つか、ヒロインは誰にしよう…
武の指示通りにチャリから飛び降りた瞬間、俺はパラシュートを背負い空から現れた少女のお陰で地面との接触を免れたが爆風で武偵校内の体育倉庫まで吹っ飛ばされた。それで終なら軽い擦り傷と打撲、チャリジャックにあったから調査を頼むで今日が終わるはずだった。
「拳銃だけじゃ火力が…」
俺と一緒に体育倉庫まで吹っ飛ばされた少女と共に防弾の跳び箱の中に入り、さっきの銃付きセグウェイ達にガバメント2丁とベレッタ1丁で反撃をしている。
「一体どんなけいるんだよ…こっちの弾がもたないぞ!?」
「弱音吐く前に撃つ!!数を減らさないと何も変わらないわ!」
ピンク色の長い髪をツインテールに縛り、小柄ながらも男性バリに勇敢な少女にどやされながら引き金を引く。
「ハァ…こう言う時に武が居てくれれば…」
リロードの為跳び箱の中に完全に隠れ、マガジンを変えながら呟く。
「タケルって自転車の後ろにいた?」
アリアもリロードするべく跳び箱の中に入ってきた。
「そう強いしアイツは頼りになるんだ、ここに居たらきっとこの状況を何とかしてくれるはずだ」
「ランクは?どの位強いの?」
「強襲科のSランク、実力は知らないが噂だとSランク最強とか教務科以上とか色々言われてる」
「面白そえね、1度会ってみたいわ!」
「ならまずはあの玩具を何とかしないと、多分さっきの爆発でその辺で気絶してるはずだ」
「そうね!」
再び反撃の為に跳び箱から身を出すと目の前で起きた事に驚き、言葉を失い動くことも忘れてしまった。
『なッ…』
軽く20台以上はあった銃付きセグウェイがいつの間にか真っ二つに切り裂かれて、体育倉庫の入口に刀を持ち瞳が赤く蛇の様になっている武の姿が目に入った。そして武が刀を鞘にしまうのと同時にセグウェイが爆発した。
「フー、大丈夫かキンジ?」
「武!サンキュー助かった!」
子供がテレビのヒーローの登場シーンに興奮する気持ちがよく分かるが、多分命拾いしただけでなく武が無事だったのもあり興奮、感激しているのだろう。
「良かった、無事だ…ん?」
「な!?」
武との感動の再開をしている時に銃声のあと俺の背後から武の頭目掛け弾丸が飛んでいくが、それ以上に驚いたのはその弾丸を武は[素手]で受け止めた。
「おいおい危ねぇな、当たったらどうすんだよ?お嬢さん」
「刀に自身があるかと思って試したけど…まさか刀で弾くんじゃなく素手で掴むなんて…アンタって一体何者なの?」
キンジの体で見えなかったが、銃口から硝煙が出ているガバメントを構えるツインテール少女がこの弾の持ち主らしい。
「見知らぬ人にハジキを撃っておいてそれか?…」
握っていた弾を地面に落とし、武の表情が険しくなりその場の空気が重くなった。
(おいおい…武の奴何で殺気出してやがる…結構マジじゃねぇか?)
「キンジを助けてくれた事には感謝してる…だがな…人としてやっちゃならない事があるんだぞ?…」
「あらそれは悪いことをしたわね、でも冗談が通じないつまらない男って事は分かったわ」
ツインテール少女も負けじと殺気を出し武の事を煽っていて、すぐにでも乱闘がおきそうな感じになってきている。
「お前…ずっと殺気だしてるな?外でろ、闘るなら相手になってやるぞ」
「アンタこそ殺気をたしてるじゃない、いいわ獲物を撮られてむしゃくしゃしていたのよ」
殺気立った武は2人揃って体育倉庫の外に歩き出した。
「おい!待て2人共!!」
「キンジは」
「アンタは」
『黙って「いろ」「なさい」』
「ウッグ…」
蛇のような目をしている武とマジな目をしている少女に睨まれ体が動かなくなり、ただ外に向け歩き出す2人を見るしか出来なかった。
「歳下(インターン)だろ?手加減してやる、何時でもかかってきな」
「アンタも…」
「ん?」
「アンタもキンジとか言う変態と同じ事を言うのね!!私は高2だぁ」
怒りの雄叫びと共に太もものホルスターからガバメント2丁を取り出し、そのままこちらに撃ってきた。
「そりゃあ失礼したなッ」
弾丸をかわしながらツインテール少女との間合いを詰める。
「やっぱりアイツ早い…そんなに格闘戦が希望なら…」
マガジンが空になってしまいリロードしている暇がないため銃をしまい、変わりに背中から小刀を2振り取り出した。
(コイツ、刀も使うのか)
「本気出さなかった事後悔させてやる!」
「悪いが一瞬で終わらせてやるよ、お嬢さん」
小刀を横薙ぎに振るうがしゃがみこんでかわし、そのまま体重の乗ったツインテール少女の足を足払いし少女を転倒させる。
「なっ!?」
あまりの早さに少女は未だに何が起こったのか理解出来ていない様だ。
「俺の勝ちだな」
小刀を取り上げ背中のホルスターからクリスベクターの取り出し、少女の眉間に銃口を当てる。
そして…
「おい!武やめろ!!」
引き金を引いた。