教員「それではカルテット、『
当日、11区の中央にある車道交差点の脇に、間宮班と高千穂班の計8名が集まっていた。
その様子を剣護と理子は近くの建物の屋上で見学していた。
理子「ねえねえ、ツッキー。どっちが勝つと思う?」
剣護「あかりたち」
理子「そ、即答なのね……でも高千穂班の方も結構手練れがいるけど」
剣護「大丈夫だって。俺らが鍛えたんだぜ?」
理子「まーそれもそだねー…」
剣護「あとは信じるだけさね」
アリア「……そうね」
その頃あかりたちは公園から裏路地に進んでいた。
いつどこから待ち伏せされているか、あかりたちは神経を張り詰めさせながら進んでいたとき、あかりの左右の膝の裏に衝撃が走る。
倒れ込んだあかりは相手を確認するとそれは先ほどすれ違った女子高生に変装していた愛沢姉妹だった。
志乃「あかりさん!」
ようやく志乃が気づいて振り返るが、すでにあかりの旗は折られてしまっていた。
湯湯「トドメよ!」
夜夜「うん!」
あかり「よいしょっ!」
湯・夜『なん……だと……!?』
あかりの首を絞めようと迫った愛沢姉妹だが、あかりはするりと2人の間を抜け出して離れた。
その隙を逃さないかのように志乃が2人にランニングネックブリーカードロップを決めてぶっ倒し、湯湯にスピニングトーホールドで足を封じ。夜夜の足に鎖分銅を投げて捕らえた。
湯湯「あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!」
志乃「いや、話さなくて結構です。あかりさん、ここは私が引き受けます。あかりさんたちは先へ!」
あかり「うん……!わかった!」
あかりは志乃からフラッグを受け取るとそれを握りしめ、北へと走り出した。
一方で公園の林ではライカと麒麟が陣取り、あかりからの状況報告を受けていた。
麒麟「お話を伺うに、愛沢姉妹の動きは遊撃的でしたわ」
ライカ「守備に最低1人は必要だから、あと1人攻撃手がいるな」
陽菜「左様。それが某にござる」
ライカ「!」
背後からの気配にライカが振り返ると木の上に風魔がぶら下がっていた。風魔は両手を合わせるとオジギする。
陽菜「ドーモ、火野ライカ=サン。風魔陽菜です」
ライカ「…………なんでアイサツ?」
陽菜「あっ……し、失礼した。最近借りた漫画のものでつい……」
ライカ「アッハイ」
風魔はブンブンと首を振り地面に降り立つと、麒麟の方へと苦無を投げつけようと振りかぶる。
陽菜「お覚悟!」
麒麟「ひっ……!」
ライカ「フッ!」
ライカは振り返るのをやめて地面を強く蹴ってバク転し、背面サマーソルトキックを放った。風魔は頭上で両手首をクロスさせ蹴りを受け止める。
ライカ「戦妹は戦姉が守る!」
ライカはトンファーを風魔は苦無を構え、お互いに睨み合う。
陽菜「……島殿は、お手が土で汚れている様子。フラッグは近くに埋めてござるな」
ライカ「目がいいな……でも、今はアタシと合わせろ!」
陽菜「目は潰すものでござるよ」
風魔は足元から土煙を発生させライカの視界を遮る。土煙で何も見えなくてもライカは集中を切らさず逆に一層集中を高める。
その中で風魔は短い腕使いで苦無扱い刺すように突く。ライカはトンファーで冷静に捌いていく。
カキンッ!
