「ヴラドがやられた」
「速いね」
「本命は・・・あの喪服どもだ」
【アンノウン】こと二階堂が光学双眼鏡を下ろす
「目標は、ヴラドと雨埼、および遠山キンジの抹殺!」
「わかりました!」
その男は右手を丁度心臓の位置に上げ左手を腰に回す独特のポーズを決め、腰に複雑な装置を取り付ける。アルミで出来た長方形の長い箱で中には剣の刃が何本も収まってる
「よし、行け!」
「おしゃあ!流血ヒャッハァー!」
長方形の箱から剣を引き抜き鳩尾の下あたりに着いてるワイヤーアンカーが遥か前方のビルのアンテナに巻きつく
「ゴォ!」
丁度腰の真ん中についた加速装置が圧縮されたガスを噴き身体が前に引っ張られて行き夜の闇に白い煙が一筋残って消えた
アデルの袖から滑り落ちた細剣を右肩の辺りに持ち上げられる
順手に持った右の剣を水平に左の剣を逆手に構えそれらを交差させ十字架を作る
「エェイメン」
ガシャァァァン!!
「ヒッ!」
雷が轟音を轟かせアリアがちじみ上がりアデルの持つ細剣が淡い閃光を醸し出す
「うぇやあああああああああああああ!!」
奇声と共にアデルがこちらへ突っ込んできた
「キンジ!アリアを頼む!理子!」
「どうなってやがる!?」
いうがいなや【武偵殺し】モードの理子がワルサーでコーネリアを牽制射撃。アデルに雨埼が銃弾を撃ちまくるがアデルの素早すぎるフットワークで一発も当たらない
ダァァン!
突如として飛来した12.7mm弾がアデルの細剣を砕いた
「ぬぅっ!?」
アデルが残った細剣を雨埼に投擲。距離を取る
《敵に見つかった移動するよ》
「こざかしまねをぉ・・・」
袖から飛び出た細剣を握りしめるとアデルの身体の傷が次々と塞がっていく
「なんだ、ありゃ・・・」
「雨埼!あれはバチカンが長年研究した【法術】よ!」
【法術】とは、宗教において信者の【信仰心】による力を集めて新陳代謝や反射神経などを強化した技でその恩恵を受けるには自分もその宗教の熱烈な信者でなくてはならないのだ
「主のお恵みを受けたこの身体に!貴様ら下賤の者共の攻撃は効かんぞぉ!!」
アデルがさらにこちらに細剣を投擲。雨埼が刀で次々と剣を弾くがきりがない
「極威一刀流【イージス】!」
片手で刀を振り回しもう片手でベレッタを撃つ
9mmパラべラム弾がアデルの防弾服に弾かれるも掌に当たった弾丸はアデルの細剣を落とさせるだけの威力があったがすぐに【法術】で回復してしまう
「雨埼!あの連中が回復させてるんだ!」
理子が指さした方には上から俺たちを囲ってる修道服の集団
「あいつらが呪文を唱えてやがるから!」
「キンジ!アリア!できるか!?」
「すまん!出来そうにない!」
キンジはアリアでヒステリアモードになったらしく脊髄などの人体の重要器官に銃弾をかすらせて襲い掛かる敵を次々と無力化している
「雲谷!」
《今・・銃・・・名な・・・りだ!・・・すけ・・・》
そこで無線が切れる
「雲谷?雲谷!?どうした!?」
「エェイメン!」
「くそぉ!」
アデルと切り結びいったん雲谷の事は後回しにする
「無駄だぁ!主の御手に護られし我らを倒そうなど!無駄なあがきよ!」
「目標目の前!これより攻撃する!」
すると近くの壁にワイヤーアンカーが食い込み人が飛んできた
濃緑のレインコートを羽織り越しに大きな金属ケースを二つぶら下げた少年だ
「なんだあいつ!?」
「フハハハハ!貴様らなんて!一匹残らず駆逐してやる!」
ワイヤーアンカーを次々と壁やアンテナに絡め不規則な動きでアデルや雨埼を翻弄する
「人類の力を思いしれぇぇぇぇ!!」
飛びこんできたそいつは手に持った装置に腰のケースから剣の刃を取り付けアデルの真上から急襲。ベイゴマのように回転しながらアデルの首を切り落とそうとする
「うらぁああああああああ!!」
振り向きざまに細剣で攻撃を防ぎ距離を取る
「させない!」
コーネリアのM29がそいつに銃口が向けられる
「隙ありゃああああ!!」
だが、理子が自身の髪の毛を操りナイフで切りつけ射線をじゃまする
「クッ!邪魔をして・・・!」
コーネリアはガン=カタで理子と再び戦い始める
「お前は何者だ!?」
雨埼はベレッタを装填しながら怒鳴るように聞く
「俺は【破壊の使徒】所属通称【調査兵団】!」
すると両手に持ったカッターナイフのような剣を掲げ腰から発射されたワイヤーが壁に食い込み高所に移動した
「【法術】は俺に任せんしゃい!」
「・・・わかった!」
相手は【破壊の使徒】だがなぜか敵意が無いみたいだし謎だらけだがこの際放置することにした
「ぬうぅ・・・【法術】が・・・?」
「あきらめろアデル!お前の負けだ!」
「うわぁ、なんじゃこりゃ・・・」
【破壊の使徒】の隊員、室戸真志《むろと しんじ》が呟いた
