「準備はいいな?」
通気口からアリアにインカムを使い、突入の準備が出来ているか尋ねる。
(えぇ何時でも大丈夫よ、犯人も初めと同じ位置だからシャッター下ろして大丈夫よ)
「了解、んじゃシャッターが下りきったら突入だ」
(それはいいけど、そう言うシャッターってゆっくり下がるんじゃないの?どうせアンタの事だから遠隔操作するリモコン持ってるだろうけど)
「大丈夫!改造して下りてくるスピード上げた!勿論リモコンあるぞ」
(ハァ…)
アリアの質問に答えると、呆れ果てたため息が返ってきた。
「ん、どうした?」
(…アンタの用意の良さに呆れたのよ)
「備えあればだぞ?」
(そうね、人質最優先よね♪)
「そうだ!俺の事理解してきた様だな!!、んじゃシャッター下ろすぞ?」
(嫌でも分かるわ…了解合図をまつわ)
一旦武との通信を切りコーナーショットを使い、銀行内の様子を見ると音が外にまで聞こえる程の勢いでシャッターが下りた。
「す…凄い…でも流石にやり過ぎじゃないかしら…犯人が尻餅ついているし…」
(ヘヘッスゲーだろ?、よし警戒される前に突入だ!!)
「了解!!」
コーナーショットの画面の隅に一瞬武が写ったのを確認し、自分も銀行内に突入して犯人達にコーナーショットを向ける。
「武偵だ!!銀行の周りはマジで包囲されている」
「大人しく武装を解除しなさい!!」
銀行内に突入しコーナーショットを構えると私に二人、武に三人向かいあっている。
「ぶ…武偵!?」
「クッソ!!勝手にシャッターが下りたのはお前等の仕業かッ」
「どうする!?包囲されているってよッ」
「落ち着け!!相手はガキだ!サツもシャッターこじ開けて人質を利用すれば問題ない!」
犯人達が開き直り威勢よく銃をこちらに向け終える瞬間刀を握り、犯人達との間合いを一気に詰め銃をバラバラに斬り刀の柄を腹に当て気絶させて無力化し、アリアはコーナーショットを犯人達の銃口目掛け撃ち銃を破壊し黒いガバメントを取り出し、コーナーショットと銃の二丁
をし二人の犯人に向け鎮圧に成功した。
「犯人の無力化成功!ナイスアリア」
「本当に一発も撃たせないで逮捕出来たのはアンタの作戦のお陰よ!流石ね♪」
戦意を無くした犯人達に手錠を掛けながら互いに労いの言葉をかける。
「五人全員手錠をしたわ」
「んじゃシャッター上げて人質の解放して終わりだな、後でシャッター元に戻さないと」
「ねぇ武一つ聞いていい?」
「ん、なんだ?」
リモコンを使いシャッターを上げていると、真剣な顔をしたアリアに尋ねられ互いに目を見つめ合った。
「初めて会った時もそうだけど、その蛇みたいな目はなに?」
「蛇?目?…あぁ」
一応警戒の為に閉じないでいた目を疑問に思ったらしい。
「残念だが蛇じゃなくて鬼、鬼の眼で鬼眼だ」
「鬼?…」
「あぁ戦闘時に強制的に開き集中力を極限まで高め、常人では一瞬の事が何倍も低速して見えて視野も広くなるんだ」
簡単に眼について説明し終えるとシャッターが完全に上がりきった。
「…これ以上は悪いが触れて欲しくないんだ…」
「分かったわ…ありがとう、さぁシャッター上がりきったから人質を解放しましょう」
「あぁ、そうだな」
カウンターの裏に向かうアリアに少し距離を置き、俺もついていき人質の拘束を解いていく。
「これで全員の拘束が解けたわね?」
警備員も含め人質全員解放し、逆に拘束された犯人と解放された人質を交互に見て事件が解決した事確認し、無線で外の警察官に伝える。
「フゥ…終わったわね、武」
