怪盗アルセーヌの溜め息   作:アリス・リリス

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第二話~怪盗帝国~

怪盗として、夜の世界で暗躍するうちに、彼女は多くの怪盗に出会った。

しかし、多くは、怪盗の美学に反していた。

名誉ある怪盗のトイズを受け継いで生まれた彼女は、全ての怪盗の頂点に立つことを望んだ。

 

(あたくしこそ、怪盗達の女王に相応しき者…)

 

そして、ある日、とある博物館で―

 

「へへっ、いただきっ」

帽子をかぶった青年が手を伸ばした。

 

「そうはさせない!」

日本刀が降りかかってきた。

 

「危ないじゃねーかよ!」

「あ゛~、美しい僕が~!」

 

いかにもナルシストな男が泣き叫んだ。

 

「その『黄金の女神(ゴッデス・アウレラ)』は、このストーンリバーが頂く!」

「違う!このラット様が!」

「ノンノン、この美しい僕・トゥ~エンティが!」

それぞれのトイズが小さな部屋に炸裂した。

三人の様子を笑いながら、見ている人がいた。

 

「フフフ…みっともないですわ。怪盗は、もっと優雅でなくてはなりませんのよ…」

 

「誰だ!」

「あたくしは、怪盗アルセーヌ」

「かっ怪盗…」

「アルセーヌ…!?」

「本物なのか…?噂でしか聞いたことがないのだが…」

ふと降り立った美しき女神(アルセーヌ)に三人は、驚きを隠せなかった。

 

「あたくしが教えて差し上げますわ。…『幻惑』のトイズ…」

 

花びらが舞い散った。

 

―ここは…?トイズなら、俺の刀が…。なっなんだ!?―

―ああ、俺、猫に捕まったみたいだ…―

―美しい僕よりも美しいなんて…―

 

怪盗アルセーヌは、『黄金の女神(ゴッデス・アウレラ)』を左手に持ち、右手でカチッと指を鳴らした。

 

「はっ!俺たちは、一体何をして…」

 

ストーンリバーが最初に口を開いた。

 

「あたくしは、怪盗の頂点に立ち、全ての怪盗のための国…その名は、怪盗帝国…を築こうと考えていますの。あなた方は、あたくしの従者に相応しいですわ。どうかしら?あたくしの従者になるのは…」

 

始めに動いたのは、トゥエンティだった。

 

「…この美しい僕、トゥエンティは、美しいアルセーヌ様に忠誠を…」

続いて、ラットが

「火炎使いのこのラットもアルセーヌ様に忠誠を誓う…」

 

最後にストーンリバーが右手に日本刀を差し出して

「私の刀は、アルセーヌ様を守るためのもの…」

三人が頭を下げたのを見たアルセーヌは、満足した表情で

 

「怪盗帝国に歯向かうものに鉄槌を下すのですわ!そして、怪盗を怪盗たらしめる怪盗帝国を我らの手に!」

高らかに宣言した。

 

「では、参りますわよ。ストーンリバー、ラット、トゥエンティ」

4人は、風のようにその博物館から消えた。

 

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