本拠で寝ていたハズなのに、何故か真っ暗な空間の中に立っていた。
「あれ、僕どうしてこんな所にいるんだろ?」
そう言いながら周囲を見渡すと、鱗のような壁があった。
「なんだろう、この壁?」
そう言いながら壁を触っていると、上の方から声が聞こえてきた。
{なんだぁ、このガキは?}
僕はおそるおそる上の方を見上げると、そこには夢に出てきた巨人のような邪龍がいた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
僕はそれを視認した瞬間、大声を上げて叫んだ。
{うるせぇな、お前ブッ殺し確定だ!!}
巨人の邪龍は拳を僕に向かって振り下ろしてくる。
僕はその拳を何とか紙一重に躱し、邪龍の攻撃は僕の立っていた場所に減り込んでいて、数十メートルのクレーターが出来ていた。
{へぇ、テメェみたいなガキが俺の攻撃を躱しやがるとはなぁ。}
巨人の邪龍はそう言いながらまた拳を僕に向かって振り下ろしてくる。
だけど、その拳は僕には届くことは無かった。
それは何故かというと、邪龍中でも最強の邪龍が巨人の邪龍の拳を受け止めていたからだ。
{クロウの旦那、どうして邪魔すんだよ!!}
巨人の邪龍はその邪龍の事をクロウと呼び、僕への攻撃を邪魔したのかと問いかける。
{今この人間を殺せば復活の時を長引かせるという事が分からないのか?}
クロウと呼ばれた邪龍は巨人の邪龍の言葉にそう言い返した。
{チッ!!}
クロウの言葉に巨人の邪龍は舌打ちをしながらクロウから拳を振りほどく。
すると、他の邪龍がその姿を現す。
{ギャハハハハ、グレンデル情けねぇな!}
{ダッセェ!}
{ザマァ!}
そう言って来るのは千の
巨人の邪龍の事をグレンデルと呼び、挑発を交えた嘲笑の言葉を言っている。
それに対してグレンデルと呼ばれた巨人の邪龍は怒りを込めた声音でこう言って来る。
{アジ・ダハーカてめぇ、ぶっ殺されてぇのか!!}
そう言ってグレンデルはアジ・ダハーカと呼ばれる三つ首の邪龍に殴りかかっていく。
それに対してアジ・ダハーカもグレンデルに襲い掛かり、喧嘩を始める。
{はぁ、あの二匹は相変わらずの様ですね。}
そう言いながら嘆息しているのは強固な障壁を張る事の出来る背中に樹を背負った赤眼の邪龍。
{どうでもいんだなぁ、それよりおいらは腹が減ったど。}
興味無さげにそう言っているのはドス黒い瘴気を身に纏い目に入る物全てを食い散らしていた蛇のような邪龍。
{それよりも、我等をこの場に集めたのはどう言う訳なのだ?}
そう言ってくるのは全てを暗黒の大河で呑み込んでしまった三つ目の大蛇の様な邪龍。
{何も無ければ帰らせてもらうぞ。}
そう言っているのは自らが持つ猛毒によって空気すら侵した八つの蛇の頭をした邪龍。
{それなら俺も帰らせて貰おうか。}
八つの蛇の頭をした邪龍に賛同するかのように禁忌級の呪詛を孕んだ黒炎を吐いていた東洋の龍の姿をした邪龍がそう言った。
すると、グレンデルにクロウと呼ばれていた邪龍が口を開いた。
{今回、この場に呼び出したのは他でもない。俺達の宿主に俺達の事を教えるためだ。}
『!?』
その発言を耳にしたクロウ以外の邪龍の顔は驚愕に支配される。
喧嘩をしていた巨人の邪龍と三つ首の邪龍すら手を止めるほど。
すると、クロウと呼ばれる邪龍が僕の服の襟を器用に掴むと、邪龍達の前にへと出す。
そうして、僕の事を見た邪龍達は口を揃えてこう言った。
『弱すぎる。』
その一言は僕の心に酷く響いてきた。
そうだ、僕は弱い。
ミノタウロスの時だって邪龍の力を借りなければ倒す所か殺されていたんだ。
そう考えていると、クロウがこう言って来る。
{確かにこの宿主は弱い。だが、俺達にとっては重要な存在だ。}
え? 僕が邪龍達にとって重要な存在ってどういう事?
