東方紅月録   作:黒薔薇ノ夢@吸血鬼好き

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ようやく本編です。
お待たせしました!


彼女たちの日常。
記憶=大切なモノ


 ~璃々視点~

 

 

「璃々!帰ろ~!」

 

 

 

 私は(あかつき) 璃々(りり)

 

 今迎えに来たのは隣のクラスの双子の妹、(あかつき) 瑠璃(るり)

 

「うん、今行くっ、と。」

 

 私は今日の学級日誌をさっと書き終え、先生に渡す。

 

「それじゃあ、暁さん、帰っていいですよ、さようなら」

 

 

 

「瑠璃、できたよ、行こ。」

 

 私は机の横にかけてある、もふもふの白うさぎのマスコットがついた鞄を取る。

 

「お待たせしました。じゃ、今日はどこ行く?」

 

 

 毎週金曜日はどこかに出かける。それが二人の約束だった

 先週はカラオケ、先々週はゲーセン。その前の週は本屋さん。

 

 今日はどこに行きたいのかな…?

 

 

「帰りながら決めようよ、そっちの方が楽しいじゃん。」

 

「うん。靴はいてくるね。」

 

 下駄箱で靴を履いて、マフラーをつけた。

 

 そのまま外に出て、エントランスでぼけーっと数分突っ立っている。

 また璃々がほかの友達につかまってるな

 

 

 

「遅いよ、またつかまってたの?」

 

「ごめんごめん、よっしゃ!今から走るか!」

 

 校門を出ると、いきなりそういう瑠璃。

 

「走って大丈夫?おいてくかもよ?」

 

「だいじょーぶ!誰も璃々には追い付けないって!」

 

 ま、学年一早い女子って言われるくらいだもんね…

 

 

 

「まあ、そうか。って、それ何?」

 

 瑠璃の鞄には色違いのピンクのうさぎのキーホルダー。

 その横に、三日月の形のパーツが付いたシュシュがあった。

 

「あ、これ?ふふふ~。秘密!」

 

「あ、いいわ。その顔見ればわかる。」

 

「え…そんなに顔に出てるの?」

 

「いや、出てない。」

 

「もう!璃々いじわる!」

 

 そういわれましても…こういう性格だし。

 

 

「で、今日どこ行こうか?」

 

「それじゃぁ……」

 

 

 

 

 

 話していたら、家に着いた。

 

 門を開けて、瑠璃を中に入れて、門を閉める。

 今度は瑠璃が玄関ドアを開けて、私を中に先に入れて、ドアを閉める。

 

「「ただいま~」」

 

 

「おかえりなさいませ。おやつは何にいたしましょう?」

 

 執事の怜がさっと飛んできた。

 

「ううん、今日は大丈夫よ、これから遊びに行くの。いつも通り、ね!」

 

「うん、だから、おやつはいいわ。疲れたでしょ、あなたも少し休憩をしなさいね」

 

「はい、お気遣いありがとうございます」

 

 そういって執事は私たちが階段を上るのを確認して奥の部屋に入る。

 

 私たちは階段を上り、自分の部屋へと入る。

 

 

 

「はぁ~疲れたぁ」

 

 鞄を机の横にかけ、制服を脱ぐ。

 

「さて、どれにしようか。」

 

 

 

 選んだのは、紫のワンピース。

 下には薄い、黒のレギンスを穿く。

 靴下は薄紫。

 

 鏡を見る。

 

 幼い時に“視た”『自分』は、黒に紺色が混ざったような色をしていた髪。

 でも、今はどこにでもいる黒髪だ。

 あの『自分』の眼は…赤紫だった。

 でも、私は黒。

 

 あれは何だったのかな?

