666人の転生者達   作:アロンダイト

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やあ、みんな。久しぶり!


NO.32

飛行甲板に全力の体当たりをかましたスーパーホーネットは粉々になり空母は火の海になっていた

 

「早く火を消せ!」

 

「魔法が使える奴は火を消すんだ!」

転生者のうち水を操れるチートの所有者は水を発生させ火災を鎮火しようとあたふたしていた

 

「………やってくれたねぇ」

二階堂が飛行甲板の惨状を見ながらため息をはく

 

艦橋の窓ガラスが全て割れてしまったが二階堂はきにしてない

【プラーガ】により強化された二階堂の肉体は飛び散るガラス片なんて意にも介さない。豪快に引き抜くと傷口がすぐに塞がる

その時、艦橋に一人の少年が飛びこんできた

 

「報告します!飛行甲板および格納庫が炎上!退艦した方がいいです!」

 

「ダメだ」

 

「ふ、ふざけんなよ!俺はゴメンだからな!」

そういって背中をむける少年

 

その無防備な背中に襲いかかる触手

 

「きひっ!」

しかし擬態していた【名無し】は難なくその触手をかわす

 

「見かけない顔と思ったら、やっぱり君かい」

背中から触手を生やした二階堂が笑いながらベレッタM93Rを構える

 

「お前、自分が何をしたのかわかってるのか?」

 

「もちろん。私は、前世からの夢。人間の限界を超越した存在になるのさ!」

二階堂の狂気は止まるところを知らない。手のひらの指を【名無し】に向けると鞭のようにしなり、殺意を持って襲いかかってきた

 

「くそっ!化け物めッ!」

【名無し】はすぐさま両手に拳銃を創製。弾幕を張り二階堂にダメージを与えるため弾が切れたらすぐに捨て、新しい拳銃を撃つ

 

「効かん効かん!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

二階堂の胴体に突き刺さる弾丸は二階堂が体内に飼っている【寄生虫】により体外に排出される

 

「ちくしょう!」

手榴弾を置き土産に逃走を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいぶ火の手が収まってきたな……」

ホーネットに搭載されていた燃料、弾薬やミサイル。さらには誘爆した燃料弾薬の消火がようやく収まった

 

その時、彼の耳にくぐもった銃声が聞こえた

 

「なんだ?」

MP5を持ち上げ、他の転生者が艦内から格納庫へ通じる扉を開いた

 

扉の先から転生者の死体が投げ飛ばされてきた

 

扉の先ではチート能力を持った転生者達が得体の知れない触手に次々と捕食されているのだ

 

その茶色い触手はヌラリとした液体を滴らせながら転生者達の肢体に絡みつき、複数の花弁にも見える複数の牙がうずめく複雑な口を開き、転生者の頭を丸々呑み込む

 

最初は暴れていた転生者だが、最後はぐったりと四肢を痙攣させ解放されたときには正気を失い他の転生者に襲いかかっていた

 

開かれた扉から濁流のように襲いかかってきた触手が格納庫にいた転生者に襲い掛かる

フォークリフトやコンテナの残骸に隠れながら触手を銃で撃ったり、己のチート能力を使い逃げたり触手を迎撃したりと大勢の少年少女が得体の知れない触手相手に命を削る

 

「なんだよ……これ……」

怒号や悲鳴が乱れ飛ぶ中彼はMP5を持って立ち尽くしていた

 

「なんだよ……お前は!なんなんだよぉー!」

腰だめに構えたMP5を乱射する

 

「ぅわぁあああああ!!あああぁぁぁぁぁッ!!!」

奇声を発しながら少年はMP5で触手やそれに取り込まれた転生者を撃ち続ける

 

しかし、その行為は弾切れと同時に捕食という形で終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

艦橋の上に触手が集まり、人の形を形成する

 

出来上がったのは【名無し】の手榴弾により身体を粉砕された二階堂である

 

「ウフフフフ……死者を操って軍勢を作れるのは、君だけの事じゃないんだよ。ノォーネェームー?」

そう呟くと二階堂は懐から何かを取り出した

 

市販のボールペンのようなサイズのそれは痛みを感じないペンシル型の注射器

 

中には少しだけ光を放っている赤い液体が詰まっている

 

「さて……ノォーネェームー……」

二階堂はその注射器を迷いもなく首筋に突き立てる

 

「私はぁ!人間を辞めるぞぉー!ノォーネェェェームッ!」

注射器に入った【Cウィルス】が二階堂の体内に打ち込まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、吸血鬼トリオ

 

「来いッ!9番目の眷獣!【双角の深緋《アルナスル・ミリウム》】!」

現れたのは燃えるような赤い(たてがみ)を持った角がついた馬である

 

猛々しい鳴き声と共に双角獣(バイコーン)が走り出す

 

発生した凄まじい衝撃波が【ブラックジャック】の隊員を吹き飛ばす

 

「主は、我らに申し上げた!心を落ち着けよ!神を信じ、主を信じよ!エェイメン!」

コーネリアがヨハネの福音の一説を読み上げ、手にしたM29を乱射する

 

「主よ、我らが父よ!私はあなたを愛しており!あなたの戒めを守ります!どうか哀れな我らに、真理の聖霊を授け、我らの道を指し示してください!エェイメン!」

アデルも自己暗示のように聖書の一説を読み上げる

 

アデルやヴァチカン関係者の【自己再生】や【回復法術】で傷がどんどん治り、死兵のようになっている

 

