飛行機は無事に空地島に不時着したらしい
【平和連合】の戦力も削れたし【奇跡六人衆】の実力も一部わかった
そんな俺は今日は引っ越しだ
なぜかって?ハイジャック騒動の後の深夜に宅配便が来たからだ
その宅配業者は【破壊の使徒】のメンバー3人で東京湾に着水したあたりから俺をつけていたようだ
そのため急きょセーフハウス001号に移ったのだ
ちなみにこれは自慢だが俺のセーフハウスは101号まであるのだ
そこそこ高級なペンションのベランダにから外を眺める
「ふぅ・・・さて・・・」
リビングにはソファーが一脚にテレビとパソコンやらなんやらの電子機器のコードが樹海の根っこのように張り巡らされ家具らしい家具はない
俺はパソコンを能力でカタカタ叩き私設衛星と接続。武偵高の隅っこの倉庫街に小型潜航艇で上陸するジャンヌを発見する
「あん、こいつは・・・?」
ジャンヌの潜航艇の横にもう一隻の黒い潜航艇
出てきたのは上等な黒のタキシードを着て頭には同色のヘルメットにホルスターにはMk23をいれた男だ
「転生者か・・・?」
転生者だとしたらおそらく俺の読み道理足りなかった5人の一人だろう
「これは、荒れるぞぉー」
今後の楽しみに頬を歪めつつ俺はパソコンを切った
「おいおいなんなんだよこれ・・・」
雨埼が部屋に帰るとそこではアリアが壁に監視カメラや警報装置をつけていた
「白雪の警護よ」
ドライバーでギャギャ!と警報を設置しながら返してくる
「あー、
「耳が早いな」
桐箪笥の前で唸っていたキンジが呟く
「晴山から聞いたよ。そうかもうそんな季節か・・・」
ハイジャック事件から既に数週間、ついにジャンヌ編に入ったようだ
結局あの事件に動員した13人は行方不明になった
(ノーネーム・・・いったい何者なんだろう?)
あの身のこなし、そして動き、たぶん転生者だろう。しかしそれ以上のことがわからない
情報科の転生者に調べてもらっているが東京湾に着水。そして民家に入ってその日の深夜に謎の武装集団を返り討ちにした辺りから足取りが掴めてないし民家にはなにも残ってなかった
(転生者で介入してくるなら次のジャンヌの事件にも関与してくるはずだ・・・)
だが予防線を張るに越したことはない.
いろいろ調べておこう
「なあ、アリア【魔剣】に盗聴とかされたらヤバくないか?」
「確かにそうだけどSランク武偵が2人もいる空間にノコノコやってくるほどバカじゃないわよ。奴はもっと狡猾で慎重なやつよ」
そういや俺Sランク武偵だった
まあ、なんとかするか
晴山は装備科の地下設備にいた
ガンラックに並んだ古今東西の銃火器に未開封の銃やそれらの部品が詰まってるであろう木箱や弾薬箱を眺めながら
『開いてるよぉー』
扉を開けると中は小奇麗な普通の部屋だ
「いらっしゃい」
出てきたのは目が半分閉じた170cm近い高身長の少女、月裏知恵だ
彼女は転生者で能力は【武偵弾を掌に生み出す力】でノーリスクで生み出した武偵弾を売りさばいては大儲けしている少女だ
「この間の飛行機では痛い目見たって?」
「ああ、その反省を生かして武偵弾を買いに来た」
「口径と種類。それに何発かいいな」
「44口径、焼夷弾、閃光弾、徹甲弾、それと炸裂弾を20発ずつ」
晴山はSランク武偵でその総資産は億に届く勢いなのでこんな大雑把な買い物ができるのだ
「うい、まいどありー」
作り置きされてた銃弾を高級チョコレートの箱のような入れ物に入れて渡してくる
「またなんかあったら頼む」
「あいあい了解」
「さて、どうするか・・・」
正直ジャンヌ編で俺が介入できる箇所は少ない
