1年またいでの投稿になってしまい申し訳ないです。テストや卒論で忙しかった上にニンテンドースイッチ買っちゃいまして、かなり遅れてしまいました。(´・ω・`)
今年から就活も始まるので投稿頻度は下がるかもしれませんがちょこちょこ書いていこうと思うのでよろしくお願いします。
5限目、強襲科棟 体育館
剣護「うーし、じゃあ始めっか!」
アリア「いつでもいいわよ」
剣護「よし……」
体育館の端あたりで剣護とアリアは向かい合うとお互いに武器を持たずに構える。
アリア「制限時間は?」
剣護「授業終わるまで」
アリア「長いわ!せめて5分とかにしなさいよ」
剣護「はいはいじゃあ10分な」
アリア「まあそれなら……」
剣護「うし、そんなら…行くぞ!」
そう言うと剣護はアリア目掛けて一直線に駆けるとその勢いを乗せた前蹴りを放つ。
剣護「月島流拳技!蹴突撃!」
アリア「そんな見え見えなもの当たる訳ないで……しょ!」
剣護「ぬおっ!」
前蹴りを避け、放たれたアリアの拳を防ぎそのまま離れる。さらに今度はアリアから距離を詰めてきてキックやパンチを連続で打ってくる。
アリア「てりゃ!」
剣護「シッ!」
アリア「ああもう!ちょこまか動くな!」
剣護「無理!」
アリア「やっ!」
剣護「そこだ!」
アリアの右ストレートを左手で受け止めると勢いに乗ったまま腕を掴み背負い投げのように投げて叩きつける。
剣護「月島流拳技、菊一輪!」
アリア「ゲフッ⁉︎」
剣護「っしゃあ!」
アリア「ゲホッなんのぉ!」
剣護「うおっ⁉︎」
倒れた体勢からアリアは足を絡めて剣護を転ばせると腕に足と腕を組んで腕ひしぎ十字固めを繰り出す。
剣護「いでででででで⁉︎」
アリア「取ったわ!」
剣護「すいません!許してください!何でもしますから!」
アリア「ん?今何でもするって」
剣護「(言って)ないです」
アリア「ほらほら降参しないと折るわよ?」
剣護「あががががががが⁉︎」
カナ「楽しそうねぇ………私も混ぜてくれるかしら?」
アリ・剣『え?』
声がした方を向くとそこには武偵高の制服を着たカナがニコリと笑いこちらを見ていた。
剣護「……なんでカナがいるんだよ」
アリア「誰?」
剣護「女装癖を持つ不審変質者」
カナ「違うからね?」
剣護「んで、何の用だ?」
カナ「そうね。神崎・H・アリア」
アリア「な、なによ」
急にフルネームで呼ばれアリアはたじろぐ。
カナ「あなたがキンジのパートナーに相応しいかどうか見させてもらうわ」
アリア「なんですって?」
剣護「なるほど試すという口実で痛めつけまくってボッコボコにすると」
カナ「いやそこまでは言ってないわよ⁉︎」
アリア「………」
カナ「あら、怖気付いたかしら?」
アリア「上等よ。受けて立つわ!」
カナ「それで良いわ」
剣護「カナ、俺も良いか?」
アリア「剣護は見てて。あんたの手助けはいらないわ」
剣護「俺もカナには物申したいことがあんだよ。新技の実験がてら今までの思いぶち込んでやる…!」
アリア「あっ…………うん……わかった」
カナ「なら2人でかかってらっしゃい」
剣護は拳を、アリアはガバメントを抜き構え、カナは何も持たずに立ち尽くす。
蘭豹「おーおー。何ややるんか?なら存分にやり合えや!」
蘭豹のM500の号砲を合図に剣護とアリアは飛び出した。
剣護「おおおおおおおおお‼︎」
ある程度距離を詰めると剣護は一気に飛び出して勢いを乗せた前蹴りを放つ。真正面からの蹴りを簡単に避けるカナ。そこをアリアのガバメントの掃射が迫る。
カナ「なかなかのコンビネーションね。でもまだまだよ」
カナは三つ編みを振り返るように振るい銃弾を弾く。
剣護「
アリア「くっ!何なの今の…」
剣護「わからん。何かに弾かれたのは確かだ」
カナ「悠長に話してる場合?」
アリア「きゃうっ!」
剣護「いって!」
突然の銃撃が2人に命中する。
剣護「っ……そっちが見えない銃撃なら……アリア!時間稼げ!」
