オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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タイトル良いのが思い浮かばんかった……orz


第51話 VS甲冑騎士 VSパートナー

 

 

Side: 剣護&金一 VS 甲冑騎士

 

剣護「ウラァァァァ‼︎」

金一「ハァッ!」

 

甲冑騎士と斬り結ぶ剣護と金一。2対1にも関わらず甲冑騎士は互角以上に渡り合う。

 

金一「こちらの動きを学習して作られてるのか…」

剣護「シッ!」

 

剣護の袈裟斬りを甲冑騎士は受け流すと動きに合わせて横薙ぎに斬り払う。

 

剣護「うおぅ⁉︎」

 

剣護は十六夜を抜いてガードするが、相手の腕力が強い上に、左肩の負傷で力が入ってなかったこともあり、簡単に吹っ飛ばされる。

 

剣護「ぐっあ……」

金一「オオオオオオ‼︎」

 

金一のスコルピオを加速させていきながらの連撃も的確に捌かれてしまう。

 

金一「ならば!」

 

金一は甲冑騎士の剣を大きく弾くと、すかさず不可視の銃撃を撃ち込むと甲冑騎士は体勢を崩した。

 

剣護「ウオラッシャアァァァァァ‼︎」

 

そこへ剣護がドロップキックで吹っ飛ばし、壁に叩きつける。叩きつけられた甲冑騎士はグッタリと座りこんで動かなくなった。

 

剣護「ッシャ!どうだ!」

金一「………やったか?」

剣護「ちょっ」

 

金一がお決まりのセリフを言ったことが関係したのかは確かではないが、ゆっくりと甲冑騎士は立ち上がると近くのハルバードを拾い上げると右手にロングソード、左手にハルバードを構えた。

 

剣護「ほらやっぱりぃ!金一さんがあんなこと言うから!」

金一「俺のせいか⁉︎」

剣護「相手さんトリニティフォームになってるし‼︎」

金一「それは俺関係な…うおぉぉ⁉︎」

剣護「ふおおぉ⁉︎」

 

甲冑騎士が両手の武器を同時に振るい、咄嗟に2人は受け止める。

 

金一「武器を振る速度も上がってるだと…!」

剣護「パワーも上がってやがる…!」

 

その証拠に剣護と金一はドンドンと後ろの壁へと押し込まれていた。

 

金一「おぉ‼︎」

剣護「らぁ‼︎」

 

2人同時に蹴り飛ばして甲冑騎士を離すが、甲冑騎士はそこから回転してロングソードとハルバードを薙ぎ払い剣護と金一をガードの上から吹っ飛ばす。

 

金一「ぐあっ!」

剣護「がぁっ……!っ……負けるかあああああ‼︎」

 

剣護は十六夜と氷花を手に突っ込んで行くと甲冑騎士と斬り結び、逆に押し込んでいく。

斬る、捌く、斬る、弾く、斬る、斬る、斬る、捌く、弾く、斬る、二刀とロングソード・ハルバードの攻撃の応酬が繰り広げられ、周りの武器や甲冑、小ホールもだんだんと壊れていく。

 

剣護「月島流!富嶽怒髪天!!!」

 

二刀の突きとロングソードとハルバードでの突きが激突し、互いに吹っ飛び壁に激突し、周りの武器や甲冑がガラガラと倒れていく。

 

金一「剣護!」

 

剣護「つぅ…!野郎ぉ……!」

金一「剣護!前だ!」

剣護「え?」

 

前を向くと甲冑騎士が今まさにロングソードを剣護の頭上に振り下ろすところだった。

 

剣護「ぬおおおおおおおおお⁉︎」

 

十六夜と氷花は吹っ飛んだ拍子に離してしまったので、咄嗟に剣護はイロカネアヤメを抜き、振り下ろされた剣を受け止める。

 

金一「剣護!」

剣護「ぐっ……こんの…!」

 

なんとか押し返そうとするが本調子でない為か、はたまた相手の方の力が強いのか徐々に壁に押し込まれていく。金一も援護をしようにも剣護と相手の距離が近すぎて巻き込みかねないのでなかなか手が出せずにいる。