監視は怠らないとしてその間どうするか・・・
「そうだ、飛行場に行こう」
言うが早く旅行券をひっつかみ私設飛行場に飛ぶ
飛んできた飛行場の格納庫に入り中を見る
「どうも、社長」
ここで航空機を組み立ててくれてるPMC(民間軍事会社)の社員が挨拶してくる
ちなみにいまの俺はダンディーな若者に擬態してる
「調子はどうだい?」
「UAVは8機が完成。AC-130が2機完成、またヘリの方は25機の組み立てが完成し無人機化は7機が完了。他の機体は追加のパーツ待ちです」
「ふぅん・・・じゃあ業者にそう言っとこう。どれくらいで完成する?」
「UAVは後5機あるので組み立てはあと一か月はかかります」
「わかった、一年以内に作り上げてくれ」
「わかりました。後・・・」
「賃金の関係なら聞かないぞ」
「休憩室にエスプレッソマシーンを置いてくれ」
「・・・一番いいやつを手配しとくよ」
東京某所のホテル
「ジャンヌ、武偵高に偵察に行ってくる。なにかしてきてほしいことはあるか?」
「ふむ・・・では星伽白雪のいる部屋にこれを仕掛けて来てくれ、あとポテチとオランジーナにジャンプを頼む」
「おいなんだよその注文。おまえは引きこもりか」
「引きこもりですが、なにか」
「どや顔で言うなよ・・・」
「いいじゃないか。これら三種の神器はお前から教わったのだから、恨むなら自分を恨め」
「はぁ・・・昔のお前はどこ行ったんだよ・・・」
盗聴器を弄りながら武偵高に歩を進める
「頼んだぞ、フランソワ」
ジャンヌの声に送られて部屋を出る
自身の転生特典の一つ【存在遮断】を使う
そうすることで俺が周りから視認できなくなる
星伽白雪は遠山キンジの部屋にいる、転生者と思わしき人間と共に
(どんな能力かは知らないが脅威にはなるな・・・)
タイミングよくキンジの部屋が開いたので中に入る
足音を立てないように抜き足差し足で進みジャンヌの言ったとうり警備装置の回路に割り込ませる
そして玄関が開くのを待って外に出る
ね、簡単でしょ?
ミャンマー奥地
「カチン族に自由をぉー!!」
AK-S74uを持ったカチン族の青年を先頭に突撃を始める
ビルマ国軍の隊列に向けてノリンコ56式歩兵手槍やAK-47Ⅲ型などを撃ちながら雄叫びを上げる
対するビルマ軍はカチン族の1/2程度の戦力だが装備した武器はAK-74M等のそこそこ最新式のを構えM2重機関銃搭載のテクニカルの射手が初弾を装填する
「撃てぇぇ!!」
指揮官の叫びと共に銃撃が開始されカチン族へ容赦のない攻撃が仕掛けられる
カチン族の血飛沫や四肢が飛び散り双方の陣営で死人が増えていく
迫撃砲が炸裂し大の大人の身体が風船のようにはじけ飛ぶ
「撤退するまで撃ち続けろ!弾幕を絶やすなぁ!」
指揮官が激を飛ばし航空支援を要請するため無線を持ち上げた
ボトッ
腕が落ちた。無線を持ったまま
「・・・あ、う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴を上げると倒れた。腰から下が斬れたのだ
辺りを見渡すと他の兵士も肩や足がもぎれたりいきなり首が千切れて真っ赤な人間噴水と化したやつもいた
それを行ってるのは一人の人間
全身が真っ黒い死神だ
戦場に似合わないマッドブラックのリクルートスーツに頭には同色のブニーハット。に顔にはガスマスク、帽子の側頭部には赤、青、緑に塗り分けられた鳥の羽がマンガのキャラクターのようないでたちの奴がわずかに帽子から覗いた黒髪をちらつかせ兵士を手にした剣で切り刻んでいく
敵か?