僕がそう疑問に思っていると、グレンデルがこう言って来る。
{で、このガキにどうしろって言うんだよ?}
グレンデルは僕に向かって指をさしながらそう言ってくるのに対して、クロウはこう言った。
{まずは・・・、自己紹介だな。}
{ハァ!?}
クロウの予想外の発言に対してグレンデルは拍子抜けの声を上げる。
そんなグレンデルを無視してクロウは僕に自己紹介をしてくる。
{人間の小憎、俺の名は
クロウもとい、クロウ・クルワッハの自己紹介をした後邪龍達は次々と自分の名前を名乗っていく。
{いいか、俺の名前は
{俺の名は
{私の名前は
{おいらの名前は
{我の名は
{俺様は
{俺は
邪龍達の自己紹介が終わると、僕も自己紹介をした。
「僕は【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネルです。」
全ての者が自己紹介を終えると、クロウ・クルワッハがこう言って来る。
{ベル・クラネル、お前は弱い。}
クロウ・クルワッハの言葉に僕は身体を強張らせる。
すると、クロウ・クルワッハはこう言葉を続けてくる。
{お前は何を求めている?}
「出会いと英雄になる事!!」
その言葉に僕は即答した。
それを聞いたクロウ・クルワッハはこう言って来る。
{ならば、それを求め続けろ。貪欲なまでに、その目的を邪魔するものは全て滅ぼせ!!}
その言葉を聞いた僕は妙に納得をしていた。
それは何故かというと、子供みたいな考えかもしれないけど好き嫌いに似た感じだったからだ。
「うん、分かったよ。僕は目的を成就させるために
僕がそう言うと、クロウ・クルワッハがこう言って来る。
{ならば、もう時間だ。さらばだ。}
クロウ・クルワッハがそう言うと、僕の視界は真っ白に包まれていった。
目を覚ますと何故か上に神様が眠っていた。
「{えっ、ええっ、なんで神様僕の上に!?}」
僕は内心驚きながらも神様が起きないように身体を起こし、立ち上がる。
そして、防具を身に着けると眠っている神様に向かってこう言った。
「それじゃあ、神様ダンジョンに行ってきますね。」
僕はそう言って地下室の扉から外にへと出ていくのだった。
「・・・ベル君のいくじなし。むにゃむにゃ。」
それと同時に発せられた言葉は僕には届かなかった。
僕がダンジョンに向かって西のメインストリートを抜けようとしていると、後ろから誰かに声をかけられる。
「あの・・・、
後ろを振り向くと、そこには豆粒くらいの大きさの魔石を掌に乗せた鈍色髪ポニーテールの女の子がいた。
あれ、換金し忘れちゃったのかな?
そう考えながら魔石を受け取り、感謝の言葉を言う
「拾っていただいてありがとうございます、えっと・・・。」
「私はシル・フローヴァと言います。」
シルさんの自己紹介の後、続いて僕も自己紹介をする。
「僕はベル・クラネルと言います、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくおねがいしますね、ベルさん。」
僕の言葉の後に笑顔でそう言って来るシルさん、可愛いなと思っているとお腹がグゥ~ッという音が鳴った。
その瞬間、僕の顔は耳まで赤くなっただろう。
シルさんも僕のお腹の音を聞いてクスリと笑っていた。
何とも言えない恥ずかしさに苛まれていると、シルさんがサンドイッチの入ったバゲットを僕の前に差し出してくる。。
「ベルさん、これ良かったら食べてください。」
そう言ってバゲットを差し出してくるシルさんに対して僕はこう言った。
「い、いえ、そんな悪いですよ!!それに、これはシルさんのご飯なんじゃ・・・。」
「私は大丈夫ですから気にしないでください。」
僕の言葉を遮ってバゲットを渡してくるシルさんに敗けて受け取ると、こう言ってくる。
「ベルさん、お礼なら私が働いているお店で食事をしてもらうという事で。」
サンドイッチのお礼は自分が勤めている飲食店で食事をする事だった。
「シルさんの働いているお店で食事ですか?それくらいならいいですよ。」
僕がそう言うと、シルさんは笑顔になってこう言って来る。
「それじゃあ、よろしくお願いしますね!」
「はい、それじゃあまた後で。」
僕はそう言ってダンジョンにへと向かって走り出すのだった。
ダンジョンに潜ると、僕はゴブリンやコボルトなどのモンスターを一体一体確実に倒していき、魔石を回収していく。
そうして感じたことは明らかに動きが良くなっているということだ。
