東方紅月録   作:黒薔薇ノ夢@吸血鬼好き

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一週間で何とかしました。
褒めてください。



「旅は道連れ世は情け」かもしれない。

 ~紫音視点~

 

 知っている。

 

 もう会えないことなんて。

 

 

 でも、これだけは言いたかったな、なあ璃々。

 

 いつも笑ってるわけじゃないし、別に俺だけに仲良くしてるわけじゃない。

 優しいわけでも、かわいいから、とかでもない。

 それでも、少し寂しそうな璃々の顔、それだけはさせたくなかった。

 

 だって、俺……俺、

 

「璃々が大好きだったんだもんな」

 

 言わなくてもわかるなんて、そんなのないよって、言ったのは璃々だったのに

 

「隠し事は無し」って約束、今でも覚えてるんだ。

 

「約束、守れなくて、ごめん、っ」

 

 いつも弱くて情けなくて、それを必死になって隠して埋めて。

 

 なによりも誰よりも、璃々に振り向いてほしかったんだ。

 

 

 

 

 ~璃々視点~

 

「うわぁぁぁぁ?」

 

「え?なになに?」

 

「足!足埋まった!」

 

 そう、ただいま絶賛雪の中!うん、寒い!冷たい!

 久しぶりの雪で私も瑠璃もはしゃいでいたけど、それどころじゃないはず。

 

 バス停で装備を変えてから、二人で手を取りながらかなりの距離を進んできて、

 もう一時間以上たったけど、実際まだ神社にすらたどり着けてない。

 

「うひゃーっ!ぬけたぁ!」

 

 しかも瑠璃の足がよくはまるしで今どこかわからん!

 

「はい、瑠璃、36回目!更新!おめでとうっと」

 

 手を引っ張って瑠璃を抜いて、歩いて、これをもう36回。

 

「えへへ、ありがとー。それにしてもっ、ここ、どこ?」

 

「瑠璃があちこちではまって歩いてるから戻るときはわかるけど、どこだかわかんない」

 

「えっ、それってやばいんじゃ」

 

 そんな軽口を叩きあっていると

 

 

 ふっと悪寒が走る。

 

「瑠璃っ、そこから離れてっ!」

 

「え?なになに?」

 

 そこにいきなり、女の人が現れる。

 

「あら、気づかれちゃったかしら」

 

 金髪で、紫の目をした少女、としか言えない人が立っていた。

 

 でも、雰囲気が少女じゃなかった。

 

「うわっ、誰この美人さん!?」

 

 瑠璃がオーバーリアクションなのはいつものことだ。

 でも、ほんとに美人さんなのだ。

 

「あら、嬉しい。あなたはもーらい」

 

「瑠璃っ!」

 

 その人の横にいきなり空間が裂けるように現れた禍々しいナニカは振り向こうとした瑠璃を呑み込む。

 

「瑠璃をっ、返せ!」

 

「あらあら、乱暴な子は嫌いじゃないけど足りてるの」

 

 しょうがないけど、アレを使うか、な。

 

 

 目を閉じて祈る。

 おねがい、一回だけでいいから!

 

「ナニヲ、ノゾムノ?」

 

 自分の頭の中に自分の声が響く。

 璃々、いや、リリエラ、思い出せ。あの時と同じ!

 

『形・物事を操る程度の能力』。少しでも瑠璃に近づくための手。

 

「あら?」

 

 目を開くと、別世界だった。

 前のように赤銀に包まれたりしなかったけど、これは。

 

 たくさんのタブの中に、その人のを見つける。

 

「あった。項目8、能力。3の一時使用停止。」

 

「あなた、何を?」

 

「ちょっとしたことだよ」

 

 使用一時停止したさっきの裂け目は瑠璃を吐き出す。

 

「ったー、あれ、生きてる」

 

「何勝手に死んだつもりになってるの」

 

「え、だって真っ暗だし、死んだかと思った」

 

 そんな話をしていると、さっきの人が笑った。

 

「うふふ、素敵なモノを見つけたわ、二人とも、来てちょうだい」

 

「はーい」

 

 瑠璃は素直についていく。

 

「瑠璃ちょっと!なんで素直についていこうとするの!?」

 

 瑠璃は立ち止まって私の方を振り向く。

 

「だってこの人、というか妖怪さんは璃々が行こうとしてる、『幻想郷』とかの管理者の一人なんだって」

 

「は?」

 

 やばい、完全に思考が止まった。え?

 

「うふふ、初めまして、八雲紫よ。瑠璃さんが言う通り、幻想郷の管理者、神隠しの主犯。紫でいいわ。よろしくね」

 

「あ、暁璃々、ちょっと不思議な力が使えるだけの普通の人間です」

 

 まぁ、今は、だけど。

 

「暁瑠璃、私は特に何もできない人間かな」

 

「そう、それならよろしく。」

 

 その人、いや、紫さんはにこっと笑い、私の方を向く。

 

「これ、解いてもらえると嬉しいんだけど」

 

「あ、すいません、今やります」

 

 もう一度紫さんのタブを開く。8の能力から7、規制解除を選ぶ。

 

「ありがとう、それじゃぁ、お二人ともこっちに」

 

 紫さんの隣の裂け目に入る、と。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁっ」」

 

 目の前に、物凄い風景が広がっていた。

 

 自然の豊かなところだった。

 

「どう?素敵でしょ?」

 

「うん、綺麗。」

 

