務が達成できなくなる。だからここはコパイ兼偵察兵の私が、ジャングルの先で再び川に合流するための迂回路を検索する必要がある。そうでしょ? 少尉さん」

 クロエがサイドモニターを片手でずらし、ドナの透き通った緑色の瞳を見据える。

「さっきとは訳が違うわ。ここは完全に連邦軍の勢力圏だし、第一警戒線と第二警戒線の間で、敵は再配置されてるはず」

 彼女の口調は至って冷静だった。口数と教本との矛盾だけが、普段の彼女との相違点だった。だが対するドナも、ごく平然と、いつも通りに偵察装備を装着していく。

「アッガイで直接検索するか、二人で……」

「少尉さん」

 ドナの言葉は、空気をふるわすことなくこう続いていた。自分は偵察兵でコパイロット。あなたはパイロット。素人を連れていくより、一人の方が良い。教本にもそう書いてあるし、こうも書いてある。パイロットたる者は原則的にMSを敵地に放置するな、と―。

「分かってる。……ETAは一八三〇。時刻合わせ―」

 クロエは逡巡して諦め、片腕を隣席に差し出す。二人はノーマルスーツの左腕に内蔵された腕時計を重ねる。自動で時刻合わせが行われ、それがアッガイの作戦時間モニターにも反映される。現在からのカウントアップと、ドナの帰還予定である夕方までのカウントダウン。

「危ない時はすぐに通信して。アッガイなら蹴散らして、また別の場所から進めば良い」

「はい。大丈夫だよ、今度はうまくやるからね」

 ヘルメットを被りながら言う。緑色のヘルメットには複合材の装甲プレートが貼り付けられており、クロエの一般的なパイロットヘルメットとは外観がかなり異なる。弾倉入れや山刀の鞘がついたアーマーベストは暑苦しい上にどうしても重さがあるので敬遠されがちだが、ドナは着込むことにした。背嚢には水と食料のほか、擬装に使用するポンチョ等が含まれている。

 そこにはコパイロットとしてのドナ・ワトソンではなく偵察兵としての彼女がいた。

 蛇行する川を囲む草木で座礁船から見えない位置でアッガイが河岸に向かう間、ドナは頭上のハンドルを握ってシートには座らなかった。それを横目で見つつ、クロエはスティックを操作する。

 周囲の安全を確認したのち、アッガイは岸辺で体を持ち上げた。ドナを降ろすためには、腕を地面についたりすると痕跡が残るため、器用な方法を取る必要があった。まずアッガイは、ハッチを開けても浅瀬でコックピットに浸水しない程度に半身を持ち上げる。そしてハッチを開くと、胸の前まで持ってきた腕部ウェポンモジュールポッドの小さなフックにドナがワイヤーを固定する。フレキシブル・ベロウズ・リムが伸長し、ドナを吊り下げたまま陸地までクレーンのように運ぶ。格好はつかないが、敵と緑のカーテンを隔ててアッガイが上陸するよりよほどいい方法だ。ノーマルスーツの両肩二点で吊り下げられたドナが、水面まで飛び出していた木の枝を掴み、太い枝に足を乗せる。

 体重をかけても良いと判断した彼女は、ノーマルスーツの内蔵ハーネスに接続されたワイヤーのカラビナを解除した。振り返ると既に、アッガイの胴体は水の中に沈んでいる。

 アッガイは―クロエは、機体の腕と頭だけを露出させて川の中から彼女を見守っていた。

 スコールが降り頻る中、アッガイのモノアイに合図を送ると、巨大な頭と伸びる腕は黙って水の中に再び帰っていく。そのあとには水の濁り以外、そこにアッガイがいた痕跡はなかった。

 ドナが木の枝を伝って地面に飛び降りる。雨と川の水が染み込んで柔らかくなった泥に、ブーツが沈み込んだ。スリングで掛けていた銃を握りチャージングハンドルを引くと、初弾が薬室に送り込まれる感触があった。

 彼女の両手に握られたスマルツァMP-71は、ジオンでコロニー内戦闘用に開発された短機関銃である。サブマシンガンとしては大柄な体躯はおよそ一対一・五対一の比で銃身、中心部、曲折銃床とで構成され、制式アサルトライフルのそれを踏襲したデザインからくる共通した重心位置が、特別の習熟によらない安定した運用を可能にする。サブマシンガンとしては長めの銃身は、拳銃弾の射程におけるディス・アドバンテージを補って地球環境に不慣れな使用者の負担を軽減しつつも実用性は維持するという設計上の配慮であった。

 金属チューブを折り曲げたようなストックに見られるように徹底した軽量化が図られ、制御しやすい拳銃弾と発射レートに軽量かつ堅牢な本体の組み合わせは現場の兵士たちにも大いに歓迎された。MSパイロットや戦車搭乗員、ワッパを運用する偵察部隊などが主な配備先だったが、その性質から特殊部隊や熱帯・市街の歩兵にも好まれ、MP-71は最も目にする機会の多いジオン製銃器のひとつである。