アリア「策ありってわけ?仕方ないわね!」
剣護「お礼にももまんの中身餡子とデスソース入れ替えておくわ」
アリア「死ぬわ!」
軽口を叩きつつ小太刀を抜いたアリアはカナへと突進し、今度はカナも迎え撃つように前に出る。
アリア「やっ!」
カナ「フッ!」
アリア「ぐっ……!」
カナ「まだまだいくわよ?」
アリア「うあっ!くっ!」
次から次へと放たれる素早い連打になかなか反撃できないアリア。小太刀を振るおうにも寸前で打撃を打ち込まれ、とうとう手放してしまった。
アリア「あぐぅ……はあ…はあ……」
カナ「こんなものかしら?」
アリア「はあ…さ、さっきの銃撃……『ピースメーカー』ね…⁉︎骨董品みたいな古銃だから…いまいち思い出しにくかったけど…」
カナ「あら、よく分かったわね?私の銃はコルトSAA。通称、
アリア「はあ……ふう……あたしには分かる。銃声とマズルフラッシュでね」
カナ「そう………じゃあ、もっと見せてあげる」
剣護「必要ねーよ。そんなもん」
カナ「ッ⁉︎」
そう言って再び不可視の銃弾を放とうとした時、突然剣護が懐に現れ腹部を殴り飛ばす。
剣護の姿は黒髪のまま前髪だけ獣耳みたいに逆立っている。
剣護「常世の神子、20%解放バージョン」
蘭豹「ほーう……なかなかおもろいことするやないか。なあ?遠山」
キンジ「俺に振らないでください」
蘭豹「ええやないか。お前ら付き合い長いやろ。てか何しに来た」
キンジ「あの2人止めに来たつもりなんですけど……剣護いるから問題ないかなーと…」
蘭豹「ふーん……まあ見とけや。こっから面白くなるで」
ニィ…と口角を吊り上げる蘭豹にキンジは呆れたような表情を浮かべた。
剣護「おるぁ‼︎」
再び高速で放たれた拳がカナの肩に叩き込まれる。
カナ「……ッ!」
剣護「グホッ⁉︎」
しかし、カナも負けじと不可視の銃弾で剣護の胸を撃ち吹っ飛ばす。さらにカナは立て続けに足や腕を撃ち、剣護の動きを先読みするかのように止める。
カナ「ふぅ………さっきまでの勢いはどうしたのかしら?」
剣護「ッ…まだまだぁぁぁ……」
そう言うと剣護はガシッと近くにいたアリアを掴むと担ぎ上げる。
アリア「………は?」
剣護「俺の合体(強制)技パート1」
アリア「え、ちょ、何⁉︎何する気⁉︎」
剣護「人間ミサイィィィィィィィルッ!!!!!」
アリア「キャアアアアアアアアアアアアア⁉︎」
カナ「ちょっ…アバス⁉︎」
アリア「あだぁ⁉︎」
そしてカナ目掛けてアリアをぶん投げる。投げられたアリアは弾丸の如くカナの腹にクリーンヒットした。
キンジ「何やってんだお前ぇ⁉︎」
剣護「俺の合体技パート1、人間ミサイル」
キンジ「聞けよ……って、え?」
今度はいつの間にか闘技場に侵入してきたキンジを掴み担ぎ上げる。
剣護「第二射……ってぇぇぇぇぇ‼︎」
キンジ「ノオオオオオオオオオオ⁉︎」
2発目として投げ飛ばされたキンジは見事にカナの頭に命中した。
カナ「がっ……あ、頭が…わ、割れ……」
キンジ「っててて……野郎ぉ…」
剣護「月島流拳技ぃぃぃぃぃ……」
カナ「つっ……ち、ちょっと待ちなさ…え?」
金・アリ『第三射ァ‼︎』
カナ「ちょおおおおおお⁉︎」
剣護「鉄鋼強打!!!!」
カナ「ガッフゥア⁉︎」
頭の痛みに悶えるカナをいち早く復活したキンジとアリアが両腕を掴み前にぶん投げて、投げられたカナは自身目掛けて突っ込んできた剣護の拳を真正面から顔面に受けて床を転がっていく。
剣護「ふー……」
キンジ「スッとしたぜ」
剣護「あ…先言われた……」
アリア「大丈夫なのあれ」
金・剣『大丈夫大丈夫』
カナ「そんな訳ないでしょ⁉︎」
そんなこんな言っていると鼻を押さえたカナがフラフラと歩いてくる。
剣護「チッ…やっぱ頑丈だな」
カナ「いだだだ……ここまでね。ふあ……」
カナは小さくあくびをすると体育館から出て行った。
剣護「…キンジ」
キンジ「あぁ…あれが近いんだな。兄さん」
剣護「にしてもやっぱ強えなぁ…隙作らんと当てられねえわ」