「あぁそうだな教務科への報告は俺がやっとく、今夜の晩飯はどうする?また食いにくるか?」
「ありがと、お願いするわね♪今日もご馳走になろうかしら!」
「了解、レキ達も誘うか」
事件を解決し安心した様子のアリアと向かい合い何気ない話をしていると、鬼眼で広くなった視野に銃を持った警備員がその銃をこちらに向けたのが見えた。
「やっぱりか…」
「え?」
「形勢逆転だなガキ共!武器を床に置いて後ろを向け!察が入って来る前に仲間を解放して一先ず逃げさせてもらうぜ!」
「なッ!?」
六人目の犯人の出現よりもアリアは、今まで目の前にいた武がいつの間にか数m離れた六人目犯人の銃をバラバラに斬り、背後で首筋に刀を突き当ている武の姿に驚いていた。
「悪いが犯人共…お前等を逃がす理由にはいかないな、人質を見張りにくいカウンターの後ろで拘束しているから怪しいと思ってたんだ、人質に犯人が紛れているってな」
「ヒッ!?」
斬られた銃と首筋の刀と武の眼見て犯人の顔が一瞬で青くなり、銃を捨て両手を上げた。
「た…助けて…ください…」
「よし、本当に完了だな」
「え…えぇそうね」
武偵校、職員室にて
アリアと一時的に別れた後、俺は銀行強盗事件の報告書を綴梅子先生に提出した。
「お疲れさん、怪我とかしてないな?」
「俺もアリア無傷です」
「そっか、もういいぞ」
「あ、じゃあ次私いいですか?武くん」
「え?」
綴梅子先生に軽く頭を下げ職員室の出口に向かおうとした時、高天原先生に呼び止められた。
「ブラッ…ゆとり先生、俺に用事ですか?」
「ちょ!?今は高天原ゆとりです!えっと、校長先生が武君が職員室に来たら校長室に来てくれと伝えて欲しいと言われたので」
「校長先生がですか?分かりました、失礼しました」
職員室を出て廊下を少し歩き校長室のドアの前に着き、数回ノックをした。
「緑松校長先生、武です」
「お来たね、入っておいで」
「失礼します」
高そうなドアを開け中に入ると立派な椅子に座る男性が珈琲を飲んで、微笑んでいた。
「久しぶりだね武くん」
「確かにそんな感じがします、それで俺に何の用ですか?」
「大した話ではないんだ、ただの世間話だよ」
「世間話?」
校長先生の前まできて、緑松校長先生は俺を見上げる形で話を続ける。
「そう、カグラ君達はどうだい?」
「カグラは武偵校に馴染んでいると思います、薊達はまだ転校したばかりですがきっと大丈夫です」
「信頼しているんだね」
「はい、家族ですから」
「そっかぁ、でもまた揺り籠事件みたいな事が起きたらどうするんだい?」
何時に無く真剣な顔になった校長先生に合わせ、自分も真剣になり質問を返す。
「全力で事件解決に当たります、もし俺の家族を傷つけたなら…俺はそいつ等を潰します…全力で」
「君らしい回答だね、でも君はあの頃よりも弱くなっている事を忘れてはいけないよ」
また気の抜けた顔つきに戻るが、俺はこのまま話を続ける。
「それは俺が一番分かっています、でもこの姿でも教務科より上です」
「その確認の為の蘭豹君との手合わせをしたんだろうが油断は駄目だよ、不死身の英雄アキレスが足の腱を射抜かれ死んだ様に君にも弱点があるはずだろ?」
「その点も理解しています、ですが仲間を見捨てる事は絶対しなくないんです」
「自分の弱点を理解しているなら安心だ、ありがとう帰っていいよ時間をとらせて悪かったね」
「いえ、失礼しました」
校長室を後にし、カグラ達が待つ寮に帰った。
「気をつけるんだよ武…いや銀夜叉君」