ミルキィホームズの活躍は、著しいもので、横浜・七大怪盗の一人、トイズ『狩人』のウェルディを捕らえるほどだった。
「おめでとう、ミルキィホームズ」
「ありがとうございます、アンリエットさん!」
「私たちは、これからも頑張って残りの大怪盗、ナディア、ジャンヌ、ギーダー、イリーシェ、シンドバット、そして、アルセーヌを捕まえます!」
「頼もしいですわ」
アンリエットは、微笑んだ。
(あたくしを捕まえるのは無理ですわ…)
また、何度もアルセーヌと対峙してきた。
「ミルキィホームズ、また会うことができて、嬉しいですわ。でも、あたくしは、行かなければなりませんの…。また今度会いましょう…」
「待ちなさい、アルセーヌ!」
「ごきげんよう…」
アルセーヌは、フッと消えた。
(なぜかしら、ミルキィホームズと戦えるなんて嬉しいと思うのかしら?)
初め、怪盗のプライドを守るため、怪盗帝国を束ねる者として捕まるまいという気持ちでミルキィホームズと戦っていたが、次第にミルキィホームズの力を認めていった。
そんなミルキィホームズと対決する日々が永遠に続くと、思っていた。
しかし、ある時崩れてしまう。
あの日は、確か嵐の日…。
アンリエットとして、彼女達が女大怪盗・トイズ『神風』のジャンヌと大怪盗・トイズ『海流』のシンドバットを捕まえた功績を讃えたあの日の夜だった。
夜になって、天候が変わった。
しかし、あの日も怪盗アルセーヌとしてミルキィホームズの目の前に舞い降りた。
「怪盗アルセーヌ!今日こそ、捕まえるです!」
シャロが叫んだ。
「シャーロック・シェリンフォード、私からこの『
「言われなくても!」
「コーデリア・グラウカ、せいぜいあたくしを楽しませてほしいわ」
「たっ楽しませるって…」
「エルキュール・バートン、あたくし達は共にトイズを持つ者。だから、トイズをぶつけ合うのです」
「つべこべ言わないで、さっさとやろう~」
「そうですわね、
ゴロゴロッ!
雷がなり始めた。
「そろそろ、あたくしは行きますわ」
フッとアルセーヌは消えた。
「待てっ!」
ゴロゴロッ!
雷がミルキィホームズに落ちた。
その時、アルセーヌには何が起きたのかわからなかった。
その後、ミルキィホームズがトイズを失ったことを知った。
「トイズを失うなんて、探偵としてダメダメのダメダメですわ。屋根裏へ部屋を移させていただきますわよ。トイズが復活するまで、自室には立ち入り禁止ですわ」
アンリエット=アルセーヌは、薄笑いをした。