カジノ警備当日
メンバーは金次、アリア、雪原、雲谷の四人だ
実際には雨崎がカジノ内部に7、8人伏兵を連れており、他にも路上の車や近くのホテルに何人か待機させている
「どうなるのかな?大丈夫かな?」
二階堂が【絶函】を抱きながら呟く
カジノから直線で約3km離れたビルの上に双眼鏡片手に立っていた
「……最近、活動を控えていますね」
金沢が二階堂の傍らで呟く
「うん、絶望がまだまだ足りないし、設計図もまだ書けてないからね」
【絶函】を撫でながら鉄箱をひっくり返す
そこには一匹のクマのレリーフがあった
右が黒、左が白のクマのレリーフだ
黒に塗り分けられた方の顔の目は赤いイナズマのようにギザギザしている
これは【絶函】の出力装置だ
このレリーフをひっくり返すと絶望が集まらなくなり、元に戻すと集まり出すのだ
今は集まる形になっており、二階堂が蓋を開ける
「隊員の間で不満が出てきてます、早急に原作勢に急襲を仕掛けるべきです」
「あー!出来てる出来てる!」
しかし二階堂はそんな金沢を無視し、【絶函】取り出したのはゴルフボールより一回り小さく黒い球体。義眼である
「それって……?」
金沢が首をかしげる。どこかで見たからだ
「金沢君はたしか、天童流の武術を心得ていたね。じゃあ原作知ってるかぁー」
その言葉に金沢は眉をひそめた。原作?
自分は確かに【ブラックブレット】の主人公である里見蓮太郎の使う【天童流戦闘術】を取得していた
「……まさか、【二一式義眼】!?」
「うん、【改】の方だけどね」
義眼をポケットにしまい振り向く
「じゃ、死になよ」
二階堂の目を直視した金沢。
【絶函】の中にカエルや瓶詰された寄生虫を放り込みながら呟く
「遺書に「疲れた。死ぬ」と書いた五秒後に自分の頭を拳銃で撃ちぬけ。なお、自意識はあるものとする」
「おいっ!なにしてるんだよ!やめろ!なにしやがった!どんなチートだ!?」
そう怒鳴り散らしながら金沢が屋上から立ち去る
二階堂の三つ目のチート【心を操る力】。一日一人という縛りはあるもののその能力は完ぺきで、二階堂と目を合わせただけでその人は二階堂の言いなりになり、自ら進んで死地に赴き、質のいい絶望を供給する糧になってくれるのだ
「ふっふっふっふ……できるといいなぁー」
【絶函】を撫でながら二階堂は呟いた
《雨埼、入り口にゴレムが一体》
《いや違う、会場内に二体だ》
「おいおい、おしゃべりなら直接やれ。もうじきキンジが動くぞ」
雨埼がさりげなくゴレムの近くに行く
スーツの裏にはMP7とベレッタM92F。ここはベレッタを握る
ダァァン!
雲谷のTAC-50の銃声が響き雲谷が戦闘を開始したのがわかる
「いくぜぇ!」
ゴレムの足にベレッタを三発撃ち、膝まづいたところにMP7で集中砲火をかける
客が他の隊員の誘導に従って外に逃げつつある中俺は砂の中から這い出てきたメスのカブトムシみたいな
「おまえ!雨埼!なんでここに!?」
キンジがベレッタ片手にやってきた
あちこちで銃撃戦が起こってる。撃ちあってはないが戦争のようだ
「雪原に頼まれてな!それに!」
襲ってきたゴレムを蹴り飛ばし、射殺する
「嫌な予感もしてたからな!」
ちょうど空のマガジンを変え、MP7を取り出す
「だから加勢してやるよ!」
「オラァ!」
【奇跡六人衆】の一人の雷木がM16A3を撃ちながら叫ぶ
「掛かってこい!この砂人形!」
弾が切れるとM79グレネードランチャーを一発放つ
「歯ごたえがねぇなぁ……」
能力を使って新しい銃としてUZIを作り出す
「ふぅー、ん?」
雷木の持つ能力【騎士王の直感】が何かを掴んだ
いいようのない不安。まるで大地震を予見したネズミのようだ
「なにがくる……?」
ピラミディオンの上を飛ぶ一機のヘリ
京菱社から盗まれた最新鋭の偵察ヘリ【ハミングバード】だ
そのヘリのキャンビが開く
《準備はいいか?》
「もちろん、【ルールブック】」
携帯を手にし、京菱製の電子双眼鏡を覗いている少年、佐野宮翔太《さのみや しょうた》が呟いた
佐野宮は双眼鏡を操作し、地上に止められたら一台のトレーラーを見る
《コンテナを開けるぞ》
【ルールブック】が言うと同時にトレーラーの荷台が開き、中に積まれた人型のロボット【駆動鎧】を露わにする
「さぁ、いくぜぇ!」
「う、ぐがぁぁぁ……」
ドチャリ、と地面に転がった【平和連合】の転生者を影に呑み込みながらピラミディオンを見る
「あん?あれは……」
見えたのはピラミディオンへ続く道を封鎖する【平和連合】と戦う複数のロボット
【とある】シリーズの【駆動鎧】もあればラピュタに出てきたようなロボットもいる
「ガンダムがいないのは幸いかな?」
再びピラミディオンに目を向けると屋根を登っているパトラのゴレムと戦うロボット群
「なんだかめちゃくちゃだな……」
そういいつつ【名無し】は一つの鎚を取り出す
「じゃ、発破をかけるとしますか!【大鎚小槌!満満満満!】」
すると手にした鎚がどんどん大きくなる
最終的に大型トレーラー並みの大きさになった金鎚を振りかぶった
「どーん」
その金鎚を、ピラミディオンのガラス張りの屋根に、振り下ろした