「…けるさ…たけ…ん…」
「…ん?…んん!?…おいおい…またか?…」
何時ぞやの時の様に夢の中で声に呼ばれ、そして夢の中で目を覚ます。
「夢の中で目覚ますって意味わかんねぇぞ…ったく…」
頭をかきながら辺りを見渡しても空と草原だけのみが、目の前に永遠と広がっているだけだった。
「でもまたあのレキに似た子が来たら絶対捕まえて色々聞いてやるぜ!…けどさっき俺を呼んだ声…前のとは違ってたな…」
「武さん」
「レキ!?」
俺の名を呼ぶ透き通る声は確かに俺のしっている人物の声で、振り向いた場所に何故自分の夢に前の夢で着ていた民族衣装に身を包んだ彼女がいるのか分からず、同様が隠せない。
「武さん…以前璃璃神から私の話をききましたよね?」
「レキの話?…璃璃神から?じゃあレキは本当にウルス族なんだな?つか璃璃神ってなんの事だ!?」
「…」
「え?」
俺の質問にレキは何も喋らず頷いて返し、そして俺の後ろを指指した。
「なっ!?」
ゆっくりレキが指指した後方に顔を向けると、そこには人より遥かに大きな獣がこちらを睨み横たわっていた。
「でっかい…い…犬!?」
「外見は狼です…武さん…そして彼が璃璃神です」
「え?…狼…これが璃璃神?」
(久方ぶりだな)
「その声!!…あの夢の時の!?」
鼻血を出し気を失い、保健室で休んでいる時に見た一回目の変な夢の時の声の主だと言う事に気が付く。
「なぁ…聞くが俺に何をさせたいんだ?…ウルス族の47人を俺に託してどうするんだ?」
「では率直に答えます、武さんと私の子供を産む目的です」
「こ!?こッ子供!?俺とレキの!?」
「はい」
耳を疑う発言を言うが、レキは全く表情を変えていない。
「なッ何で俺なんだ?…」
「それは璃璃神の意思、教務科を倒し武偵校最強の貴方の強い遺伝子を持った子供を産み、ウルス族を繁栄させる為です」
「巫山戯るな!!ッ…璃璃神の勝手な意思だろ!?レキ自身の気持ちはどうなんだよ?、レキだって嫌だろ?好きでもない相手とそんな事するの」
「私の気持ちは…私の中にある瑠璃色金の気持ち…」
「瑠璃…色金…」
「武さんが持っているのと同じです」
「な…なんでレキがその事を知ってるんだ!?」
「色金は元々銀色金一つでしたが長い年月を経て色金は複数に別れました、そして別れた中で私の瑠璃色金が一番武さんの銀色金に近い存在で互いの思考が繋がるんです」
「思考が…繋がる…」
「はい」
混乱する俺をよそにレキは無表情のまま、そしてゆっくり俺の方に近寄ってくる。
「さっき武さんは好きでもない相手といいましたが、それは間違いです…」
「な!?」
俺の少し手前まで来るとレキは軽く地面をけると、まるで彼女の周りのみ重力が消えたかの様に体が浮き目線が同じ高さになったレキの唇が重なった瞬間、レキの思いが頭に流れ込んでくる。
「伝わり…ましたか?…」
「あぁ…」
恥ずかしさでレキの顔を正面から見る事が出来ず、目をそらしながら答える。
「でも俺と一緒に行動すると…」
「大丈夫です武さんと一緒なら私は強くなれます」
「…」
「もう抵抗しても無駄ですよ?武さんの思いは判ってますから」
「…よろしく…お願いします…」
「大好きです、武さん」
結局レキに言い負かされ、自分の気持ちに素直になりレキを抱きしめどちらからでもなく唇を合わせた。