そこは元々ヘリポートなのだがそこには見るも無残な惨殺死体があちこちに転がっているのだ
服装からして【法術】の供給をしていた人々なのだろうがそいつらが死んでいるのだ
側にはバチカンの国章たる金と銀の交差した聖ペトロの鍵に教皇冠とタッセルが描かれた豪華なMi-8テールヒップが泊められてる、ここの連中が乗ってきたのだろうか
「ということは、いるんだろ【ノーネーム】!」
取り出したナイフを投擲。風切り音と共に壁に突き刺さる
「きひっひひひひひ、やっぱ原作から逃げると神様からの干渉が酷いんでな。きひひひひひ」
影の中から這いずり出てきた【名無し】。リクルートスーツにガスマスクが酷く不気味だ
「てめぇージャンヌ編ではだいぶ仲間が世話になったな」
「ひひひひひ、そうだなぁ・・・カスだったよ」
「テメェエエエ!!」
剣を二本引き抜き【ノーネーム】に突っ込む
「くひひひひ」
「余裕なのも今のうちだぜ!この三次元高速起動についてこれるかなぁ!?」
ワイヤーアンカーで【ノーネーム】の死角に回り込む
「くたばれやぁあああああ!!」
今日最高速で回転し【ノーネーム】を切りつける
「甘いぞ」
奴が回り込む位置はとっくに
最小限の動きで降りおろしをかわし敵と向き合う
「なッ!?」
かわされたことに驚いてるようだ
「【五連 釘パンチ】!!」
刹那は拳を固め振り下ろした状態で固まってる室戸の顔面に渾身の一撃を叩きこむ
「ぶぉほぁ!!!」
ビスッビスッビスッビスッビスッ!!と五回衝撃が走り室戸の頭の形が立て続けに変わり脳髄や脳漿を飛び散らしながらMi-8にぶつかる
「ひひひひひひ、弱い、弱いぞ。ヒューマン」
撒き餌のバチカン関係者の死体もMi-8ごと【時喰みの城】で飲み込む
「さて、あの【アンノウン】はなにがしたいのかなぁ?こんな意味のない殺戮に、何が目的があるんだ?」
さっき飲み込んだ室戸の服についていたせいぜい1mmほどの盗聴器を眺める
「やってる意味が解らない。なんの目的がある?お前の【最先端兵器量産所】には他にも制約があるのか?それとも他の二つの能力が人の死を望むのか?」
盗聴器に語りかけ握り潰した
その時【先見眼】に映像が映った
「最悪だ・・・」
ガシャアアアアアアン!!
「ノオォォォォォネエェェェェェムゥゥゥゥゥゥ!!!」
「アァァァァァデェェェェェルゥゥゥゥゥ!!」
アデルが細剣を引き抜き俺はタウルス レイジングブルを構えた
ドォン!ドォンドォン!ジャン!ギィンジィン!!
剣閃と銃撃が交差しお互いの肉体が抉れた
「フ、フフフ。フハハハハハハハハ!!死だ!これこそ!夢にまで見た絶望的な死だ!もっとだ!私にもっと、絶望的な死を!」
二階堂が大声を上げて大笑いする
「そのとうりだよ【名無し】。私の力には燃料が必要だ、【仲間の死】!その絶望的なスパイスが無ければ!私は!戦えない!」
そして二階堂が一つの箱を取り出す。見た目はなんとも無骨な鉄の箱だ
その鉄の箱を開けると中には二階堂の主力兵器【コマドリ】が三つ入ってた
「フハッハハハハハ!もっと死を!でないとこの
二階堂が雨に濡れた地面に倒れ自分の肩を抱きしめる
「絶望と死を糧に、投入した設計図のとおり、の武器を産み出す、それが【絶函】、それが、【最先端兵器量産所】・・・あぁ、素晴らしい、仲間が倒れれば倒れるほど、私は強くなる!!」
狂気を孕んだ笑みを浮かべる二階堂は仲間が死んだことによる空虚さに胸を打たれながら立ち上がった
「私は人の死を糧にする【アンノウン】。まさに死の官女さぁ・・・」
アデルの投擲する細剣が刹那の胴体を蹂躙する
刹那も負けじとレイジングブルを撃ちかえすが454カスールの衝撃に耐えれるほどの強度が今の肩にはなくあえなく肩が千切れる
「エェイメン!」
そこへ追い打ちをかけるようにアデルが細剣を投げ刹那の首、心臓、頭に重点的に剣が突き刺さる
「アデルぅ・・・腕を、上げたな」
「化け物にぃ、言われなくとも!」
瞬時、刹那の身体から飛び出た血飛沫から
その恰好はボロボロの作業服を着た男で手には三八式歩兵銃や九十九式軽機関銃等が握られてる
「行け、我が僕」
「天皇陛下!バンザーーーイ!!」
「「「「「バンザーーーイ!!!」」」」」
軍刀を持った指揮官の号令と共に銃剣を着けた大日本帝国軍の一斉突撃が始まった
「さて、逃げるか」
アデルが哄笑を上げながら兵士を寸断してるのを尻目に刹那は自身の肉体を霧に変えてその場から逃げた
「ノォォォォォネェェェェェムゥゥゥゥゥ!!次に会った時は!貴様の、命日だぁぁぁ!!!」
アデルの雄叫びが響き渡った
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