昨日のアリアの指示通りに奴隷(パートナー)を決める為の依頼を受ける事になったが、運が良くか悪くか銀行強盗立てこもり事件の緊急の依頼が入ったためそれを受けることになった。
「今回の作戦について説明するぞ」
銀行の見取り図を仮設司令室として設置され、二人しかいないテントに置かれた長テーブルに広げアリアに見せる。
「ねぇ、何でアンタが仕切ってるのよ!」
この状況に納得のいかない向かい側に立つアリアがテーブルをバンと叩き、講義をしてきた。
「仕切るも何も二人しかいないんだからいいだろ?なるべく被害を少なくする為に他の警官は突入出来ないんだし…銀行の周りにはいるけど」
「でも…ちょ!?フ…フニャ〜」
「ゴロゴロゴロ〜」
頭に血が上りこのままだと話が進まないと判断しまたアリアの喉元を摩ると、気に入ったらしく受け入れる。
「ち…ちょっとやめ…フ…フニャ〜」
「俺が指揮するのをOKしたら辞める」
「わ…分かったから…やめ…フニャ〜」
ひとまず引き下がる様なので摩る手を止め、再び図面を見つめた。
「監視カメラを遠隔操作して中の様子を見たが犯人は五人、銃で武装して丁度カウンターの前にいる」
指で図面のカウンターの場所を指し示す。
「人質はカウンターの後ろで拘束、んでこれが犯人の武装だ」
プリントアウトした犯人の写真をテーブルの上に置いた。
「AK47とウィンチェスターM1897がそれぞれ二人…ベネリM4が一人…それに防弾ベストまで…」
明らかに異常な武力にアリアの顔がゆがむ。
「こんな銃持ってたら警察官やSWATじゃ手に負えないし怪我人がでるわねそれで、犯人の要求は?」
「燃料満タンのヘリに仲間の解放と空港に飛行機を用意しろだ、高飛びするきだな」
「仲間?」
「あぁ数日前に俺が担当した武装ヘリ誘拐事件の犯人が奴らの仲間らしくてな」
「武装…ヘリ…」
口元に手を当て少し考えた後、以前の俺と同じ
事を思った様だ。
「多分支援者がいるわね」
「アリアもそう思うか?」
猫や犬を撫でる様に無意識にアリアの喉元に伸びた手を睨まれながら、払われてしまった。
「…それで作戦は?」
「…ご丁寧にカウンターの裏に人質いるんだしフラッシュグレネードで目を潰してその隙に」
「でも…」
「でも闇雲に撃たれて跳弾等の危険があるだから、ちょいと手荒な作戦で行く」
言葉を被せアリアにその作戦を話すと驚いた
顔をした後、ニッコリと笑い承諾してくれた。
「アリア、これ」
「ん?これは」
アタッシュケースから取り出した物をアリアに手渡すと、自分に渡されたソレをマジマジと見つめた。
「コーナーショットね」
「使った事あるか?」
「えぇあるわ」
「じゃあ中の様子は頼む」
互いに耳にインカムを付け拳を軽くぶつけ合い、自分のポジションに付いた。
「全く…アイツはなかなか面白いことを考えるわね…」
一足先に自分のポジションである銀行の正面側の窓に着き犯人達からバレない様しゃがみコーナーショットを曲げ、カメラで中の様子を確認しながら武の作戦を頭の中で確認する。
「いいか?絶対に犯人達が対応出来ない奇襲をかける」
「奇襲?…」
「そうだ、犯人が引き金を引く事すら出来ない程に迅速且つ安全な奇襲だ」
「随分と自信があるようね?」
「勿論じゃあ作戦内容を話すぞ」
ボールペンで見取り図のカウンターの前の天井当たりに、直線を引いた。
「この線は?」
「これは最近取り付けた防弾防火シャッターの位置だ、丁度カウンターが隠れる様になっていて俺がこれを下ろし終えたら天井の通気口とアリアが正面からの二手から奇襲するんだ!!」
「別方向からの同時の襲撃…いいわ!タイミングはアンタに任せるわ」
「犯人の位置は…変わってないわね…」
作戦内容を頭の中で確認した後ふたたびコーナーショットを使い中を見るが、特に変わった様子はなく人質は無事だ。
(準備はどう武?)
(シャッターを下ろすから入口の中から見えなくて、何時でも中に入れる所にいてくれ)
「了解!」
幾つか開いている窓のうちの丁度入口の近くにあり、武が下りてくる通気口の反対側で突入後に上手いこと犯人達を撹乱出来る為、その窓の近くで待機した。