 

剣護「っ………や、ろ、おぉぉ……!」

金一「む……?」

 

負けじと持ち前の馬鹿力で押し返そうとすると身体が薄らと光り出し、パリパリと小さなスパークが走り始めた。スパークはちょっとずつ大きくなりそれに伴い相手を押し返し始めた。

 

剣護「ぬがああああああああああ!!!!!」

 

バチィ!とスパークが大きくなると共に剣護はイロカネアヤメを振るい甲冑騎士を弾き飛ばし逆に壁に叩きつけた。

 

剣護「月島流!秘技!」

 

隙を逃さず剣護は間合いを詰めつつ大きく振りかぶる。

 

剣護「富嶽斬懐剣!!!」

 

振りかぶったイロカネアヤメを踏み込むと同時に腕力と振り下ろした勢いで、防御しようと構えたロングソード諸共甲冑騎士を砕き斬る。ほぼ真っ二つに斬られた甲冑騎士は左右に別れながら崩れるように倒れ、剣護は動かないことを確認すると刀を納める。

 

剣護「……ふぅ…」

金一「お疲れ。休ませたいとこだが時間がない。先を急ぐぞ」

剣護「はいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side: キンジ VS アリア

 

アリア「やあああああ!」

 

アリアのガバメント掃射。キンジは焦らず銃弾弾きで防ぐ。鏡撃ちで返したいがガバメントの銃弾の方が威力が高いので銃弾弾きで対応する。

 

アリア「はあっ!」

キンジ「フッ!」

 

アリアは小太刀を抜くとキンジに肉薄して振るってくる。キンジもナイフで応戦する。

 

アリア「せいっ!」

キンジ「シッ!」

 

小太刀の振り下ろしをキンジは刀身の側面に手を添えていなし、片方の小太刀もナイフで受け流すとその柄目掛けて蹴りを放つ。

 

アリア「くっ!」

キンジ「おお‼︎」

 

蹴りを回避しアリアは小太刀を手放すとガバメントを抜き、キンジはナイフとベレッタでその銃口を押さえる。

今の状態で発砲すれば自損しかねない。そんなお互いに発砲ができない状況の中、アリアが口を開く。

 

アリア「……どうして…あたしをバカにするのよ…キンジ」

キンジ「……………」

アリア「あんたの攻撃はどれもあたしの武器を狙ったものだった」

キンジ「………はあ…」

 

いくら荒っぽくなるベルセとはいえ、女性に対して弱くなるヒステリアモードであることには変わりない。

キンジは一息つくとベレッタとナイフを下げる。

 

キンジ「撃てよ。アリア」

アリア「え………?」

キンジ「今の戦いは引き分けだった。話し合いでも戦いでも、お前を奪い返すことができなかった今、もう打つ手はない」

アリア「き、キンジ……」

キンジ「お前を助けきれなかった俺は、もう武偵としての資格がない。だから撃てよアリア。どうせ逃げ道なんかないんだ。無法者どもに殺されるくらいならお前に殺られた方がいい」

アリア「こ、殺さないわ……そうよ…あんたも一緒に……」

キンジ「悪いが犯罪者の一味になるつもりはない。代々、『正義の味方』をやってきたご先祖様たちに、あの世でボコられたくないからな。剣護にもシバかれたくないし」

アリア「っ…………」

キンジ「いいんだアリア。お互い行く気がない方向に相手を引っ張り合ったって拉致が明かない。どちらかが消えるしかない。そして俺は…どうしてもお前を撃てなかった。だからお前が撃て。俺を倒して、後は好きにすればいい。でも……いつか思い出してくれ。全身全霊で、親友連れてお前を連れ戻そうとした武偵がいたことを。そして帰れ。無法者の世界から…銃弾が飛び交うあの日常に……武偵高に帰ってくれ」

 

噛み締めるように言うキンジに、アリアはその瞳に涙を浮かべる。

 

アリア「いや……いやよ……」

キンジ「アリア」

アリア「……いや……!」

キンジ「アリア‼︎撃t 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んなもん………俺が………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣護「許すと思ったかあああああああああ!!!!!」