 そんなスマルツァのフォアグリップを兼ねたマガジンハウジングに左手をかけ、ドナは密林に踏み入った。

 ジャングルというものは、スペースコロニー出身者にとっては理解し難い地形である。そもそも原生林の存在しない、管理された植生を森林と認識してきた彼女達にとり、人の介在することを前提としない森の姿はまったくの別物といえる。ジオン軍の管理するコロニーにはそういった環境を再現した森林も存在したが、地球の森林はそれでもジオンの兵士達を困惑させた。

 人の介在することのない森と言っても、まったく道が存在しないわけでもない。誰かが通った跡などは、草木を跳ね除けながら進むよりいくらか通りやすくなるものだ。動物たちはそうした場所を選択し歩くため、それがやがて獣道になる。ドナが分け入ったジャングルにも、そういう獣道は存在した。視界のほとんどが草で覆われ見通しの悪い環境で、ドナは獣道を把握すると、あえてそこを回避して進む。

 確かにジャングルを進むのに自然に形成された道路を利用するのは効率がいい。それは敵にとっても同じことで、哨戒部隊と遭遇するリスクがあるし、そうしたルートはアンブッシュを仕掛けるのにはもってこいの場所となりうるからだ。

 一見するとひたすら遠回りをしているように見えるが、実際には前進している―偵察兵としての訓練で身につけた行軍を続けながら、ドナはある事に気がついた。獣道には、この邪魔な草を切り払った痕跡があるのだ。草食動物が食んだものではない。ちょうどドナが腰に下げたようなマチェーテで、歩きながら邪魔な草を切り飛ばした跡だ。いくら賢いオランウータンでも、マチェーテを使うなどという話は聞いたことがない。

 ドナは一度、地面に膝を着き、草茂る中に姿を隠す。そして耳を澄ませた。

 ノーマルスーツのヘルメットに内蔵されたヘッドセットには、聴音補助機能が搭載されている。戦闘時の銃声や爆発音から耳を保護するとともに、必要な音は増幅して状況把握を支援する装備だ。

 ジャングルでとにかくうるさいのは様々な種類の鳥類と昆虫類が奏でる鳴き声だ。これが延々と、入れ替わりに聴え続ける。そして時折、おそらくは類人猿のものであろう甲高い鳴き声が飛び込んでくる。それらはただの環境音に過ぎないが、人間の何倍も森の変化に敏感な傍観者からのシグナルでもある。仲間に発する警告を意味する鳴き声であるかどうかまでは彼女には判別できないが、突然騒がしくなったり、静まり返ったりすれば、森になにか変化があったのだと分かる。

 雨音でかなり聞こえる範囲は狭まっているが、ひとまず足音や人間の言葉のようなものが聞こえないと確認できたドナは、再び草を掻き分けながら進む事にした。

 昼過ぎから降り始めたこの雨は、地面をきまぐれに、しかし物理法則に素直に流れ、やがては地面に吸収されるか、川に流れ込むかするのだろう。そこには一人で水中に潜んでいるクロエがいる。ドナが左腕の時計を見やると、彼女と別れてから四十分ほど経過していた。ノーマルスーツには体温維持と適度な圧迫による疲労軽減の機能があるとはいえ、その下の肌着や下着はすでに大量の汗を吸って彼女を不快にしていた。ほとんど視界を埋め尽くす緑色の草。わずかな隙間から見える木々はほとんど様変わりせず、空は鈍色に曇り、雨水がしきりにバイザーを伝う。そして地形図に示された川に向かってまっすぐ進めればまだ良いのかもしれないが、アッガイの姿を隠しやすそうなルート―つまり、迂回を重ねわざわざ林冠に覆われ薄暗い、人間にとってはとにかく歩きづらい場所を選んで進まなければならないのだから、その苦難は距離で表せるものではない。

 「くそ……」

 意識するでもなく吐き出された言葉は、締め切られたバイザーの中でドナの呼気とかき混ざって霧散した。クロエが安心するだろうと考えて着用したベストが、彼女の体温を余計に上昇させる。軽量化され全体で見れば大したことのない重量が、脱ぎ捨ててしまいたいほど重苦しく感じた。




GQuuuuuuX、観てきました。
マチュが可愛かったです。

ところで、リクエストを頂ければお応えしたエピソードを本編とは別のタイムラインで“Ep.0”としてEp.1の前に挿入していこうかと思っております。

リクエストがなくても私の書きだめや衝動的に描いた短いエピソードを追加していく予定です。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

増やして欲しい要素はなんですか?

  • 人間ストーリー
  • 戦闘シーン
  • モビルスーツ
  • 普通兵器
  • 歩兵
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