剣護「覚悟しろよブラド……ついうっかり殺されねえようにな」
アリア「いや殺すんじゃないわよ⁉︎ママの裁判が掛かってるのよ⁉︎」
剣護「知らん」
アリア「一言で片すな‼︎キンジ!狼は任せるわ!」
剣護「あかりはUZIで牽制してくれ!志乃とライカは自分のタイミングで殴れ!」
そう言ってアリアと剣護はブラドに向かって突っ込む。狼が牙を剥き出し襲いかかるがキンジがベレッタで、かつてレキがやったように銃弾で掠めて脊椎を圧迫させて動きを止める。
ブラド「グババババ!てめぇらに何ができる‼︎」
アリア「風穴ぁ‼︎」
笑い飛ばすブラドにアリアは走りながらガバメントを掃射し銃弾を浴びせていく。あかりも銃弾をばら撒いて援護する。
十六夜を構え剣護はブラドの懐に潜り込む。
剣護「小手調べだ……富嶽虎逢断ち!!!!!」
ブラド「ぐご………⁉︎」
斬り上げと共にブラドの身体に3本の虎の爪痕のような斬撃が刻まれる。
しかし傷口から赤い煙が上がり傷跡は再生されてしまう。
剣護「む……やっぱそう簡単にいかねえか」
キンジ「マジで人間じゃないのな」
ブラド「ウガアアアアア!」
ブラドがアンテナをむしり取るのと同時に剣護もしめ縄を解き常世の御子に変化し、十六夜とジャンヌから受け取った氷花を抜き、構える。
ブラド「ククク……久しぶりだな人間を串刺しにするのは」
剣護「やれるもんなら………やってみな!」
ダンッ!と地面を強く蹴り、弾丸の如く飛び出し、横薙ぎに振るわれたアンテナをスライディングで避けるとその勢いのまま小太刀で脇腹を一閃する。
剣護「ちっ」
しかし、赤い煙を上げ傷はすぐに治ってしまうがそれを気に留めず剣護は次々と斬りつけていく。
剣護「月島流、富嶽双連斬‼︎」
背中、足、腕などを連続で斬りつけるが、どれもあまり効果はなくすぐに回復されてしまう。
ブラド「グババババ!そんなもんが効くかぁ‼︎」
志乃「燕返し!」
ライカ「おりゃあ‼︎」
志乃が居合いで腹を斬りつけ、ライカがトンファーでアッパーを放つ。
ブラド「効かねえってんだよ‼︎」
ブラドがアンテナを振り下ろし、3人はそれぞれ武器で受け止める。
志乃「ぐっ……くくっ…!」
ライカ「うぐぐぐ……!」
剣護「ぬぐおおおおお……!常世の御子で強化してもこれかよ⁉︎」
あかり「鷺旋!!!」
ブラド「ぐおっ!」
あかりがパルスを纏った掌底を放ち、静電気によってビクンッと痙攣するブラド。
剣護「ぬおらあ‼︎」
力が抜けた瞬間に剣護は二刀と馬鹿力でアンテナを弾き飛ばす。
キンジ「これでも……」
アリア「喰らいなさい‼︎」
剣護「うおらぁ‼︎」
すぐさまキンジとアリアがベレッタとガバメントの掃射を浴びせ、剣護も体勢を直すと両膝を斬る。
ブラド「ぬぅ………………厄介だな、まずはお前らにご退場願おうか。遠山キンジ、月島剣護。ワラキアの魔笛に酔うがいい!」
そう言ってブラドは空気を吸い込み始める。すると胸が風船のようにズンズンと膨らんでいく。そして
ブラド「ビャアアアアアアアウヴァイイイイイイィィィィィッ!!!!!!!!」
ブラドの放った咆哮はランドマークタワー全体を振動させる。キンジ達は咄嗟に耳を塞ぐ。
剣・金『ッ‼︎』
嵐のような一瞬が過ぎた後、キンジと剣護の2人は気づいた。
キンジはヒステリアモードが解除され、剣護も常世の御子の変化が解けてしまっていた。