 目の前に広がる風景は、今まで行ったどんな絶景よりも神秘的だった。

 

「でも、ここは綺麗なだけじゃないの。いろいろあるの。いろいろ、ね」

 

 瑠璃が私の手を握る。

 

「さぁ、あなたたちにまずは、ようこそ、幻想郷へ。」

 

「どうも、よろしく」

 

「一番大事なルールを説明しなくてはいけないわね。ちょうどいいところがあったわ」

 

 左下の方の神社を指さす。そして、またスキマに入れられる、と

 

「うふふ、霊夢、こんにちは」

 

「なっ、紫!また変なところから…」

 

 確かに、特に何もない空間に裂け目を作って、いきなり出てきたら変なところから出てきたと思うだろう。

 

「ちょっとスペルカードルールについて教えてほしいのがいるのよ」

 

「私じゃなくてもいいじゃない、紫が説明すれば。だってルール作成者だし」

 

「あら、霊夢、説明できないのね。なら私が……」

 

「だれも出来ないなんて言ってないわ。」

 

「それじゃぁ、霊夢よろしく」

 

 紫はまた裂け目へと消えた。

 

 それで、置いて行かれた。

 

「はぁ、まぁいいわ、その前に。博麗霊夢、妖怪退治が本業よ、よろしく。博麗の巫女なり霊夢なり好きに呼ぶといいわ」

 

「霊夢さん、ですね、暁璃々です。こっちは双子の妹の瑠璃。よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします」

 

 霊夢さん、と呼んだことが気に入ったのか、少し微笑んで続ける。

 

「そう。じゃあ説明するわ。スペルカードルールの下での決闘ではまず、その美しさ、に意味があるの。だから、意味のない攻撃をしてはいけないし、このスペルカード以外で攻撃することも許されない。決闘の前には使用回数を宣言しなきゃいけない。まぁ、ルールはそんな感じね」

 

「ほうほうそれで?」

 

「それで、って、それだけよ。」

 

「いやこのルールができた理由とか」

 

「あぁ、それなら、妖怪同士の決闘がこの小さな幻想郷の崩壊につながる恐れがあるけど、決闘のない生活は妖怪の力を失う原因になりえるからってことと、人間と妖怪が互角に渡り合えるようにすることね」

 

「ふうん、それで?どうやって作るの?」

 

 瑠璃もようやく理解できてきたみたいで、続きを求める。

 

「自分の力よ、そんなもの。スペルと(カード)自体には力はないわ。」

 

「へぇ、それは魔法とか?」

 

「そうね、方法としてはそんな感じ」

 

 大体は理解できた。それじゃあ。

 

「ありがとうございました。あと一つだけいいですか」

 

「なにか?」

 

「この幻想郷の中に、ヴァンパイア、はいますか」

 

「…いるわ。一番じゃないけどかなり厄介な相手。というかめんどくさい。特にそこのメイドが」

 

 そこのメイド?美鈴かな

 

「そのヴァンパイアに会いに来たんです。館の場所と方向を教えていただけませんか」

 

「お願いします!璃々はそのためにここにきたんです!」

 

「え?会いに来たの?興味がある、とかじゃ入ることはできないはずよ」

 

「興味とか以上の関係があるんです!」

 

 瑠璃が必死になっている。瑠璃そこまでしなくても…

 

「あら、それなら」

 

 紫さんがまたどこからともなく現れる。

 

「一緒に行きましょうか。用事もあることですし」

 

「紫っ、人間がそんなところにいくのはダメよ」

 

「何故かしら」

 

「それは!あいつ等は人間に興味ないはずだし……もういいわ、なんでもない」

 

 霊夢さんは紫さんに対抗することをやめた。

 私としては嬉しいんだけど。

 

「それじゃあ、璃々と瑠璃、いくわよ」

 

「「うん。」」

 

 

 また裂け目に入る。

 そして見覚えのあるあの紅い館が見えた。

 

「紫さんのその裂け目、便利ですね」

 

「裂け目……?あぁ、スキマのことね」

 

「スキマっていうんだ、へぇー」

 

 瑠璃が感心しながらスキマから出てきた。

 

 

「行きましょう、門番は寝てるはずだから起こさないで行くわよ」

 

 そう言われて大きな門の前に立つと。

 

 そこには門番なんていなかった。

 

「あら、今日はいないのね」

 

 紫さんは門を開いて入っていく。

 

 あれ、スキマ使わないんだ。

 

「ひろっ!」

 

 瑠璃が驚いている。まぁ、今まで住んでた館の庭も十分大きかったけど、紅魔館はそれ以上だ。

 そういえば、今もその呼び方なのか?

 

 誰にも会わずに館の玄関ホールへ入る。昔と何も変わってなかった。

 涙がこぼれた。

 

 瑠璃も立ち止まった。

 

「ねぇ、璃々。私、ここを知ってる」

 

「うん、瑠璃。」

 

「あら二人とも、どうしたの?かわいいお顔が台無しよ?」

 

「嬉しかったんです。」

 

 

「またスキマ妖怪か。今日は何の用ですか」

 

 数秒前にはそこに人なんていなかった、でも今は。

 

 玄関ホールの階段上に、銀髪のメイドらしき人が立っていた……

 

 

 




ようやく幻想郷!
しかも超ざっくり!

次回、感動の再会!?

誤字、脱字、その他諸々苦情等ありましたらご報告お願いします。
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