ってことで急いで仕上げました
~咲夜視点~
お嬢様とフラン様が妹たちがいると気付いてもう半月がたち、
パチュリー様が術者のしっぽをつかめそうな今日この頃。
あれからお嬢様は、今まで何もしてない、何もできてないと言って、毎日昔の高く積み上げられたままの資料の山に埋まり、その妹たちのことを探すカギを探していた。
いくつかの断片的な情報を見つけてはパチュリー様のところへ持っていく、それが今の私に与えられた仕事。
他の仕事の合間を縫ってお嬢様のところへ行って、お嬢様の好きな紅茶を淹れて。
あぁ、帰ってくるなら早く帰ってこればいいのに。
ここ数日の考えはずっとそんな感じだった。
そして、今日。ただでさえ忙しいお嬢様にまたあの妖怪がやってきた。
胡散臭さではたぶん幻想郷一、あのスキマ妖怪だ。
しかも二人も人間を引き連れている。ここで働かせろ、とかいう話だろうか。
玄関ホールへ向かうと、その人間の少女は笑いながら泣いていた。
「あら二人とも、どうしたの?かわいいお顔が台無しよ?」
「嬉しかったんです。」
なんなんだろう。もやもやする。嬉しいことなんて、私にはほとんどないのに。
お嬢様にお仕えして、話をして。それだけが、私の、今の私の幸せで。
なのに、それなのに、妹たちは……
「またスキマ妖怪か。今日は何の用ですか」
そんな言葉が零れる。
少女たちとスキマ妖怪は私に気付いて、少女たちが驚く。
「ちょっとお話したいことがあるのよ。あなたのご主人さまに。」
またか。この前はスペルカードルールを導入しろ、で、今日は何。
「今お嬢様はお忙しいのです。あとにしていただけないでしょうか」
「いいえ、今しかできないわ。」
しょうがない。お嬢様をお呼びしよう。
「分かりました、こちらへ。」
応接間に通し、お嬢様のもとへ行く。
「失礼します、お嬢様」
「なにかしら、咲夜。」
「お客様です。スキマ妖怪と人間の少女二人です」
「八雲紫、また来たのね。それより、人間の少女って?」
「はい、またですね。そちらの方は知らない方です」
「知らない?ふぅん、誰かしら。まぁいいわ。行きましょう」
「はい、お供します」
お嬢様の後ろについて歩き、ドアを開けるときは先に前に。
「お連れしました。ごゆっくりどうぞ。」
紅茶を出し、私は部屋の外に出る。
はぁ、またやってしまった。
もしかしたらお嬢様に感じ悪く映ったかもしれない。
「ええぇぇぇぇぇ?何ですって!?」
5分くらいしてから、悲鳴…のような声が部屋の中から聞こえ、とっさにドアを開ける。
「どうされました?!」
お嬢様は数秒口をパクパクとさせた後、私の方を向いて言う。
「フランとパチェ、あとパチェのところにいる美鈴を連れてきなさい!大至急よ!」
「はい、わかりました!」
大至急と言われたのだから許してもらおう。時止めを使い、大図書館へ向かい、ドアの前で時止めを解除する。
「失礼いたします!パチュリー様!」
「あら、咲夜。どうしたの?」
「お嬢様がお呼びです、美鈴も、後フラン様は?」
「ここだよ、咲夜」
フラン様が後ろから私の背中をつついた。
「ひゃっ、また後ろに!もう、フラン様」
「えへへ、咲夜面白いんだもん」
「それより、皆さん、来てください!」
急いで応接間へ戻ると、少女二人の手を取るお嬢様がいた。
「連れてきました、お嬢様!」
ちょっと、何でお嬢様の手を。いや、それよりも。
「誰ですか、その方たちは」
「ありがとう、咲夜。パチェにフラン、美鈴もいるわね」
「うん、どうしたのお姉さま」
フラン様が、みんなが一番気になっていることを尋ねる。
「妹よ、フラン!私と、あなたの!」
「え、ほんと?それじゃぁ、この二人が?」
「ええ、そうね、その通りだわ。右側の少女からは微細だけどリリィと同じ魔力が感じられる」
パチュリー様までそんなことを言っている。
「あの、まだ私は……」
「あ、ええ、そうだったわね、話の続きね!」
「はい、みんな来てくれたようですので説明します、今の私は暁璃々、こっちは瑠璃です」
「うん、それで?」
レミリアお嬢様が嬉しそうに続きを聞いた。
「それと同時に、リリエラ・スカーレットでもあります。姿、魔力、あと翼と一部の記憶を封印されているので、本当にリリエラであるかはよくわかりません。瑠璃……ルリアの場合は記憶は完全に封印されています」
「えぇ、ある程度は知っているわ」
今度はパチュリー様。
「まだ完全なリリエラではないですが、レミリアお姉さま。フラン姉さま。」
「な、何かしら」「なーに?」
「ただいま、帰りました」
少女…璃々、もといリリエラは一筋の涙をこぼす。
そんな中、彼女の前に進み出たのは。
「おかえり、リリィ」
パチュリー様だった。
「憶えてるの、パチェ?」
「うん、憶えてる。忘れてないよ」
え、パチュリー様?
いつもと口調が違った。
「やっと、ここまで来たよ」
「約束、覚えててくれてる?」
「魔術の研究、でしょ?今からでも遅くないよ」
「うん、330年の間の努力を見せてあげるからね」
そして見つめあい。
「ただいま、パチェ」
「おかえり、リリィ」
二人は抱きしめあい、そして笑った。
すると、お嬢様たちが。
「ちょっと、パチェずるいわよ!私も私も!」
「お姉さま!それを言うならお姉さまだってずるいわ!」
お嬢様とフラン様がパチュリー様を引きはがして少女の手をとる。
「「おかえり、リリィ。」」
そして、少女たちはようやく我が家に辿り着いた。
月はまだ登りきらない、夕方のことだった……
それでも、まだ、戦いは続くのだろう。
何とか到着した!
でも美鈴喋らない!ごめんねめーりん!
次回もほどほどに頑張ります
あ、次回から新章のつもりです
誤字、脱字、その他諸々苦情等ありましたらご報告お願いします。