怪盗として、夜の世界で暗躍するうちに、彼女は多くの怪盗に出会った。
しかし、多くは、怪盗の美学に反していた。
名誉ある怪盗のトイズを受け継いで生まれた彼女は、全ての怪盗の頂点に立つことを望んだ。
(あたくしこそ、怪盗達の女王に相応しき者…)
そして、ある日、とある博物館で―
「へへっ、いただきっ」
帽子をかぶった青年が手を伸ばした。
「そうはさせない!」
日本刀が降りかかってきた。
「危ないじゃねーかよ!」
「あ゛~、美しい僕が~!」
いかにもナルシストな男が泣き叫んだ。
「その『
「違う!このラット様が!」
「ノンノン、この美しい僕・トゥ~エンティが!」
それぞれのトイズが小さな部屋に炸裂した。
三人の様子を笑いながら、見ている人がいた。
「フフフ…みっともないですわ。怪盗は、もっと優雅でなくてはなりませんのよ…」
「誰だ!」
「あたくしは、怪盗アルセーヌ」
「かっ怪盗…」
「アルセーヌ…!?」
「本物なのか…?噂でしか聞いたことがないのだが…」
ふと降り立った
「あたくしが教えて差し上げますわ。…『幻惑』のトイズ…」
花びらが舞い散った。
―ここは…?トイズなら、俺の刀が…。なっなんだ!?―
―ああ、俺、猫に捕まったみたいだ…―
―美しい僕よりも美しいなんて…―
怪盗アルセーヌは、『
「はっ!俺たちは、一体何をして…」
ストーンリバーが最初に口を開いた。
「あたくしは、怪盗の頂点に立ち、全ての怪盗のための国…その名は、怪盗帝国…を築こうと考えていますの。あなた方は、あたくしの従者に相応しいですわ。どうかしら?あたくしの従者になるのは…」
始めに動いたのは、トゥエンティだった。
「…この美しい僕、トゥエンティは、美しいアルセーヌ様に忠誠を…」
続いて、ラットが
「火炎使いのこのラットもアルセーヌ様に忠誠を誓う…」
最後にストーンリバーが右手に日本刀を差し出して
「私の刀は、アルセーヌ様を守るためのもの…」
三人が頭を下げたのを見たアルセーヌは、満足した表情で
「怪盗帝国に歯向かうものに鉄槌を下すのですわ!そして、怪盗を怪盗たらしめる怪盗帝国を我らの手に!」
高らかに宣言した。
「では、参りますわよ。ストーンリバー、ラット、トゥエンティ」
4人は、風のようにその博物館から消えた。