頑張ります(/・ω・)/
ブラウセン帝国皇帝居室
ここでは、数日前に先帝より皇位を引き継いだ若き少年と少女が先帝との談話後、国民派軍将校が来るまで執務を取っていた。
「ジーク、この先国民議会と話すとこの間言ってたけど具体的な方策はあるの?」
先帝からの談話の際にも傍らの少女は思っていた疑問を少年に聞いた。
「あまり考えというものがあるわけじゃないけどね。まずは・・・」
少年が自分の考えを隣の皇帝妃に話そうとした時、1人の衛兵が現れた。
「皇帝陛下!皇帝妃陛下に報告します。国民議会の将校を名乗るものが現れました。」
「そうか、謁見室に通しておいてくれ。」
「了解しました。」
そういって少年は話を打ち切り、少女を伴って謁見室に向かった。
帝国謁見室
そこには、衛兵の他にブラウセン帝国の軍服をまとった2人の老年の男たちが皇帝と皇帝妃が入ってくるのを待っていた。
そしてジークとミーナは謁見室に入室した。
「ブラウセン帝国皇帝、ジークフリート・フォン・ブラウセン陛下、ヴィルヘルミーナ・フォン・ブラウセン陛下入室!」
衛兵が叫び、老年の男達は最敬礼を取った。
そしてジークはその男達に語り掛けた。
「卿らが国民議会とやらの将校か?」
その声に無精ひげを生やした老年の男が答えた。
「その通りです、陛下。我々は貴族号も有しますが、民草のことを考えて決起いたしました。」
「卿は確か、我が帝国軍参謀総長だったはずだな。モーリス・フォン・ベルンハルト上級大将。」
「その通りです。」
その皇帝と元臣下のやり取りに妃(代理)となった少女は瞠目し、そして叫んだ。
「ベルンハルト上級大将!あなたは伯爵でもあり、我が国南部領の旗頭だったはず。どうして・・・」
その少女の言葉に答えたのはベルンハルト上級大将のとなりにいるもう一人の老年の将校であった。
「黙れ!小娘!貴様に何が分かる!」
その言葉に周囲にいた衛兵が発言した将校に対し、槍や拳銃を構えた。
「ベッケンバッハ卿!不敬だぞ!」
「シャッハ・フォン・ベッケンバッハ大将。私の伴侶に何をする気だ。」
そのジークの声に一層敵意を剥き出しにしてベッケンバッハ大将と呼ばれた男は叫んだ。
「黙れ!小僧!貴様などに名を呼ばれる筋合いはない!」
その言葉に衛兵が槍をベッケンバッハ大将の胸元に向けた時だった。
「ベッケンバッハ卿、貴様は黙っていろ。」
ベルンハルト上級大将が衛兵とベッケンバッハ卿の両方に向けて喋った。
「ベルンハルト卿。卿が国民議会代表であることは分かった。そしてベッケンバッハ卿が私とミーナに思うところがあるのはな。だが、本題はそこではないだろう。要件を話そうではないか。」
その言葉に男は敬礼し、話し始めた。
「畏れ多くも陛下に対し害意を抱くことなどありませぬ。本題に入りましょう。我が領土も含まれる南部領を含めた帝国について、国民による議会を政府とし、皇帝陛下の治世を正そうというのが我ら国民議会派の考えであります。」
その言葉にジークはしばし考えた末、返答した。
「その場合、皇帝位はどうなるのだ。」
「されば、国民の尊敬の対象として残るでしょう。」
そう男は答えた。
「だが、実権がないのでは皇帝位は諸外国からも認められんことは卿も承知のことだろう。妥協点を探そうではないか。」
皇帝の言葉に男はしばし逡巡し返答した。
「では、どうせよとおっしゃられるのか。この宮殿に国民議会の兵が雪崩れ込んでもよいとおっしゃるのか。」
その老年の言葉にジークはミーナにも話してなかった自分の考えを話すときと思った。
「簡単なことだ。内政については、北部・東部・西部は帝国貴族領。卿と考えを同じくする者達が住む南部領は個別に領主を議会で選べばよい。そして中央政府として内閣の組閣を許可しよう。ただし、軍権については皇帝が握るものとし、兵の徴募も貴族領以外では行わない。これでどうだろうか。」
その皇帝の言葉にベルンハルト上級大将は考え込み、代わりにベッケンバッハ大将が叫んだ!
「そんなもの、現帝国皇帝が宰相を任命し各地方領を貴族が牛耳っている体制と変わらんではないか。」
「おとなしく話が出来んな。その男を別室に連れて行け。」
ジークの言葉に衛兵は迅速に対応しベッケンバッハ大将は別室に連れて行かれた。
その間、考えこんでいたベルンハルト上級大将が口を開いた。
「確かに。徴募を行わないのであれば負担は減りますな。しかし、南部領の民草も同じ帝国臣民であることに変わりはないはず。」
「もちろんだ。現在の師団規模から連隊規模に減らした上で駐屯させる。」
「なるほど。」
「それと、これは会談後、発表されるが卿らと卿と志を同じくする者の貴族号は取り消す。」
その言葉にベルンハルト上級大将はうなずいた。
「我々も貴族号を有したまま、民草と共にあるのは違和感を感じていました。ありがとうございます。」
「そして国民議会だが、このヴィルヘルム宮殿の周辺で空いた部屋がある。そこを改築して議場とするとよかろう。」
「重ね重ねありがとうございます。」
「そして、これも要件に入れたいが、軍権を握るという以上閣議には新たな陸軍参謀総長と侍従武官長を列席させてほしい。勿論大本営会議に国民議会内閣も参加させよう。」
その皇帝の言葉にベルンハルト上級大将は瞑目し、喋った。
「陛下、このあたりが妥協点ですかな?」
「そうだな。また不都合があればその度に協議しよう。その際は首相が謁見するといい。」
「かしこまりました。では、伝声魔導にて宣言いたしましょうか。」
そういって伝声魔導の術式を展開した。
「私は、国民議会臨時代表 モーリス・ベルンハルトである。本日皇帝陛下に謁見し、国民議会派との和睦を得た。諸君!戦闘を停止せよ。」
「私は、皇帝ジークフリート・フォン・ブラウセンである。本日国民議会の将校とこの国のあり方について協議し、合意を得た。新たなブラウセン帝国の幕開けである。諸君!同じ国民で砲火を交えるのを止めよ。」
この両者の伝声魔導による宣言の翌日、後世歴史書にブラウセン帝国国民争乱と記述される同国内の内戦は終結した。
ちょっと展開早いですかね?
感想よろしくお願いいたします。