666人の転生者達   作:アロンダイト

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No.13

羽田空港

 

フランス、シャルル・ド・ゴール空港から来たお客に対応している空港員がいた

 

「アデル様ですか?」

 

「はいそうです」

 

「日本へはなにをしに来たのですか神父さん?」

見た目は20代の若手イケメンだ。シュっと締まった細い体に見事な金髪、そして微笑を浮かべた薄い唇、間違いないイケメンだ

バチカンから遥々やってきた若手の神父らしく他のカウンターにも彼と同じ修道服を着た男女が大勢いる

 

「司祭様から言われて日本に研修旅行に来たのです」

 

「なるほど、滞在はどのくらいですか?」

 

「一週間から一ヵ月程と聞いています」

 

「・・・わかりました。ようこそ日本へ」

入国許可のスタンプを押す

 

「神のお恵みがあらんことを・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バチカンからの使いの方はこちらへ』

 

そういったプラカードが掲げられているところに15名程の人間が集まった

 

「日本にようこそ、アデル武装(・・)神父長。私は日本支部の者です、コーネリアとお呼びください」

 

「よろしく、コーネリアさん」

 

「みなさん、バスが待ってますのでついてきてください!」

コーネリアを先頭に黒い修道服の集団が動き出した

 

外に出て『バチカン第1科 極東支部』と書かれたマイクロバスに全員が乗り込む

 

「では皆様改めて日本へようこそ。先ほど申しましたが私はコーネリア。日本における化け物退治《・・・・・》の第一線メンバーです」

ハンドマイクを手にコーネリアが話し出す

 

「今回皆様にお越しいただいた理由は、バチカンの、神の教えに反する化け物が二匹、現れたからです。お手元のスクリーンをご覧ください」

その一言でバスが静まり返り前の座席についてる液晶画面が映像を映す

 

「一匹はヴラド。最近なりを潜ませてましたが、東京の【星伽】からの情報で信憑性は高いです。そして二匹目が・・・」

画面が切り替わりそいつが映し出された

 

 

ダァンダァンダァン!ガシャン!!

 

瞬時、バスのあちこちから銃声と剣閃の音が響き液晶画面が割れるような音が響いた

 

「・・・二匹目はご存じ【ノーネーム】です」

 

―――バチカン創立からしのぎを削ってきた化け物で「名前を名乗ることすら許されない存在」と称され【ノーネーム】という暗号で呼ばれる

 

コーネリアもその言葉を言ってしまい今にも吐きそうになる嫌悪感と懐のS&W M29を抜き放ちそうになるのをこらえ手元の資料を握りしめる

 

「この塵《・》はハイジャック事件を始め、東京武偵高アドシアード襲撃事件など、最近精力的に動いています」

コーネリアが話し終え深呼吸を始める

 

「・・・その塵はどこにいる?」

アデルが呟く

 

「ヴラドは横浜の【紅鳴館】に潜伏しているようでその、塵は複数の顔に擬態してるため、発見は困難です」

 

「そうか・・・主よ、我らに教えに背く化け物を根絶やす力をお与えください、エェイメン」

 

「「「「「エェイメン!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1864年 アーカンソー州 ハイドマン砦 南北戦争

 

あちこちで大砲の音が響き喰人鬼(グール)と戦うバチカンの特殊部隊のマスケット銃や断末魔が響き渡ってる

 

そんななか一軒の教会の前

 

「撃てぇええ!!」

背中に赤い十字を背負い銀のフォルムに美しい金の装飾がされたコルトピースメーカーを正面に構えた男がピースメーカを構える

 

八列横隊の兵隊が手にしたマスケットでそいつを撃つ

 

「くひひひひ、その程度でいいのかぁ?きひひひひ!」

刹那が笑いをあげる

 

サン・ピエトロ大聖堂で祝福を受けた法化銀弾が刹那に撃ちこまれたが弾痕から弾丸が流れ落ちる

 

「教えを外れた化け物め!皆の者!奴の首を上げるぞぉ!エェイメン!」

 

「「「「「エェイメン!!!」」」」」

兵隊がマスケットに銃剣を取り付けこちらに突っ込んできた

 

「きひひひ!【刻々帝】《一の弾》!」

刹那が短銃で側頭部を撃ちぬき体感時間が加速。瞬きする間に刹那が兵隊の後ろに回り込む

 

「ひとーり」

 

バァン!