それはそうだ、邪龍の【ステイタス】が書き写されているんだから。
そう思いながら僕は一度深呼吸をすると、下層に続いている道を進んでいくのだった。
すると、気が付けば昨日ミノタウロスと遭遇した五階層まで来てしまっていた。
でも、僕は気になんてしていなかった。
何故なら、僕には夢があるからだ。
そう、物語に出て来るような"英雄"になりたいから冒険者になったんだ。
だから、僕は前に進む事を決めた。
六階層に着くと、天井から影の様なものが十つ程落ちてきた。
その正体はは新人殺しの異名を持つウォーシャドウだった。
僕はギルドで取り換えてもらったナイフを抜き放ち、構える。
左側から飛び掛かってくるウォーシャドウに対して僕は右足で蹴り飛ばして魔石にしていく。
そして、ナイフでウォーシャドウの最大の武器である三本の爪を敏捷のアビリティを限界まで使って躱しながらナイフで斬り付けたり、拳や蹴りといった体術で倒していく。
そうして倒し終えると、魔石やドロップアイテムを回収をしてから更に奥にへと進んでいき、到達階層を増やしていく。
気が付くと、僕は十階層に来ていた。
十階層、霧が常に立ち込めている階層でいつモンスターが現れるかが分からない場所でもある。
僕は一度深呼吸をしてから前にへと進んで行くと、インプやオークの群れが現れた。
オークは十階層に生えている木を引き抜くと武器の棍棒にへと変化する。
僕はそう思いながらナイフを構えながらモンスターの大群にへと突貫していく。
まず、すばしっこいインプから片づけることに決めた僕は体術だけでインプを魔石にした。
大型モンスターのオークはナイフで膝を斬りつけて態勢を崩した後、頭をナイフで突き刺したり、拳や蹴りで首をへし折って魔石にしていった。
そうして、バックパックの中が魔石やドロップアイテムで入り切らなくなると、地上にへと戻っていった。
今回のダンジョン探索で得た魔石とドロップアイテムを全て換金すると、59000ヴァリスという金額になっていた。
僕はそれに対して満足をしながらも、本拠にへと帰っていくのだった。
本拠に戻ると、神様に頼んでステイタスの更新をしてもらった。
ベル・クラネル
Lv.1
力SSS9999
耐久SSS9969
器用SSS9773
敏捷SSS9872
魔力I0
【
・身体の中にいる八体の邪龍の肉体と力と特性を使役する。
・使役した邪龍の【ステイタス】(level以外)が自動的に書き写される。
・邪龍一覧
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【ステイタス】はあまり成長はしていなかった。
それもそうか、邪龍達のステイタスを書き写してあるんだから当然か、とそう思った。
「ベル君。」
そう考えていると、神様が声をかけてくる。
「何ですか、神様?」
僕がそう答えると、こう言って来る。
「実は今日はバイト仲間同士での集まりがあるから今日の晩御飯はベル君一人になってしまうという事を言いたくてね・・・。」
神様が気まずそうにそう言ってくるのに対して、僕はこう言った。
「大丈夫ですよ、神様。バイト仲間同士の集まりならしょうがないじゃないですか、ですから僕の事は気にせずに楽しんできて下さい。」
そう言って僕は今日稼いで来た金額の半分である27000ヴァリスを渡した。
それを見た神様は驚きながらこう言って来る。
「べ、ベル君、このお金は!?」
「今日ダンジョンで稼いで来たお金です、これを使ってください。遠慮は無用ですよ。」
神様の言葉に僕はそう言った。
「でも、このお金はベル君が必死になって稼いできたお金なんだぜ。そのお金は君自身が使うべきだ。」
その言葉に対して、僕はこう言った。
「それはそうですけど、自分だけというのは気が引けますので・・・。」
そう言いながら僕は神様の手を取った。
「べ、ベル君!?」
「ですから、神様遠慮なく使ってください。ね?」
「う、うん、分かったよベル君!」
僕の言葉に対して神様は同意をしてくれたのを聞いて、防具を脱いでこう言った。
「それじゃあ、僕も外で食べる事にしますので。」
それを聞いた神様は慌ててこう言って来る。
「ベル君、それじゃあこのお金も・・・。」
「それは神様の分ですよ。」
神様の言葉を遮り、僕はそう言って地下室から出ていき、「豊饒の女主人」にへと向かうのだった。
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