キンジ「だな。大丈夫か?アリア………アリア?」
返事が返ってこないことをキンジは変に思いアリアの方を向くとアリアは携帯の画面を顔を真っ赤にして凝視していた。
アリア「………………………」
キンジ「あ、アリア…さん?」
アリア「き、キンジ……これ……」
キンジ「ん?………あ」
アリアが見せてきた携帯の画面には前の授業で武藤に送られたであろうメールが写っていた。
『親愛なるアリアへ。カジノ警備の練習がてら、二人っきりで七夕祭りに行かないか?7日7時、上野駅ジャイアントパンダ前で待ち合わせだ。かわいい浴衣着てこいよ?』
キンジ「そ、それは武藤が勝手に…!」
アリア「………………………
キンジ「……え?」
アリア「……べ、別に…一緒に……い、行っても良いけど…」
キンジ「そ、それは…つまり……」
アリア「だから!そのお祭りに一緒に行っても良いって言ってんの!か、勘違いしないでよね!あくまで警備の練習なんだからね!」
剣護「ツンデレ全開じゃねえか」
アリア「うっさい!」
キンジ「えっと…じ、じゃあメールの通り上野駅ジャイアントパンダ前で待ち合わせな?」
アリア「え、えぇ…わかったわ」
あの後、アリアとキンジと別れた剣護は寮への帰路についていた。先程の授業で今日は終わりである。
剣護「あぁ〜……ちょい解放は中途半端だから体に負担がかかるなぁ……」
部屋の前まで来るとゴソゴソと胸ポケットからカードキーを取り出しながらブツブツと呟く剣護。
剣護「えーと今日ライカはバイトだっけ……晩飯何作ろうかな〜」
鍵を開け、部屋に入る。誰もいない部屋にただいまと言いながら入ると
金一「おう。おかえ…(ドォン!)あっぶ⁉︎」
何故かキンジの兄、遠山金一がソファーで横になってお出迎えしてきた。反射的に剣護はM500を早撃ちで一切の躊躇もなしにぶっ放すがギリギリ避けられた。
剣護「なーんで鍵かけた部屋にいるんですかねぇ?金一さん?」
金一「いやちょっと…と、とりあえず銃を仕舞え。話ができん」
剣護「OK!」ズドンッ!
金一「だから撃つな⁉︎よくそんなもん平気でぶっ放せるな⁉︎」
剣護「で?イ・ウーにいるあんたが何用です?」
金一「あぁ。その前にちょっと伝えなければならないことがあってな」
剣護「………なんです?」
金一「お前の両親についてだ」
剣護「あぁ、この前メール来ましたよ。母さんから」
金一「そのお前の両親だg…って今何つった」
剣護「いやだからこの前母さんからメール来たって」
金一「え、おま…え?知ってたのか?生きていたこと」
剣護「えぇ、発端もぜーんぶメールで送られてきましたよ。長文で」
剣護の携帯からメールを見せてもらうと、確かにオーバーギリギリの文字数で失踪の訳が書かれていた。
金一「そ、そうか…なら良いんだ」
剣護「で?それだけですか?」
金一「いや、あともう一つ忠告だ」
剣護「忠告?」
金一「お前達に敵が近づいている。用心することだ」
剣護「用心ねぇ……アリアを殺そうとか言う人のセリフかねぇ?」
金一「安心しろ。第二の可能性がある限り殺しはしない」
剣護「そっすか」
金一「それじゃここらでお暇させてもらうとしよう。それと剣護」
剣護「はい?」
金一「………キンジのこと、これからも支えてやってくれ」
剣護「……わかってんよ。あいつは俺の相棒である以前に親友だからな。心配いらねえよ
金一「フッ……そうか」
さも当然のように言ってのける剣護に笑いかけると金一は部屋を後にした。
金一「あれ、俺の銃がない…………」
ライカ「ただいま戻りましたー」
剣護「おう、おかえり」
ライカ「あーお腹すいた……ん?」
剣護「おん?どしたね?」
ライカ「何かクッションの下に……リボルバー?」
剣護「おまそれピースメーカーじゃないか」
ライカ「誰のです?」
剣護「客が来てたんだよ。とりあえずそれは俺が預かるよ」
剣護(さては金一さん、寝てる時に落としたな……まあ今度会った時に返すか)