 

金・ア『ギャアアアアアアアア⁉︎』

 

 

瞬間、聖堂の扉を聖堂全体もろともぶった斬ってぶち壊しながら剣護が現れた。その後ろには金一が呆然として立っている。

 

キンジ「あぶっ、危ねぇ⁉︎」

アリア「か、かすっ、掠って…⁉︎」

剣護「俺はキンジとアリアの結婚エンド以外認めんぞオラァ‼︎」

アリア「け、けけ、けっこ…⁉︎」

キンジ「何言ってんだお前⁉︎」

剣護「全員で生きて帰ってのウルトラハッピーエンドの方が良いだろオルァ!」

キンジ「結婚エンドはどうした⁉︎」

剣護「結婚エンドはキンジの人生の1つの締めくくり」

キンジ「勝手に人の人生決めんな!おい、アリア。……アリア?」

アリア「け、結婚………!キンジとあたしが……あわわ……!」

キンジ「おい、戻ってこい」

 

軽く頭をはたくとアリアはハッと我に帰った。

 

アリア「あ……えっと…き、キンジ……あたしは…」

キンジ「………あぁ、わかってるよ。悪かったな、意地悪なこと言って」

アリア「ううん、あたしこそ……ごめんなさい…」

キンジ「いいさ。気にすんな」

アリア「そ、それで…あの……」

キンジ「なんだよ?」

アリア「………こ……これからも…あたしのパートナーで…いてくれる……?」

キンジ「……あぁ、もちろんだ。これからもずっと……な」

アリア「っ………!うんっ」

 

剣護「ヨシッ!これにて無事解決だな」

キンジ「どこが無事だ馬鹿野郎!」

アリア「聖堂も雰囲気も見事にぶち壊してんでしょーが!」

剣護「シリアスデストロイヤー舐めんな」

キンジ「初めて聞いたわそんなん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖堂の奥にある扉から先に進むとそこには8本の大陸間弾道ミサイル『ICBM』が柱のように並んでいる。

 

アリア「あたし…この部屋見たことある……」

キンジ「何?」

アリア「確かに……見たことがある。あたし、ここであんた達と会ったことがある……!」

剣護「どういうことだってばよ?」

 

キンジは困惑し、剣護が首を傾げていると、突如音楽が室内に流れてくる。

 

剣護「あん?音楽?」

アリア「これは…確かモーツァルトの『魔笛』…」

 

 

シャーロック「音楽の世界には、和やかな調和と陶酔がある」

 

 

ICBMの陰から、落ち着いた声と共にシャーロックが現れる。

 

シャーロック「それは僕らの繰り広げる戦いという混沌と、美しい対照を描くものだよ。そして、このレコードが終わる頃には……戦いの方も、終わっているのだろうね」

キンジ「兄さん、アリアを頼む」

金一「ああ」

 

キンジは金一にそう言ってアリアを連れて後ろへと下がらせる。

キンジはベレッタとナイフを、剣護は背中の刀を抜いて構える。

 

シャーロック「いよいよ解決編、という顔をしているね。だがそれは早計というものだよ。僕は一つの記号……『序曲の終止線(プレリュード・フィーネ)』に過ぎないのだから」

キンジ「序曲……?」

シャーロック「そう。これから先で起きる戦いのね」

 

シャーロックはアリアの方を見る。

 

シャーロック「アリア君。君は僕の用意した罠を通して、僕の存在を心の中で乗り越えたようだね。君とキンジ君は戦いを経て、その結びつきはより強くなったことだろう。まだ愛の差は僅差のようだがね」

 

そう言うとシャーロックはキンジと剣護に向き直る。

 

シャーロック「さて、長話はここまでにしておこう。来るといいキンジ君、剣護君。君達の想いの強さ…見せてもらおう」

キンジ「言われなくても…!」

剣護「見せてやるよ!」

 

ステッキを握るシャーロック。

キンジと剣護は力強く踏み込み、シャーロック目掛けて疾走した。

 

 

 


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