否、敵ではない。だが味方でもない
カチン族すらも切り刻んでいるからだ
AKで撃たれようとナイフで刺されようとそいつは死なずに笑っていた
臓物をぶちまけ、血塊を吐きながらもそいつは笑みを絶やさず人々を切り刻んでいく
「ば、化け物・・・」
「夢、か・・・」
ミャンマーに観光に行った時のことだったな
ジャングルを散歩していたら戦闘が始まってたので思わずつまみ食いしたときの思い出だ
どうやら俺は今まで蒐集してきた魂の記憶のような物を夢としてみてしまうようだ
「映画みたいだな・・・」
この体は一人のものじゃないからな。いろいろ大事にしてかないと
そう思い【刻々帝】の【八の弾】で分身を生み出す
「アドシアードの日に武偵高に襲撃を仕掛ける。お前はジャンヌの監視、お前はジャンヌに引っ付いてる転生者の力を探れ、お前らは武偵高を監視しろ」
「「「「きひひひひ、了解」」」」
全員がにやにや笑いそれぞれの方向に散った
ジャンヌが変声術で遠山をからかってきて新たなホテルに拠点を移したその日
コンコンコン
「わたくし、ホテルオーナーの佐藤と申します。こちらの不手際でお客様に伝え忘れた事がございますので、お手数ですがこちらの用紙をご覧いただけますでしょうか?」
ここは東京でも有数の高級ホテルだ。なにか不備でもあったのだろうか?
ジャンヌは先ほどからパソコンで2chを見たままベットから動こうとしない
「・・・はぁー」
なんだか引きこもりを相手にしてる気分だ
一応Mk23を片手に扉を開ける
「きひッ」
サプレッサーに抑えられた銃声を響かせ9mmパラべラム弾がフランソワの脳天を撃ちぬいた
続いてペンチでチェーンを切り部屋に入る
「きひひひ、こんにちは、ジャンヌ・ダルク30世・・・」
サプレッサーを巻いたグロック19でフランの胴体を何発か撃つ
「よく知ってるな、ブログを見たのか?ストーカーか?それとも脅したことあるか?」
「4、5世代前のジャンヌに拉致監禁されて危うく廃人になりかけた」
あいつすごいヤンデレなんだもん・・・独占欲超強いもん
「そうか、先祖が酷いことをしたな、すまなかった」
「謝ってもらうためにここまで来たんじゃない。とりあえず、死ねよ」
パシュパシュ
ジャンヌに銃弾を放ったがそれは当たらなかった
ジャンヌの手前で滑らかな光沢を放つ金属板が突如として現れたからだ
「ッ!!」
形の変形した金属板がヘアピンサイズになりこちらに飛んできたのだ
「ぐぅ!」
冷蔵庫を倒し何とか針の大多数をかわす
「おいおい、その程度でひるんでたら世話ねーぞ」
最初に殺した男がベットのわきから現れサプレッサーのついたMk23でこちらに銃撃を始めた
「ぬぅおおおおおおお!!」
こちらもグロック二丁で応戦しながら駆け寄る
だが後ろから再び飛来した針金が俺に突き刺さり、死んだ
「フム、大したことないな」
ジャンヌが先ほどと変わらぬ体制でパソコンを叩きながら呟いた
「俺のステルス
「つーかさ、お前の分身どうにかならんか?鉄臭くてかなわん」
最初にフランソワが殺された入り口付近は人一人分の血液をばらまいた血の海と化していた
「どうにもならん。邪神様はえらく大飯ぐらいだからな」
そういって肩をすくめるフラン
「というか向こうも似たような能力か?死体が消えてる」
ジャンヌが見てる先には先ほどの死体が血になって消えてる
「いや、クトゥルフ系の力は感じられない。おそらく別の能力だろう」
「別、か・・・」
「とにかく、拠点を移そう。ここは鉄臭すぎる」
「名案だ」