 

マスケットが兵隊の頭を撃ちぬく

 

「うしろだぁ!」

 

「遅い」

 

ダァン!

 

次の兵士の頭を撃ちぬきさらに別方向から襲い掛かる

ちなみに体感時間が速まる【一の弾】系統は使いすぎると体感時間が狂う。そのため乱用は避けてるのだ

 

「死ね!化け物!」

突撃してきた兵士の刺突をかわし回し蹴りで首をへし折り奥のもう一人の頭を吹き飛ばす

 

「【八の弾】!」

短銃の弾丸が眉間を貫き刹那が二人になる

 

「「きひひひひひ!」」

 

「分裂したぞぉ!撃て撃て!」

だが混乱した兵士が高速で動き回る刹那をとらえることは出来ず短銃の餌食となる

 

「ふぅ、ここも制圧かな?」

もう一人の分身を外に転がってる死体の回収に充て教会の中に入る

 

中は木製のベンチが多数並びステンドグラスの前に一人の少女が膝まづいていた

 

「お迎えに来ましたよ、お姫様」

 

「・・・ああ、フェイマー卿、本当に来たのですか」

当時の俺の偽名を言ったこの少女はマリー・キリスト。バチカンが今の今までサン・ピエトロ大聖堂の地下に秘匿し続けたイエス・キリストの子孫だ

 

「約束です。あなたを自由にすると」

 

「ですが、それをしてしまえば、あなたは・・・」

少女は藍色の目に涙を浮かべる

 

「ご安心を。私はあなたのイスカリオテ、あなたの為なら私はなにも恐れません」

うん、ただ単に情が移っただけだ

 

彼女はそれ以上の恋幕を俺に抱いてるようだが、それにこたえることはできない

 

「フェイマー卿・・・ありがとうございます」

 

「さあ、今からあなたは籠の鳥ではなく、空を飛ぶかわいい一羽の小鳥。今の立場には戻れませんよ?」

 

「構いません、私を、連れ出して!」

 

「イエス、ユア、ハイネス!」

グロック18でステンドグラスを撃ち、マリーをお姫様抱っこでそこから飛び出す

 

「マリー様を取り返せ!」

バチカンの兵士がマスケットを構えるがマリーに当てないために撃つことはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

よりにもよって初恋の人《・・・・》の夢とは

 

あの後マリーはおれと共にいろんな大陸に渡りマリーは天授を全うした

 

ちなみに前回名前だけ出てきた【黄泉還り】は彼女から手に入れた能力だ

実際この能力は他殺されても十字架を身に着けていたら死後三日以内に復活する能力である

 

「ふう・・・」

感傷に浸りつつ立ち上がる

 

次はヴラド。奴は小夜鳴という武偵高の非常勤講師に化けて横浜にある『紅鳴館』に潜伏しているのが原作ルートだ

 

空自に無理言って許可をもらいUAVで紅鳴館を見張り武偵高にも何人かスパイとして別人に擬態させた分身を送り込む

 

なんせ俺は触れた電子機器を思いのままに操れるからUAVの映像をパソコンに送信させ俺はよく使う拳銃デザートイーグルを生み出す

マガジンとチェンバー内の弾丸を抜きデザートイーグルを放り投げる

 

また生み出した拳銃の弾丸とマガジンを抜き取り放り投げる

 

俺は拳銃の弾丸は生み出せない。その気になれば密輸入できるがあいにくヴラド編が始まるまで商品が届きそうにないのでこんなみみっちい事をしてるのだ

 