ライカ「せぇあ!」
陽菜「ぐっ!?」
ライカが苦無を受け流すと風魔は一瞬だが体勢を崩す。そこを見逃さずライカは蹴り込み、風魔を吹っ飛ばした。
陽菜「い、今のは……なかなかでござる……」
ライカ「あぁ、アタシの
ヨロヨロと立ち上がる風魔にライカはトンファーを構えて叫ぶ。
ライカ「みんなを信じて……ここは守り抜く!」
麗「……来たのね」
あかりは高千穂班が拠点にしている工場現場に来た。そこには敵の目のフラッグと高千穂が居た。
高千穂はあかりが動けない様子を見ると話しかけ始めた。
麗「私ね、神崎アリアに戦姉妹契約をお願いしてたの。でも、戦姉妹契約試験でつまづいちゃって。その後いくら契約金を提示しても、ダメだったわ」
あかり「…………」
麗「でも、今はアリア先輩と戦姉妹にならなくて良かったと思ってるわ。お前を戦妹にするなんて……錯乱されたとしか思えないもの」
あかり「…………」
麗「まあ今はそんなことはいいわ……見せてあげる。私自身の実力を!」
あかり「っ!」
そう言って高千穂はスーパーレッドホークを連射するが、あかりは銃弾を避けていく。
麗「回避能力はなかなかのものね…」
麗はリロードして撃ち、あかりは回避しつつ後退して近くにあったバイク、『DN-01』を盾にして呼吸を整えつつ、UZIをスカートから取り出そうとするがやめた。UZIだと弾は届くだろうが速射性ゆえ命中率は高くなくさらにこの距離だと1発も当たらないだろう。そこであかりは腰に手を回しもう1つの銃を取り出した。
ファイブセブン。装弾数20発のハンドガンで貫通力が高い。これは剣護が特別にあかりに自分のを貸したものである。
麗「バイクごと吹っ飛ばしてやろうかしら?壊しても、賠償すればいいものね」
高千穂はゆっくりと銃口を下ろす。あかりのいるバイクの方へと狙いが付けられたその時だった。
\Awakening/
電子音が聞こえたかと思ったら急にあかりの隠れていたバイクのエンジンがかかったのである。
あかり「へ?」
麗「え?」
ドルルルンッ!と動き出したバイクに2人はポカンとしていたがすぐにあかりは好機と言わんばかりにそのバイクに飛び乗った。
あかり(ごめんなさい!少しだけ……1分だけ貸して!)
麗「くっ!」
高千穂は驚くもすぐに銃を構えて撃った。スーパーレッドホークの弾はあかり目掛けて飛ぶがバイクの動きによってあかりのこめかみを掠めただけに終わった。
しかし衝撃は殺せず、あかりは後方に仰け反ってしまうが歯を食いしばりなんとか持ち直して再びハンドルを握る。こめかみから流れる血を気にせずに、ただ前を向いてあかりは叫ぶ。
あかり「落ちるもんかぁ!」
あかり『落ちるもんかぁ!』
ヘッドセットから流れるあかりの叫びを聞いた麒麟は勢いよく茂みから飛び出した。
麒麟「ととのいました!」
そう言うと麒麟は風魔と対峙しているライカに全体重を乗せた胴タックルでライカもろとも吹っ飛び落下防止用の手すりを飛び越えて落下した。
ライカ「わあぁっ!?」
空中に投げ出された2人は下にあった花屋のビニールの庇にバウンドし、信号待ちしていたトラックのコンテナにゴロンと乗った。
ライカ「な、なんだよ!目のフラッグをやられちゃうだろ!」
麒麟「敵を欺くにはまず味方からですわ」
そう言うと麒麟は胸元からフラッグを取り出す。地面に埋めたはずの目のフラッグを。
ライカ「え!?それ、公園に埋めたはず……」
麒麟「埋めたのは蜂のフラッグですの」
ライカ「麒麟、お前……!なるほどな……ハハハッ……」
そう言うとライカは力の抜けた笑顔で笑う。そんなライカに麒麟は。
麒麟「これぞまさに!計画通り……!」
ライカ「おいバカやめろ」
新世界の神みたいな顔をする麒麟にライカはツッコんだ。
そしてカルテットはいよいよ決着を迎えていくのだった。