 

 

 …こんなこと考えるのは時間の無駄か。

 

「これでいいかな、うん。」

 

 

 今日は、久しぶりに買い物に行く。

 

 瑠璃は文房具を買うらしい。

 私はこの長い髪をとめるものを買うつもりだ。

 

 鞄はいつもの白いショルダーバッグ。

 

「よし、オッケー!」

 

 あ、スマホスマホ。

 

「これで良し!」

 

 コンコン

 

「璃々、出来たよ~行こう!」

 

 ドアを開けると、白と水色の服に、白いダッフルコート。

 ツインテールのリボンは黒。

 

 瑠璃のつやのある黒髪にはこれがいい。

 

 いつも通り、これがいいんです。

 

 

「「さぁ、行こ!」」

 

 手をつないで門をでて、車に乗る。

 

「どこへ行かれます?」

 

「いつものところじゃなくて、噂の占いがあるところ、行こうよ璃々!」

 

「ん、占い?いいよ。占い行こうよ!」

 

「占い…といえばあの館ですか…。わたくしは門の前で待っていますので。」

 

 

 私は前世の記憶がある。

 もしかしたら前世じゃないかもしれない。

 

 …というよりあれは確かに私の記憶な気がする。

 

 たしか、あの中で私は占いをしていた。

 

 

 

 

 気付いたらもうついていた。

 

「お嬢様、到着いたしました。行ってらっしゃいませ。」

 

「よしっ!璃々、行くよ!楽しみだなぁ!」

 

「あ、ちょっ、瑠璃、走るな~っ!」

 

「ふふっ!楽しいね!」

 

「捕まえた!瑠璃捕まるの早すぎ!」

 

「あ!捕まった!璃々が足速すぎなの!」

 

 門をくぐると、バラ園が広がっている。

 赤色のバラ園を水色と紫がくるくる回る。

 

 すると、館の玄関ポーチのところにおばあさんが立っていた。

 

「そこのお嬢さん、占いに来たのだろう?館にお入り。」

 

「璃々、行こうよ!」

 

「え、あ、うん。」

 

 私はただ手を引かれるだけ。こういう時だけ強引なんだよなぁ

 

 

 おばあさんは、占いができるらしい。

 というか、カンらしい。占いじゃないじゃん

 

「ふふふっ、おばあさん、面白いのね!」

 

 私たちは洋館の中で紅茶を飲んでいる。

 

「さて、占うか。」

 

 私たちに向き直ると急に真剣な表情になった。

 

「ここで占ったことは三人の秘密。どんなことを知っても、

 決してその運命を狂わせないように行動するように。いいかね?」

 

「「はい。」」

 

「それじゃあ、言うよ。」

 

 

「『………お主らは一か月以内に戻るべきところへ戻る。

 それはいきなり。

 記憶の中から探し出せ、その方法を。』」

 

「…え?戻るべきところ?」

 

 瑠璃は驚いている、が。

 私は今までの記憶がパズルのピースのようにぴったりはまる。

 

「『元ある場所に…呪いは解ける」』

 

 おばあさんと同時にこんなことを言った。

 

 私は夢の中で見たのだから。

 昔の私を。

 

「わかっているの、そのこと。」

 

「なんじゃ、それならヒントにもならんかったか。」

 

 …ヒントにはならなかった。なぜなら…

 

「それが探していた『答え』だから。」

 

「ヒント?何それ?」

 

「瑠璃にはまだわからないわ。そして、おばあさん、ようやく確信が持てた、

 ありがとうございます。私はまたこんど、クッキーでも焼いてくるわ。」

 

「またな、待っているぞ。」

 

 私はいまいち話が分からない瑠璃の手を引いて、館から出るのだった。

 

 

 

 その晩。

 

「瑠璃、おやすみ。」

 

「ん、璃々、おやすみ、また明日。」

 

 部屋に入り、窓辺に行く。

 

 

「お姉さま、待っててくださいね。必ず、戻ってみせます。」

 

 月は幸せそうに、光っている。

 

 

 そうして記憶が戻った少女は。

 

 いつも通り、眠りにつくのだった。

 

 




今回は短めです。

次回、2月12日、0時投稿()()

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