「・・・はぁー、北極行きてぇー」

意味もなく、そう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情報料。5000万」

 

「ふざけんなよ」

情報科のSランク武偵にて転生者の菅谷充《すがたに みつる》が雨埼との短い会話を終わらせる

 

「あ、なに?転生者一人の情報が5000万?足元見てんじゃねーぞゴラァ、あぁ?」

晴山が凄みを利かせて菅谷を睨みつける

 

「おいおい、こちとら転生特典【電子世界の渡り人】でNSA、FSB、バチカンにMI6に内閣官房庁までハックしたんだぜぇー」

 

「だから?」

 

「わからねぇのか?この【名無し】、【ノーネーム】はそれらの組織全てで第一級国家機密情報なんだぜぇ。ファイヤーウォールとホワイトハッカーのサイバー攻撃で何台コンピューター逝っちまったと思う?これでも良心価格だぜぇ?」

菅谷がへらへらと笑い隣の部屋を開ける

 

そこには焦げ目のついたコンピューター群と消火器の白い消火剤であふれていた

 

「これ揃えるのにいくらしたと思う?お前らの貯金全部飛ぶぜ?」

 

「・・・わかった、ほれ」

晴山が小切手にサラサラと値段を書き菅谷に渡す

 

「・・・チッ、ありがとうございましたぁ」

皮肉をぶつけると

 

「またどうぞ」

さすが世界をまたにかけた情報屋だ肝が据わってる

 

「くそっ!」

菅谷の部屋のドアを蹴りで軽くへこませる

 

「これで【名無し】に近づける」

携帯にSDカードを差し込みデータを読み込む

 

 

 

 

【名無し及びノーネームの詳細】

 

本名:不明

 

出身地:不明

 

年齢:10代後半だと思われるが現在確認された信頼できる最古の資料が700年以上前なので正確とは言えない

 

ステルス:最低G100以上。不老不死、身体強化そのほかにも多数の能力があると思われる

 

性格:快楽主義者でかなりの楽天家。全身すり身にされても生きてるほどの生命力、超能力を所持しており、フル装備のテロリスト二個大隊を単身で壊滅させ現場には敵味方民間人問わず死体は一個も残ってなかったことから死体、もしくはそれに準ずる何かを欲するものとする

 

備考:おそらく古来から生きる化け物、もしくは魔女、魔人のなにかであると推測される。バチカンやCIA、FSB、魔女連隊、リバティーメイソン、イ・ウー、ランパン、ウルス等々と関係(もしくは恨みつらみ)があり最近はイラクやアフリカ、日本等を中心に精力的に活動しており日本政府や自衛隊にも終戦時代からパイプがあるらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃこりゃ・・・」

晴山と雨埼は絶句した

 

内容もさることながら驚いたのはこの情報量だ

 

ロシアもアメリカも世界の警察を名乗るMI6も全てがこの程度の情報しかないのだ

 

「おいおい、なんだよこの情報・・・こんなんが5000万って・・・」

 

「大国ですらこの程度の情報しかないってことは・・・厄介なんてもんじゃねーぞ。一武偵がどうこうできるもんじゃない」

 

「けどこいつは転生者じゃないな.700年前なんて武偵の武の字も無かった時代だ」

 

「いいや、まだわからん。奴の能力のいったんの【刻々帝】の【十二の弾】は時間跳躍ができる。それを使ったのかもしれん」

 

「そんな能力もあるの?原作読んどきゃよかったー」

 

「それに死体に準ずる何かってあるな。地下倉庫でも確かに死体が消えていた」

 

「・・・そこからなにがわかる?」

 

「もしかしたら、あれじゃないか?人一人殺したら死んでも復活できる。とか?」

 

「あー。そいつはめんどくさいな・・・」

 

「【奇跡六人衆】を集めよう。ヴラド編で蹴りをつける!」




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