1942年 スターリングラード
泥沼のような戦争だった
当時、俺はドイツ軍の戦車猟兵として参加していた
『冬の嵐作戦』が発動しMP40とパンツァーシュレックを担いでテントを飛び出した
ハンガリー軍の兵士がソ連の迫撃砲にやられ俺と正面衝突。ツイてない
すぐに死体をどかし立ち上がる
「早く来い!」
俺の分隊の指揮官が乗ったⅥ号戦車の影に隠れ赤軍の一斉掃射から身を隠す
「二時方向にKV-1!」
「砲塔回転!徹甲弾装填!」
「徹甲弾装填よーし!」
俺はⅥ号戦車の影から飛び出し九時方向から接近していたT-34にパンツァーシュレックを向けた
「ファイヤー!」
ドォォン!
「あは、ははは……」
ベットから起き上がり肩を回す
あの戦いで俺は49回、死んだ
流石に、トラウマになった
リビングへ向かいUAVの映像を眺める
UAVは東京武偵校の上を回っており、武偵高の様子をリアルタイムで監視してる
「あー……いかん、ダルい」
『武偵高には大きな動きはありません。今年は単位不足者が少なく、武偵高は夏休みムードです』
「そうか……あ?」
『どうしました?』
「単位不足者が少ないって……遠山金次はどうなってる?」
『この間の護衛任務で不足分単位1.9は取り返したので、単位不足者リストには載ってません』
「おおぅ……とうとう、ツケが回ってきたか……」
さあ、厄介な事になったぞ。どうなるか、どうするか?
このままじゃ遠山はカジノの警備を受けることなく、終わる。それは今後の展開にも響く
「まあ、これはさすがにどうにもできん。武偵高の転生者に任せるか」
他力本願にかけた刹那は板チョコをかじり出す
『それといくつか伝えねばならないことがあります』
「なんだ?」
『マスターがご出資なさってる海外の株式会社や贔屓にしている武器商人が次々と廃業なさっています。そして今朝、横須賀、浜松、品川の武器庫が警察に取り押さえられました』
「情報漏れか?とりあえず、警察に圧力をかけろ。都内の武器庫の位置を変更だ。作業は
『はい、マスター』
「情報の発信源の特定を急げ!」
『すでに特定できています』
「なに?」
しばらく待つと一枚の写真が出てくる
燕尾服を着た細身の男だ
『名前はセバスチャン・ドルネード。元北朝鮮人民軍の少年兵で五年前は魔女連隊の実働部隊 【
「‘黒’だな」
こいつはアデルやプレラティーにつぐ転生者の可能性が実に高い
『どうなさいます?』
「………泳がせろ、今は奴の情報が必要だ。得物、特技、受賞したトロフィーから飼ってるペットまで、全部だ!」
刹那がチョコレートの箱を握り潰す
『特技はハッキング、クラッキングに投げナイフ。全米のアーチェリーやクレー射撃などで複数の金賞を受賞。MI6に射撃記録が残っていました。自宅には白猫一匹、アメリカンショートヘアーが二匹、シャム猫が一匹、デボンレックス二匹の愛猫家です』
「………情報が早いな」
『彼の趣味はブログ更新なので』
スパイ失格だと思う
『そして、こちらは別件ですが、京菱社から大型トレーラーが何台か盗難に会いました』
「それと今の状況が関係あるのか?」
『トレーラーを盗んだのはこの男です』
パソコンに映ったのは懐かしい顔
「【ルールブック】……」
「えっキンジ単位足りてる!?」
雨埼が菅谷に貰った書類を見て聞き返す
「ああ、この間の警察のお偉いさんの護衛が効いたみたいだな」
菅谷の言葉を聞き雨埼は悩んだ
(このままではパトラ編はどうなるんだろうか?いや、それ以前にこのままではイ・ウーとの決着にも支障が出る!)
そうなると何とかしてキンジとアリアをピラミディオンの警護に参加させなくては
「ピラミディオンの警備の依頼は!?」
「たしか……おお、雪原がとってるぜ」
「雪原が?」
そういや雪原はあの警護任務を受けていなかった。単位が足りないのだろうか?
「ナイス!雪原に連絡してくれ!キンジとアリアを誘って任務に当たれって!」
「ほいほい」
その日の深夜
夜の東京の夜空を一機のヘリが飛んでいる
今は生産が止まってる三菱のヘリコプターMH2000だ
全体をマッドブラックに塗装したそのヘリは渋谷のビル街をなめるように低空飛行する
《到着まで40秒》
パイロットが無線でそう呟く
キャビンの中には何重にもケブラー繊維が重なった宇宙服のような分厚い防弾チョッキを着こんだ刹那がチョコレートをかじってる
パイロットの無線に反応し、チョコをポケットにしまい足元に置いた人が丸ごと入りそうなコンテナを持ち上げる
《ショータイムだ》
刹那が防弾性のケブラーメットを被る
《目標地点に着きました!》
その言葉と同時にヘリの扉を開きコンテナを放る
重力に従って落ちたコンテナはビルの屋上に追突。小さなクレーターが出来上がる
次にロープを伝ってラぺリング降下。ヘリはすぐさま離脱し、刹那は先に落としたコンテナを開く
中にはM2重機関銃の後継として研究されたが2010年に開発が中止された機銃XM806が入っており、これには銃口の手前にバレルロッキングレバーがついており、腕力次第では一人で持ち上げれる仕様になってる
110発ボックスマガジンをXM806に連結し、ガッシャ!と装填し、ロッキングレバーを持ち上げる
《こちらクラッシャー、バード1、向かえは30分後に頼む》
《バード1了解》
ヘリとの更新を終え、刹那は立ち上がる
刹那は【AAR】が調べ上げた【リバティーメイソン】の拠点を襲撃しているのだ
具体的には【リバティーメイソン】に潰された会社や武器庫の数、合計94箇所だけ拠点を襲撃してるのだ
構成員は皆殺し。たまたまいた民間人ももれなく皆殺しにする
既にロンドン、スコットランド、アイルランド、パリ、北アメリカ等々世界各地で現時点で58拠点の制圧が完了している
日本にも少ないが【リバティーメイソン】の拠点はいくつかある。そのうちのいくつかを今日中に潰すのだ
(うぁー重い、やっぱ総重量100kgはヤバいな)
屋上の扉を蹴りあけるとP90やMP7の一斉掃射が刹那を襲う
《効くかよ》
引き金を引くと12.7×99弾が構成員を薙ぎ払う
30人程の集団を薙ぎ払い階段で下の階に下りる
「撃てぇー!」
今度はM16系統の銃から放たれた弾丸が一斉に俺を襲う
だが、この程度は効かない。かゆいぐらいだ
大口径の弾丸が通路いっぱいに広がっていた構成員を殲滅し、丁度弾が切れた
背中に背負ったアイアンマンから12.7mmの弾帯を装填。再び歩き出す
その後もグレネードや機関銃の猛攻があったがジャガーノートには効かない
『サーバールーム』と書かれた扉を開けようとするが何かに引っかかって開かない
《バリケードを作りやがったな……》
XM806を扉に撃ちまくり穴を開け手榴弾を投入
爆音の後に中にはいりサーバールームを手当たり次第に潰す
生き残った何人かに抵抗されたがこのジャガーノートを貫くにはそれこそ対戦車ライフルでも引っ張ってこなくてはいけない
そんなこんなでこの支部は壊滅。俺は次の支部に向かった
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