剣護「ちょっ、常世の御子まで解けるとかマジかよ⁉︎」
キンジは再び性的興奮をすればヒステリアモードになれるが、剣護の場合常世の御子は一度の変化で体力をかなり消耗するので再び変化するのに時間を置かねばならないのである。
ブラド「まずはお前だぁ‼︎」
剣護「ぬおぉ⁉︎」
振るわれるアンテナを辛うじて避けると剣護はブラドから距離を取った。しかしブラドは避けられたアンテナを勢いのまま振り下ろす。
剣護は体勢を立て直せないまま避けられず叩き潰される。
ブラド「おらよぉ‼︎」
剣護「がっ………」
キンジ「剣護ッ‼︎」
ライカ「先輩ッ‼︎」
ドロリと頭から血を流す剣護にキンジとライカは声を上げる。
ブラド「他人の心配してる場合か遠山ぁ‼︎」
キンジ「ッ‼︎」
迫り来るアンテナを転がるように避けるキンジだが、肩を掠めただけで吹っ飛ばされビルの屋上から落とされた。
咄嗟に理子がキンジの後を追うようにビルから飛び降りる。
剣護「がっ……あ…ぅ…ぬぅ‼︎」
ブラド「ん?まだ動けんのか……」
剣護は刀を杖になんとか立ち上がり、ブラドはとどめを刺さんとばかりにアンテナを振り上げる。
志乃「させません‼︎」
ブラド「うお……」
志乃が飛燕返しで腕の腱を斬りつけ、思わずブラドはアンテナを落とし、その隙にあかりとライカが剣護を支え離れる。
ブラド「このガキ……」
理子「こっちだブラド!」
理子がキンジを挟んでパラグライダーで上がってきた。すかさずキンジは叫ぶ。
キンジ「アリア!撃て!」
アリアはガバメント二丁を構え、ブラドの両肩を狙い引き金を引く。
ピカッ!
アリア「ッ!」
しかし突然の稲光が光り、雷が苦手なアリアは片方の銃弾を外してしまう。
キンジは慌てずヒステリアモードによって的確にアリアの銃弾を自身の銃弾で弾く。その名も
キンジ「
弾かれた銃弾はブラドの模様に命中する。
理子「ブラドォ!!!」
ブラド「四世ェ!!!」
上から理子が母の形見であるデリンジャーで最後の模様を撃ち抜く。
ブラド「ぐあ………」
理子「魔臓を破壊した今、お前は弱点も痛覚も戻ってるだろ」
剣護「おおおおおおおおおお!!!!!」
ブラドを踏んづけ軽やかに降りる理子と入れ替わりに剣護がブラドの背中を駆け上がり飛び上がる。
剣護「さっきのお返しだ喰らいやがれ!!!!」
空中から十六夜を上段に構える。
剣護「月島流ゥゥゥ……富嶽鉄槌割り!!!!!」
渾身の鉄槌割りがブラドの頭に叩き込まれ、あまりの威力に屋上の地面にヒビが走る。
アリア「屋上半壊しかけてるんだけど」
剣護「ふぅ…ふぅ……いってぇ…」
理子「……本当に勝てたんだ……」
キンジ「あぁ、俺たちの勝ちだ」
剣護「早く帰ろうぜ、目眩してきた……」
志乃「せ、先輩まだ血が出てますよ⁉︎」
その時、ズンッと何か重い音が聞こえて剣護たちの背後に影が射した。
全員『っ‼︎』
全員が後ろを振り返ると倒したはずのブラドが魔臓を破壊されたまま立ち上がっていた。
ブラド「グババババ……こいつぁ良いぜぇ…力が出てくるぜ…!」
アリア「どうなってるのよ……⁉︎」
剣護「富嶽鉄槌割りが決まったはずだぞ……⁉︎」
キンジ(この感じはヒステリアモードと同じ……というよりはいつものヒステリアモードより強力な感じがする……一体何が起こってるんだ…⁉︎)