BETA万能説   作:(やる気をだした)かわいそうなニー友達

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第ニ話 BETAを見つけた。

 

 

 ケイ素生物とは、何か。

 

 最近よくそんな疑問が浮かび上がってくる。自分自身について感潜るようで不思議な気持ちだが、実際気になってしまうのだ。

 

 あの神様とやらには、この世界がマブラヴの世界だと聞いた。まあ、だからなんだという感じなのだが。

 別にマブラヴをプレイした事はないし、深い所まで知っている訳もない。知識としては色々仕入れたがな。

 

 戦術機やらキャラクターやら何やら。マブラヴを知った切っ掛けが戦術機なのだから知ろうと資料漁りにいったのは勿論、女の子の画像が可愛くて色々調べていた。

 そしてその延長線上にて『BETA』の画像も発見。此方も調べていった。

 

 その結果得たものは、BETAとは自分の意思を持たない、そして"ケイ素生物"というBETA達が認める生命体がいる、という事。その他にも戦術機のコンセプトなども知った。

 

 ケイ素と言えばシリコンだ。あの変幻自在に使える魔法のアイテム……とまでは行かないが、結構応用が利く。人体の中に仕込む事も出来る数少ない組織だ。

 その性質は『硬さ』と『融点の高さ』そして、『半導体』としての利点だ。

 フッ素には弱いらしいが、これらの特徴を持ち合わせてかつ生物としてギリギリ実現そうなのだから、化学は恐ろしい。

 とは言え実際には厳しい環境条件が必要ならしく、実際に存在はしないとされていたが。

 

 そしてここが本題。

 

 そんな『存在しないと思われていた』実物がここに、自分自身が証明素材となって存在する。

 炭素形成で存在維持している地球人とは、全く異なる構成な訳だ。しかし、何かがどうもおかしい。

 

 以前にも言ったと思うのだが、俺は今適当な惑星に寄生して創造能力で家を製造して、そこに住み着いている。

 誰もいない無人島ならぬ無人星なので人の存在は勿論、食料もない。なんでカップ麺を創造して食ったのだが。

 

 やかんは触れば普通に熱かったし、カップ麺も3分経ちたては熱かった。

 部屋の扉に指を挟めば普通にというか超痛かったし、眠気が酷い。死ぬ前の人間の時と同じような感じなのだ。

そこで疑問に思う。

 

 

  ケイ素生物とはなんだったのか。

 

 

 地球人が提示した特徴は何にも具現化しておらず、睡眠や疲れ具合はもはや悪化しているほど。ニート生活をしていて疲れているとはこれ如何に。

 

 しかし疲れるものは疲れるのだ。特に創造能力を使った後が酷く、その後30時間寝てしまうなんてザラだ。最近はその時間も多少は縮んで来たが、多い事に変わりはない。

 

 今だってそうだ。吐き気が酷くて眠くて、ふかふかベットの上に寝転んでいる。しかしそう簡単には寝られないらしい。最近使い過ぎてしまっていたのか、強めの睡眠薬ですら就寝に着くには物足りない。

 

 ふと、小窓から外を覗き見る。

 なんの変哲もない、深い青の空だ。死ぬ前人間だった頃にもよく見た、当たり前の景色。しかし彼処から見えた星の数々はなく、変わりにと紅い点々が無数に浮かんでいた。

 

 

「……んん? 無数の点々?」

 

 

 ふむ、何だろうか。もしやアンタレスの親戚がここら辺には多数存在するのか。いや、もしかしたらただのチリの集団かもしれない。

 のだが……なんとなく、あれはBETAなんじゃないかと、本能が訴え掛けていた。

 

 いやいや、そんな筈はないと理性は否定する。

 何故なら自分はまだ赤色BETA、『戦車級(タンク)』のBETAは創造していないからだ。

 俺が創造したのは精々『重頭脳級』が5万。しかも一日に3体のペースで、200年弱作り続けてそれだ。

 はっきり言ってあれは地獄の作業だった……が、目の前に存在する紅斑点は少なく見積もって百は存在する。星単位で離れていてもあれだけ赤々しいと言うと言うと、もしもあれが戦車級だった場合相当な数になる。その際の総数は今の重頭脳級の数を軽く超える。