その原因はアデルが懐に隠し持った聖遺物にある

長さ十cm程の鉄片である

この鉄片はイエスの脇を突き刺した槍の穂先であり、この聖遺物の所有者は信者が負う苦痛や傷を請け負う効果がある

 

しかし、聖遺物の効果を受けないアデルが使うと自身が傷つく事なく周りの味方の傷を癒やすのである

 

「チィッ!化け物め!」

倉知がアデルから投擲された【黒鍵】を回避しながら吸血鬼化した蝶や鳥をミサイルのように発射する

 

「我らにそんな半端な攻撃は効かんッ!」

コーネリアが手にしたリボルバーで鳥の群れを迎撃する中、アデルと西山が鍔迫り合いを演じる

 

「うぬぅ……キリがぁ、ないぃ……」

【黒鍵】を新たにその手に保持しながらアデルが呟く

 

「フッ、教会の犬め!死ぬがいいッ!モード!【輝砕滑刀】!」

 

「ぅらぁぁぁああああああああ!!!」

【黒鍵】と【輝砕滑刀】がぶつかり合う。魔力で構成された刃とすべてを切断する刃が火花を散らす

 

どちらも引かぬ押し合い。やがて二人が同時に距離を取る

 

「これでは、きりがない……」

倉知がにやりと笑う。戦うことが楽しい様だ

 

いや、正確には自分のチートに酔っているのだろう

 

「ならばぁ……主よ、どうかあなたの教えを裏切ったわたくしを、お許しください……あなたの教えに背きました、主よ。民草を護る為にも、私を見守ってください、エェイメン!」

アデルが手にした【黒鍵】を倉知に投擲した

 

「無駄なことを……」

倉知が笑う。なぜなら

 

「これで、チェックメイトじゃ!」

アデルの影から飛び出した西山がアデルに銃を突き出そうとしたからだ

 

「【殉教十二の道具(ジャッジメント・サーティーン)】」

アデルが懐から取り出したのは一本の錆びたナイフだ

 

「死ねェえええええ!!!」

アデルの頭を狙う西山の銃。対するアデルはナイフ一本

 

「汝を、皮剥ぎの刑に処する!」

アデルが叫んだ瞬間

 

 

西山の皮膚がごっそりと剥がれた

 

「あ……ぃ、え?……ぎぃやぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!?」

西山の絶叫が響き渡る。皮膚が無く、脂肪や血液により、全身の赤黒い筋肉がヌラヌラと輝く

 

その光景にその場の全員が凍りつく。そりゃそうだ、いくら残忍な人でもいきなり少女の皮膚が無くなり、その少女が絶叫を発したら誰だって驚くだろう

 

アデルは皮膚が全部無くなりリアル人体模型になってしまった西山に近寄り、鉄枷を腕に填めた

 

「汝は、罪人。だが、主は寛容にして不滅。汝に更生の機会を、与えるものとする……」

すると、西山が閃光に包まれ、いきなり消えた

 

「おいおい、いきなりとんでもないグロ展開になったなぁ、おい……」

倉知が引き気味に言う

 

「主の、教えは、絶対にして、不変なり……汝にもこのぉ、教えを、解らせようぞぉ!」

 

「このぉ、イカレ野郎めぇえええ!」

アデルの剣と倉知の【輝彩滑刀】が火花を散らす

 

だが、そこへ【名無し】が分身を伴って突っ込む

 

「こいつをくらいな!」

アデルにはカールグスタフM2、倉知にはM240を撃ち、二人を引き離す

 

「ノォォネェェムゥ!!!」

 

「テメェは!そっちで遊んでろ!」

【名無し】はアデルに自身の眷族とかしたソ連兵一個大隊(おおよそ500人程)をけしかける

 

「ほぉ、我と遊ぶのか!?」

倉知が空中に展開させた白頭大鷲を踏み台にして空中を縦横無尽に飛び回る

 

一方の【名無し】は重力を操作し、宙を舞う倉知を数人の【名無し】のコンビネーションで追い詰めるが倉知に突き刺さる弾丸は自身のチート【究極生命体】の恩恵で銃弾では傷がつかない

 

「フハハハッ!どうした!その程度か!?」

転生者の狼藉に耐え兼ね、船は傾き始めている

 

倉知は増設されたピラミッドの頂点に飛び乗る

 

「アーハッハッハッ!俺こそ最強!俺こそが主人公だ!」

倉知が高笑いを始める

そのとき【名無し】の一人がこういう

 

「お前が次言うセリフは【そのためにも死ね!名無し!】だ!」

 

「そのためにも死ね!【名無し】!……ハッ!」

途中から倉知は気づいてしまった。ある種の鉄板だったと

 

「ふっふっふっふ……倉知、お前、原作読んでないだろ?」

【名無し】の一人が倉知に言う

 

「だ、だからなんだ!」

 

「へぇーそう、じゃあかわいそうに……」

くすくす笑う【名無し】

 

「原作読んでないから、こうなっちゃうんだよぉー」

 

「なんだと……?」

さすがに倉知も身構える

 

「原作を読まずして、その世界で無双をしようなぞ……万死に値する!」

【名無し】が叫ぶと同時に倉知に緋色の閃光が襲い掛かった

 

ピラミット内部でアリアから放たれた【緋天 緋陽門】が倉知を吹き飛ばした

 

そう、【名無し】はこれを狙っていたのだ。アリアの緋弾の覚醒に巻き込む。いくら不死身の肉体とはいえど、原作の流れには逆らえないだろうという仮説から考えだした作戦である

 

「さて、それじゃ、続きと行きましょうか……」

【名無し】が獰猛に笑った

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