正確には33分。
~リリエラ視点~
目が覚めると、いつもの部屋だった。
月明かりが差し込む部屋には私以外誰もいない
「ふわぁぁぁっ、
今日、私はやけに長い夢を見ていた気がする
私はだれか自分ではない人間の行動を見ていた
いつもはどうでもいい夢だが今回は違った。
物凄く気になってしまう
「名前……なんていったかしら」
思い出そうとするとそれを遮るように靄がかかる
「顔……は?」
その子の顔は見る機会がなかったからまだいいとして
一番よく見ていたはずのその子の双子の子の顔すらわからない。
「なんだったかしら……あぁ、そうだわ、東洋のほうの顔立ちだったわね」
そっとベットから起き上がり、下に置いてある靴を履く
漆黒の翼を揺らして立ち上がり、音を立てず本棚に歩み寄る
私は壁際の本棚に並べられたうちの一番左の本を手に取る。
それは、死んだお父様に文字を教わってからすぐに書き始めたもので、
ちょうど450年分くらいになる。
生まれてから40年後から一日も欠かさず1ページずつ書いていて、
これは確か……900冊目くらいだろうか。
これ以外899冊の日記は大図書館の一角に新しく設けた『日記スペース』に
保管してある。私の分だけではなく、ルリアとお姉さまたちの分もあるから
900×4で3600さつくらいあるのではないだろうか。
「さて、記憶から消える前に書いてしまわないとね。
夢のはずなのになぜこんなに興味がわくのかしら?」
机に新しいページを開いた日記をおき、まだ寝起きであまり回っていない舌を
フル回転させて呪文を唱える。
すると、私の周りには夢の中で見た画像が現れ、くるくると回転し始める。
一つ一つの画像が鮮明になるとそれは今度は、左上からじわじわと文字へと変わる。
数分もするとすべての夢の画像……私は夢絵という……が文字に変わり、
その出来事を順番に組み立てていった。
そして、最後の呪文を唱える。
「私は記憶をここに記す」
すると、くるくるといまだ回転し続けていた文字は小さくまとまり、
日記にかざした私の手に集まり、日記に触れるとそのページにするすると入っていった
「ふぅ。さて、読むとしますか……の前に、着替えないと。」
クローゼットの中にあるいつもの服を着るとまた机に向かう。
その夢は、とても面白かった。
私たちが(というか
私たちと同じようにしゃべり、動き、笑う。
悲しんだりもして、くじけそうになる時もあった。
でも、圧倒的に違うのが、やはりその生活リズムと体だろう
私ももう結構長く生きているが、まだ見た目は人間の5歳児くらいだろう
人間たちは朝に起きて夜になると眠るが、私たちは逆。
「あぁ、この人間のように生きてみたいものね」
もう完全に昇った月を見つめているとドアをノックして入ってきた。
「おはよ、ご飯食べに行こ!」
ルリィはそのきれいな夜空のような透き通った青の髪を揺らしてこっちに来る。
「あ、もうそんな時間?いいわ、いきましょ」
……あれはやはり夢なのだ。
私はどうあがいても人間にはなれないのだから。
……嘘ですよ!?
全部エイプリルフールネタです。
これは本編と関係ないので安心してください。
夢オチなんてぜったい嫌です。