 

 俺は好奇心に負けて、双眼鏡を創造してそれを覗き込む。

 大型望遠鏡に匹敵するほどの倍率を持つ双眼鏡だ。最初に作ったベースの双眼鏡のベースは普通の倍率だったが、念じる事で高倍率に改造されていた。妙に疲れた気がしたが、気にしない。

 

 

「……マジかよ」

 

 

 紅斑点の正体が自分の予想通りだったせいで、身体が固まってしまう。

 しかもその惑星では戦車級のBETAそして闘士級のBETAが、何やら猫耳の少女やら小さな男の子やらを食い千切っていた。はっきり言って胸糞悪い。

 

 俺はすぐさま多数の重頭脳級の統括を任せていた『中枢司令級α型』へと生体回線を繋げた。

 彼は最初期に造られた重頭脳級の一体で、この『家』の地下にて情報を整理している、言わばメインコンピュータのような存在だ。

 彼を通してケイ素生物である俺とBETA達との意思の疎通が行われる。彼を通さなければ自分の意思は彼らには伝わらず、彼らの意思も此方へ伝わらない。

 しかし彼らBETAは重頭脳級を除いて意識は存在しないとされていた。そしてその重頭脳級だって俺が指示を出さない限り農業開拓をしてろとの指示を出して入る。故に俺が指示を出さない限り、彼らが何か新たな行動を起こす事はない筈なのだ。

 

 だから当然α型から帰ってくる答えは『NO』

 彼らが新たに生み出した『生産級』の他には何も製造していないし、動いてないと言う。

 

 『生産級』とは地球人によく似た形のBETAで、知識はそれなりにある。畑を耕し、大工仕事をして、森林管理をする。

 詰まる所縄張り管理しかしておらず、そもそもそれしか出来ないため、彼らが戦車級と共に活動すると言う事もない。

 

 戦車級級はそもそも造られていない。そして自分たちは全員自治管理しかしていない。

 だがあの惑星にて蹂躙を行なっていたのは紛れもなく、BETAだ。なのに我らBETAは、何処も動いていない。

 

 

 だとすれば一体、アレは何だと言うのだ?

 

 

 そこまで考えて自分の思考の中に、ある一つの可能性が浮かび上がってくる。

 

 

「……いや、しかし、まさか」

 

 

 自分達が動いていない。もしも下の者が勝手に動いていると仮定しても、それは生体リンクによってα型に事前に察知される。

 俺たちは、何もやっていない。ならば動いているのは誰か。

 

 

「俺の他にも、BETAを統括する者がいる……?」

 

 

 そう考えせざるを得ないのが、現状である。

 此方は動いていない。それを仮定するならば問題点は内側に有るのではなく、外にあるのだ。

 自分たちを全体と考えるのではなく、自分たちは一部だと言う考えの元に成り立った回答だ。この宇宙にはなにも、自分たちしかいない訳ではない。

 

 地球人だって、自分たちだって、先ほどのネコミミだっている。色んな種族の生物がいるのだ。

 そして中には、自分のように転生した者もいるかもしれない。

 

 あの攻撃的なBETAが一体どこの勢力に属するのかは分からない。もしかしたら自分以外の転生者の勢力かもしれないし、オリジナルのケイ素生物達の勢力かも知れない。

 

 だが、何処の勢力か分からないからと言って、見過ごす事は出来ない。

 

 これでも元は日本人だ。困っている人がいれば気にかけるし、それが死に繋がるものだったら尚更だ。

 平和ボケしているのかもしれないが、それはそれで性分なんだ。俺たち、日本人の。

 

 

「——α、プランFを開始しろ」

 

 

 生まれて初めての、賭けに出ようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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